USDA(米国農務省)のCOFレポートによると、10月1日時点のフィードロットにおける総飼養頭数は1026万6000頭(前年同月比0.4%増)。9月の導入頭数は190万5000頭(同1.9%減)で、1996年の統計開始以来、9月としては最低を記録。これに対して、出荷頭数は173万2000頭(同5.5%増)と増加した。
今年に入ってこれまでは、レポートが発表されても先物市場にはほとんど影響がなかったが、今回は導入頭数の少なさ、しかも重量級の牛の導入が昨年を下回ったことで、先物市場は即座に反応した。レポートが公表された金曜日(10月21日)に生体牛の先物は10月分が197ポイント上昇、さらに27日までに200ポイント上昇した。
重量区分別の導入頭数を見ると、2つ区分で大幅に増加し、他の2区分では急激に減少した。700〜799ポンドは9.4%、3万9000頭の増加、600〜699ポンドは3.4%、1万頭増となった半面、600ポンド未満は14.8%、6万頭の減少、800ポンド以上は3.0%、2万5000頭の減少となった。
飼養頭数はテキサスが最も多く245万頭(前年同月比5万頭減)、次いでカンザス222万頭(2万頭増)、ネブラスカは216万頭(11万頭減)。アリゾナ、コロラド、アイダホ、カンザス、オクラホマ、サウスダコタでは増加した。テキサス(10%減)とネブラスカ(8%減)では減少した。出荷頭数はアイダホ、アイオワ、ネブラスカ、ワシントンを除く全ての州で前年よりも増加。テキサスは14%増、カンザス13%増、コロラド10%増など。
◎ と畜頭数は高水準が続く
ビーフパッカーの営業マージンが良好なため、肥育牛のと畜頭数は去勢・未経産ともに増加している。10月第3週のと畜頭数は推定61万3000頭と5週連続で60万頭を超えた。これに連動して、牛肉のカットアウト価格はチョイス、セレクトともに続落した。
アナリストは「カットアウト価格がさらに低下して、生体牛が高くなったとしても、パッカーは現在のと畜頭数を維持するだろう」という。ヘッジャーズエッジドットコムのデータによれば、パッカーのマージンは10月の4週間の平均で1頭当たり128.54ドル。
ただ、パッカーの販売量は大量の生産に追いついていない。10月第3週のボックスビーフの総販売量は前年同週比1%減、過去5年平均比では12%減と3週連続で減少。感謝祭(11月24日)に向けた七面鳥の拡販はまだ本格化していないが、小売、外食ともに先週の牛肉販売は鈍かった。
USDAのデータによると、牛肉の総取引量は432ロード(≒コンテナ)で、前週(444ロード)より減少した。カットアウト価格の下落は主にロインの値下がりによるもの。リブは堅調で他の品目も価格は維持している。アナリストはロインの値下がりは一時的なものですぐに回復するだろうと予想している。
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