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TRADER'S Be & Po

vol.282 Jan.10.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 牛肥育業者上位30社、2016年の収容能力は前年並み
養豚企業上位35社、2016年は22社で母豚増加
市況ニュース クリスマス商戦で生体牛、牛肉とも価格上昇
生産動向 米国の牛飼養頭数の完全回復は2018年に
12月期の豚飼養頭数3.7%増、過去最高を更新
ポーク関連ニュース 2017年の豚肉生産予想3.4%増、記録的拡大続く
リテール 11月の小売価格、牛肉、豚肉とも急落
USMEFインフォメーション SMトレードショー(2月15〜17日)に出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2016年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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年 頭 の ご あ い さ つ

新年明けましておめでとうございます。米国食肉業界を代表し、日本のビジネス・パートナーの皆様の旧年中のご愛顧、並びにご指導に対して深く感謝申し上げます。

2016年は、「アーバンBBQ」という新しいBBQのプロモーションをスタートさせ、アメリカと日本のBBQの長所を取り入れた新たなBBQ文化の普及を図りました。また、シニア層の需要開拓のため「OTONA」セミナーを実施し、これからシニア世代を迎える50歳以上の方にアメリカンビーフ・ポークの栄養価を強調いたしました。

アメリカン・ビーフは、「American Beef For You」として品質の高さ、おいしさを訴求しました。「ビーフといえばアメリカン」というメッセージでアメリカン・ビーフの特長を生活者に伝えてまいりました。

アメリカン・ポークの施策については、ごちポプロモーションを継続し、週末のごちそうメニューを提案し、また、ウェブサイトと店頭施策を連動させる企画も強化しながら行ってまいりました。新たな取り組みとして、精肉販売時に使用されるトレーにごちポとレシピをデザインした「ごちポアドトレー」を開発し、サマーキャンペーン、ホリデーキャンペーン等のプロモーションを実施しました。

2017年は、アメリカン・ビーフ、ポークの新たな活動として「かたまり肉推進プロジェクト」を立ち上げ、かたまり肉の調理方法、レシピの新しい提案を実施します。また、引き続き、生活者の皆様にアメリカン・ビーフ、ポークをよりおいしく楽しんでいただき、消費向上につながる様々な施策をご提案してまいります。2017年が日本のビジネス・パートナーの皆様にとりまして、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。2017年もおいしいアメリカン・ミートをよろしくお願いいたします。

米国食肉輸出連合会(USMEF)
ジャパンディレクター 山庄司岳道

  アメリカン・ビーフ及ごちポロゴ画像
 
トピックス

牛肥育業者上位30社、2016年の収容能力は前年並み

 
 

キャトル・バイヤーズ・ウイークリー紙の調査による「2016年全米肥育牛業者トップ30社」によると、上位30社合計の肥育能力は123フィードロット・591万頭(前年は120フィードロット・594万頭)。これは、米国における収容能力1000頭以上のフィードロットの55%に相当し、ほぼ前年と同規模である。

ただ、2016年は上位企業3社で大きな変化があった。フリオナ・インダストリーズは7月にカーギル・キャトル・フィーダーズがテキサスに所有していたフィードロット2施設を買収、肥育能力を13万8000頭増加し、6施設合計で43万8000頭に拡大した。これによりカーギルは14万5000頭減少し、4施設計・15万5000頭となった。

オプリガー・フィードヤードは、フィードロット2施設、肥育能力で4万1000頭分を増加し、前年の13位から7位に上昇した。アグリ・ビーフはカンザスとテキサスのフィードロット3施設を売却したことから、肥育能力は6万5000頭に減少し、11位から21位になった。

フィードロット業界の2017年の課題は①牛肉の消費意欲②輸出機会の拡大③肥育牛の収益性④価格回復などが山積しているが、フリオナのブラッド・スタウトCEOは、最大の課題は「製品の透明性を強化し、ベストな経営の遂行と持続可能な基盤を示す努力を通じて、産業全体として牛肉の販売を促進し、消費意欲を刺激するために注力することだ」という。

キャトル・エンパイアのロイ・ブラウンCEOは、特に輸出拡大が重要であると述べ、「鶏肉、豚肉、牛肉と全ての食肉の生産、供給が増加する中で、輸出を拡大しなければ米国農業の生産力は製品価格を圧迫し続けるだろう。世界市場で米国産牛肉の取引を拡大するために、関税の引下げなど新政府とともに取り組めることは全て行わなければならない」と指摘している。

 

※2016年12月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

  2016 肥育業者ランキング上位30社(上位21社まで抜粋)
 
 

養豚企業上位35社、2016年は22社で母豚増加

 
 

The Successful Farming誌 が発表している全米のPork Powerhouses Top35(母豚の保有数による養豚企業上位35社)によると、2016年の上位35社合計の保有母豚数は377万頭で、2015年に比べ12万3000頭増加した。1位のスミスフィールドは保有頭数が減少したが、35社中22社で保有頭数が拡大した。

