USDAの牛飼養動向報告では、1月1日時点の総飼養頭数は9359万5000頭(前年比1.8%増)で166万6000頭増加した。2014年から3年連続の増加となったが、2017年の牛群の増加率は小さくなり、2018年には増加基調が終わるかもしれない。
ただ2016年の肉牛および子牛の頭数増は、2017〜2018年の肥育牛の供給増大を示唆しており、大手パッカーは「2017年の生体牛の供給頭数は3〜5%増」と予想する。この増加はすでに先物市場では織り込み済みで、8月、10月、12月分の生体牛取引価格は100ポンド当たり103ドル以下となっている。
アナリストは「2016年が2015年と大きく違うのは、フィードロットからの出荷ペースが加速している中での増加だったこと。2016年のと畜頭数は前年比で去勢牛が120万頭、未経産牛は30万頭増加した。2015年は去勢牛が横ばい、未経産牛は100万頭減少した」と話す。
最も注目すべき点は、雌牛の総飼養頭数が3121万頭(同3.5%増)と104万4000頭増加したことだ。このうち乳用牛雌の増加はわずか0.4%、3万9000頭。さらに子牛の飼養頭数3508万3000頭(同2.9%増)、99万6000頭も増加している。
近年の飼養頭数の増加と牧草地の状況が良好なことから、州ごとの飼養頭数に劇的な変化が起きている。最も顕著なのはオクラホマ、テキサス、ミズーリ、ニューメキシコなどで、オクラホマの肉牛飼養頭数は9%、17万2000頭増、テキサスは4%、17万頭増、ミズーリでは8%、15万頭増加している。逆に2016年に干ばつ傾向が見られた南東部の一部の州では飼養頭数が減少。ミシシッピは5%、2万4000頭減、ジョージア、サウスカロライナはそれぞれ2%、8000頭減、3%、5000頭減。
繁殖用に保有された未経産牛の頭数も予想より多かった。このカテゴリーは推定で前年比1.2%、7万9000頭増加した。子牛価格が2015年春季のピークから2016年秋季までに50%も下落したことから、このカテゴリーは5〜7%減の予想だった。
また500ポンド以上の去勢牛と未経産牛の頭数がほぼ横ばいであること、1月1日時点でフィードロットの外にいる去勢牛・未経産牛が2%増と推定されることなどから、アナリストは2019年まで肥育牛の供給は増加基調をたどると予想している。
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