特に増加が目立つのは、シーボードフーズ(29万頭)で7万3000頭の増頭。同社はトライアンフフーズとともに2017年夏にアイオワ州に新工場を稼働させる予定で、この工場への供給確保のため、提携関係にあるトライアンフフーズのクリステンセンファームから3万5000頭を、また買収したテキサスファーム(2万5000頭)を4万頭規模に拡張した。

Clemens Food Groupは2017年9月にミシガン州でと畜工場を操業開始する計画で、これに連動してオハイオ州に本拠地をもつ企業養豚4社で計2万頭が増加した。独立系のプレステージファームは、2019年の操業開始を目指して新工場を建設中。同工場は1日当たり1万頭の処理能力を備え、同社では60%を自社農場から供給、残りの40%は独立系の生産者から購入するという。

これらの大規模工場の新設を見越して、サウスカロライナ州のグリーンウッド・パッキング社は1日3000頭の工場を閉鎖したが、今後も旧来工場の閉鎖は続くかもしれない。また繁殖場も操業から25年以上を経過している施設が多い。クリステンセンファームは、ネブラスカ州で2つの大規模な生産施設を建設するプロジェクトを推進しているが、同社のCEOは「豚肉産業界には今後3〜5年で大きな変化が起こる。それは1990年代半ばのような非常にエキサイティングなものになるだろう」と予測する。

  2016 全米養豚企業トップ35社(20社まで抜
 
市況ニュース

クリスマス商戦で生体牛、牛肉とも価格上昇

 
 

生体牛と牛肉カットアウト価格の大幅な上昇は、肥育業者とパッカーに予期せぬクリスマスプレゼントとなった。12月第3週に現金取引価格は堅調に回復した。週前半に肥育業者は生体牛を100ポンド当たり115ドル、枝肉を100ポンド当たり179〜180ドルで売りに出したが、後半にパッカーはそれ以上の高値で購入。特に南部と北部で取引価格が上昇した。

パッカーの購入価格の高騰には2つの要因があった。第1には、12月の第1週以降から営業利益が劇的に改善(ヘッジャーズエッジドットコムによる算出で1頭当たり105.19ドルの黒字化)したこと。第2には、その前週のスポット市場でカットアウト価格、特にセレクトの価格が再び上昇したことだ。牛ひき材やエンドカットを主体に買付けが活発化した。アナリストは「小売業者は1月にこれらの品目を大々的に販促するだろう」と予想する。

Fed Cattle Exchangeのオークションでは、委託取引された5317頭のうち、53.5%相当の2860頭の生体牛が平均価格112.68ドルで販売され、前週より2ドル上昇した。去勢牛の平均価格は前週の110.65ドルから112.93ドルに、未経産牛は同110.11ドルから112.34ドルに上昇した。

これに乗って、カンザスでは生体牛が平均115.56ドル、テキサスでは115.14ドルで取引され、ネブラスカでは生体牛115.32ドル、枝肉は180ドルとなった。アイオワ・ミネソタでも枝肉が平均180ドル、生体牛は112.77ドル。主要5週における去勢牛平均価格は、生体牛111.39ドル、枝肉174.13ドルで、前週比でそれぞれ1.87ドル、4.21ドル上昇した。

 

※2016年12月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

米国の牛飼養頭数の完全回復は2018年に

 
 

USDA(米国農務省)の新たな10カ年見通しが発表され、米国の肉牛飼養頭数が干ばつ以前の水準に回復するのは2018年になることが明らかになった。これは「通常の気候」が続くことを前提としたものだが、トウモロコシ価格は2年以内にブッシェル当たり5ドルを下回り、向こう10年間はその水準で推移すると予想されることから、肥育コストは抑えられる見通しだ。

2011年にテキサスで発生した干ばつと、2012年に全米を襲った乾季が飼料不足を引き起こしたため、肉牛や酪農経営者は飼養頭数の一部を処分せざるをえなかった。このため、米国の牛飼養頭数は2011年の9270万頭から2012年には9080万頭に減少し、2014年には8900万頭まで落ち込み、過去61年間で最少となった。

2016年は8970万頭まで回復したが、干ばつによる肥育コストの増加と、肥育素牛の供給減と高値がフィードロットの競合を激化させ、肥育業者とパッカーは数カ月間の赤字となり、一部のパッカーは牛肉処理施設の閉鎖に追い込まれた。

この状況を打開するためには牛群の増加が不可欠だ。飼養頭数は2018年には9350万頭まで増加し、2011年水準を回復。2022年には9480万頭に達すると予想される。

 

※2016年12月23日 FOODS MARKET.COM

 
 

12月期の豚飼養頭数3.7%増、過去最高を更新

 
 

USAD(米国農務省)が12月23日に公表した2016年12月1日現在の豚飼養頭数は7150万頭、前年同期比3.7%増となり、12月期としては過去最高を更新した。9月期との比較では21万頭増。

飼養頭数の内訳では、繁殖豚が609万頭(前年同期比1.5%増)、肥育豚は6541万頭(同4.0%増)。9〜11月の分娩頭数は304万頭(同3.9%増)と6〜8月期に続き300万頭台を維持。1腹当たり産子数も10.63頭(同0.9%増)と過去最高を更新し、離乳子豚数は3233万頭(同4.7%増)と大幅に増加した。

  米国の豚飼養頭数の推移(2016年12月1日公表)
 
ポーク関連ニュース

2017年の豚肉生産予想3.4%増、記録的拡大続く

 
 

USDAの四半期毎の豚飼養動向レポートを基に予想すると、2017年を通して豚肉の供給は著しく増加することになり、輸出がこれまで以上に重要となる。米ドルの強気見通しや、新政権による貿易の混乱の可能性を考慮すれば、2017年は特に輸出動向が注視される。2016年第4四半期の輸出が好調だった理由の一つは、1月の米国の政権交代を前に、メキシコから注文が殺到したためだとの推測もある。

12月期のレポートで驚くべき点は、12月から2017年5月までに予想される出荷頭数の多さである。1月の第3週までに市場へ出荷されると考えられる180ポンド超えの飼養頭数は1258万頭、前年比2.5%増でプレレポートの予想と一致しているが、120〜179ポンドの飼養頭数は同4%増。これらは1月下旬から2月下旬に出荷されるはずだ。さらに、2月下旬から4月中旬の期間に出荷される50〜119ポンドは同4.5%増、4月下旬から5月に出荷が予想される50ポンド以下の肥育素豚も4.4%増加している。

いずれも9月〜11月の子豚生産頭数の大幅な上方修正を反映しているが、事前レポートでは9〜11月の分娩頭数は前年並みと予想され、飼養頭数全体では2%程度の増加と予測されていた。しかし12月の調査では分娩頭数が3.9%増と急増し、一腹当たりの産子数が0.9%増加した結果、9〜11月の子豚生産頭数は4.8%増と大幅に増加し、夏から秋季にかけての出荷頭数も2.5〜3%増と予想される。

同レポートに基づいて2017年の豚肉生産量を予想すると、年間の豚肉総生産量は257億5700万ポンド、同3.4%増と推測する。2016年の記録的水準から、さらに8億5000万ポンド増加し、3年前との比較では約30億ポンドも増加することになる。この供給増を消化するためには、輸出が円滑に拡大することが不可欠だ。輸出が滞るようなことがあれば、壊滅的な価格崩壊に繋がる恐れがある。

 

※2016年12月26日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の週間当たり豚と畜頭数の推移と予測
 
リテール

11月の小売価格、牛肉、豚肉とも急落

 
 

USDA(米国農務省)が発表した11月の小売価格によると、生鮮牛肉の全体平均価格はポンド当たり5.54ドル(前年同月比7.5%減)。前月に比べ10セント低下した。10月の11セント値下がりに続くものだが、ひき材を除いたチョイスの価格は10月から11月にかけて2セント上昇し、平均5.76ドルとなった。

家畜販売情報センターによれば、チョイスの小売価格が前月を上回るのは6月以降で初めてだが、それでも前年同月比では7.2%低い。11月のチョイスの卸売価格(カットアウト価格)も前月比で2%上昇しているが、前年よりは12%低い。

リブの価格は急落した。アナリストによれば、小売業者は1月にリブとTボーンステーキを重点的に販促する模様だ。小売業者は昨年の水準より低価格で大量のリブを購入しており、バレンタインデーにはこれを大々的に売り込むと見られる。

一方、11月の豚肉小売価格は同3.63ドル(同7.4%減)で10月から12セント下落した。前月比では2010年12月以来以降で最大の値下がりだか、11月のポークカットアウト価格は前年同月比1%減。通常、11月から12月にかけて豚肉小売価格は下落するが、卸売価格が堅調であることから、12月の小売価格のさらなる下落は制限されそうだ。

 

※2016年12月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

SMトレードショー(2月15〜17日)に出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は2月15〜17日の3日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開催される「第51回スーパーマーケットトレードショー2017」(主催:一般社団法人新日本スーパーマーケット協会)にメンバー企業とともに出展します。USMEFブース(ホール2 小間番号:1-602)では、アメリカン・ビーフ、ポークの需要拡大に向けた2017年の方向性や戦略、メニューアイデアなどを展示・試食を通じて提案します。

アメリカン・ビーフでは、新たに「かたまり肉推進プロジェクト」と命名した新たな取組みを提案するのをはじめ、「アンガスビーフ」や「プライムビーフ」といったハイグレードな商品を紹介。また一昨年より提案を強化しているBBQについても昨年によりスタートした新しいコンセプト「Urban BBQ」を切り口に、家庭でできるUBQレシピや簡単アウトドアUBQなどのアイデアをビーフ、ポークそれぞれで提案します。

アメリカン・ポークでは新たな取組みとして展開する「ごちポの日」キャンペーンや昨秋より活動を開始した「かたまり肉推進プロジェクト」の提案に加え、ポークロインを使った新しいメニュー( 揚げないトンカツ、変わり種トンカツなど)の提案を行います。またアメリカン・ポークの加工品についても紹介しますので、ご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄りください。

なお、共同出展のメンバー2社と提案ブランドは以下のとおりです。
N.P.B.Japan Inc=ナショナルビーフブランドのチルドビーフの紹介と試食
TREX CORP INC=グレーターオマハ、クリークストーンのチルドビーフの紹介と試食

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート