印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.276 Oct.11.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 中国が米国産牛肉の輸入再開へ、今後技術的協議
中国への輸出再開に向けた第一歩―セング会長
市況ニュース 生体牛価格、先物に引きずられ予期せぬ安値
牛カットアウト、連休でも価格上昇は見られず
ポーク関連ニュース 豚価続落、第4四半期の供給は予想以上に多い
ワールドトレード カナダ、中国向け牛肉輸出の新協定に署名
食肉在庫 8月の豚肉在庫、前月比1.4%増、バラは依然多い
消費トレンド ハロウィーン経済規模84億ドル、調査史上最高
USMEFインフォメーション 10月21日に札幌でアメリカンミートセミナー
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2016年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
 
トピックス

中国が米国産牛肉の輸入再開へ、今後技術的協議

 
 

USDA(米国農務省)のトム・ヴィルザック農務長官は9月22日、中国の米国産牛肉の輸入再開に関して「中国の農林大臣より、米国の牛肉供給システムに対する見直しを完了したことから、米国産牛肉に対する禁輸を解除するとの声明を受けたことを大変喜ばしく思う。これは米国産牛肉と牛肉製品の販路の回復に向けた決定的な第一歩である。貿易を再開するための明確な条件に関しては、さらなる技術的な協議をすることになるが、関連機関による迅速な取り決めを期待する」との声明を発表した。

声明の中で、米国の最優先事項は市場アクセスが科学的な根拠と貿易の国際基準に基づくものになることであるとし、世界で最も高品質な牛肉を生産する米国の生産者にとって、人口13億人の中国は重要な市場であるとしている。

2003年度の米国産牛肉の輸出額は、112カ国に対して計30億ドル(輸出量90万トン)だったが、BSE発生を受けて2004年度には11億ドル(30万トン)まで落ち込んだ。USDAは、まだ一部に制約が残っているものの、輸入再開への取り組みを推進 してきた結果、2015年度には58億ドル(80万トン)、輸出先国は112カ国までに回復したとしている。

2003年の中国の牛肉輸入額は計1500万ドル(1万2000トン)で、米国からは1000万ドルだった。近年、中国の牛肉輸入は劇的に増加し、2015年には23億ドルに達している。USDAは、2016年の中国の牛肉輸入量は約82万5000トンとなり、米国に次いで世界第2位の牛肉輸入国である日本を上回るだろうと予想している。

 

※2016年9月22日 USDA NEWSRELEASEほか

 
 

中国への輸出再開に向けた第一歩―セング会長

 
 

USMEFのフィリップ・セング会長兼CEOは9月22日、中国の国家品質監督検験検疫総局局長が米国産牛肉の輸入に対する禁輸措置を解除することを発表したことについて、「これは中国への牛肉輸出再開の重要な第一歩だ。USMEFは中国とUSDAが今後も米国から輸出される牛肉に適用する条件について協議しなければならないことを理解している。米国のサプライヤーが製品の出荷を開始するために必要な今後のステップについて、より詳細な情報が早期に明らかになることを期待する」とのコメントを発表した。

また、全米牛肉生産者協議会(NCBA)の国際取引ディレクターのケント・バッカス氏は、中国政府が30カ月齢未満の米国産牛肉の輸入を再開する方針を示したことについて「これは米国の牛肉生産者にとって素晴らしいニュースだ。これから技術的な交渉を続け、公式に輸出認可証明の手順を進めなければならないが、中国は世界で二番目の牛肉購買国。さらに中流階級の成長もあり、米国の肉牛生産者にとっては輸出拡大の大きなチャンスだ」と語った。

 

※2016年9月22日 USMEFNEWS、FOODMARKET.com

 
市況ニュース

生体牛価格、先物に引きずられ予期せぬ安値

 
 

生体牛の現金取引価格は、この5週間で100ポンド当たり14ドル近く下落し、今夏の底値と見られていた7月第3週の価格を下回った。レイバー・デイ(9月第1週の月曜日)前後の予期せぬ下落は、先物価格に引きずられたこと、また8月のと畜頭数と牛肉の生産量が前年同月と比べてかなり多かったことも要因だ。

ただ、現金価格は10月には回復するだろうとの楽観的な見方もある。と畜頭数の増加が続いてきたことから、出荷可能な肥育牛はまもなく減少し始めるとの予想があるためだが、注意すべきは、肥育牛パッカーは第3四半期に、2008年以来最大のマージンを見込んでいることだ。カットアウト価格が低下しても、パッカーは去勢牛・未経産牛の大量と畜を継続するかもしれない。

このため、9月第2週の100ポンド当たり105.02ドル(主要5州去勢牛平均価格)が今年の底値と断定するのはまだ早い。これは2011年2月以降で最低の価格で、枝肉価格は166.25ドル、前週比11.69ドル安。前年同期に比べると生体牛、枝肉価格ともに約24%の安値。

 

※2016年9月19日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
 

牛カットアウト、連休でも価格上昇は見られず

 
 

牛肉のカットアウト価格は、レイバー・デイの祝日によると畜稼働日の減少から、価格の上昇が期待されたものの、祝日の翌週(9月第2週)とその週末のスーパーにおける牛肉販売は下降線をたどった。チョイスのカットアウトは100ポンド当たり2.87ドル下落、セレクトは3.80ドル下落した。

全体のカットアウト価格はレイバー・デイの前週に100ポンド当たり191.61まで低下し、過去3年間で最低の水準となっていたが、さらに続落して安値を更新した。ただ、これにより小売の牛肉マージンが拡大し、今後の牛肉販促拡大や小売価格の低下に繋がるかも知れないという。

アナリストは、クルーガー社グループであるキング・スーパーズが先週、デンバーでチョイスのボンインストリップをポンド当たり4.77ドルで販促したことを例にあげ、牛肉のマージンは小売、パッカーともに良かったことから、これが先行きの生体牛価格の回復に繋がるだろうとの見方をしている。

 

※2016年9月26日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚価続落、第4四半期の供給は予想以上に多い

 
 

肥育豚の先物価格はさらに値下がりし、秋季の価格は今のところ過去20年間で最悪ともいえる動きを見せている(図2を参照)。9月1日以降、先物が800ポイントも引き下げられたのには複合的な要因がある。

まず、と畜頭数が多い上に、重量が急激に増加していることだ。出荷重量は枝肉で209ポンドを超過し、8月中旬よりも1.3%、2.8ポンド重い。生体重量が9月に向けて増加するのは珍しくないが、ここ最近の増加ペースは予想を超えている。レイバー・デイによる稼働日の減少がきっかけとなり、また大手パッカーの巨大工場が数日稼働できなかったことが拍車をかけた。

先週の肥育豚のと畜頭数は235万9000頭(前年同週比3.1%増)で、USDAレポートで示された予想よりも2.2%多い。現状では肥育豚と豚肉の価格差が拡大し、パッカーは継続して利益を得ていることから、引き続きと畜を増大させそうだが、問題は供給増加の中でカットアウト価格をどこまで維持できるかだ。

米ドルの強さは、米国産食肉の輸出にとってマイナス要因だが、特に豚肉製品は輸出割合が他の食肉より多いことから影響が大きい。肥育豚の供給が年間で最も多くなる第4四半期は、特に輸出が重要となる。今年の中国の冷蔵・冷凍豚肉の輸入量は、これまでの月間平均で13万5100トン、2年前の月平均4万8700トンを大きく上回っている。ただ、この中国の輸入増で最も利益を得ているのはドイツ、デンマーク、スペインなどのEU諸国。米ドルの対ユーロの為替レートは、生体豚価格とともに今秋の豚肉市況を左右する大きな要因となるだろう。

他の食肉との競合も激しくなる。牛肉の生産量は2016年に5.2%増加すると予想され、スーパーでの販促が増えている。この先も豚肉や家きん類に比べて牛肉の売上目標が高く設定される可能性がある。

 

※2016年9月23日 Pork Profit Maximizer

  肉豚の週当たりと畜頭数の推移 〜実績と2016年6月の飼養動向に基づく予測〜
  豚枝肉の平均重量の推移
  EUおよび米国からの中国の豚肉輸入量
 
ワールドトレード

カナダ、中国向け牛肉輸出の新協定に署名

 
 

カナダと中国は、牛肉貿易について新たな協定に署名したと発表した。

新協定では、カナダは「冷凍の骨付き牛肉」の中国向け輸出が可能となる。カナダは今回の協定について、今後のカナダ産豚肉や牛由来の加工食品の輸出解禁に向けた交渉にも繋がると期待している。

2015年のカナダの中国向け農産物輸出額は56億ドルで、カナダにとって中国は第2位の貿易相手国。カナダの肉牛産業は、中国への冷凍・骨付き牛肉の輸出額は年間約1000万ドルと予測しているが、カナダ食肉評議会のジョー・リーダ会長は「中国は すでに世界最大の食肉製品の消費国だが、それだけにはとどまらない。中国の消費者は高品質な牛肉を求めており、牛肉需要は右肩上がりを維持する見込みだ」と話す。

カナダは2011年5月、BSE発症国としては初めて中国と30カ月未満の牛の冷凍・骨なし牛肉の輸出許可を得た。同評議会のエグゼクティブ・ディレクター、ジム・ローズ氏は「今回、冷凍・骨付き牛肉の中国市場への販路を回復することは、私たちの最終目標に向けた道筋の重要なマイルストーンだ。最終目標は全月齢の牛の冷凍、冷蔵、およびチルドビーフ製品を輸出すること。今回の合意は、残りのステップについて交渉する道筋を切り開いた」としている。

 

※2016年9月26日 FOODMARKET.com

 
食肉在庫

8月の豚肉在庫、前月比1.4%増、バラは依然多い

 
 

USDAが公表した8月末の食肉、家きん肉類の総在庫は23億8900万ポンドで前月からわずかに減少、前年比ではわずかに増加、過去5年平均(21億9600万ポンド)に比べると8.8%増加。

豚肉の在庫は6億730万ポンド(前年同月比7.1%減)、アナリストの予想(平均6億1600万ポンド)よりも少ないが、前月比では1.4%増加した。過去5年平均比では約1200万ポンドの増加。

部位別の在庫をみると、モモは2億2600万ポンド(同4.5%減)、前月比では19.9%増。過去5年平均比16.8%増。バラは3190万ポンドで、前月から1880万ポンド減少したが、過去5年平均(1370万ポンド)の2倍以上で依然として多い。

牛肉の在庫は4億7660万ポンド(同1.3%増)で7月からは1.5%増加した。過去5年平均の4億2170万ポンドよりは13%多い。と畜頭数が増加する中で、前月比の増加が小幅であることから、市況への影響はないだろう。

家きん肉類の在庫は7億7370万ポンド(同0.7%減)、前月比6.1%減、過去5年平均比11.5%増。うち七面鳥の在庫は5億3140万ポンド(同11.3%増)、前月比0.2%増、過去5年平均比では1%増。

 

※2016年9月23日 FOODMARKET.com

 
消費トレンド

ハロウィーン経済規模84億ドル、調査史上最高

 
 

ハロウィーンのシーズンを迎え、アメリカ人はお気に入りのキャンディと仮装を豪華に楽しもうとしている。プロスペル・インサイト&アナリスティクスが行った全国小売連合の調査によると、ハロウィーンに関する合計支出は84億ドルに達する見込みで、11年間の調査史上最高額となった。

祝祭への参加は1億7100万人以上で、消費者の平均支出は82.93ドルと前年(74.34ドル)を上回る見込み。小売業者も、この購買イベントを最大限に盛り上げるべく積極的なプロモーションを行っている。

調査によると、消費者は衣装に31億ドル(ハロウィーンの買い物客の67%が購入)、キャンディに25億ドル(同94.3%)、装飾に24億ドル(同70%)、グリーティングカードに3億9000万ドル(同35.4%)を消費する予定だという。

消費者の71%がキャンディを配り、家や庭を飾り(49%)、仮装し(47%)、カボチャを彫り(46%)、パーティーを主催または参加(34%)する。このシーズンに買い物をする場所はディスカウントストア47%、ハロウィーン仮装専門店36%、食料品店・スーパー26%、デパート23%、オンラインショップ22%。

 

※2016年9月26日 FOODMARKET.com

  ハロウィンの支出金額の推移
 
USMEFインフォメーション

10月21日に札幌でアメリカンミートセミナー

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は10月21日午後3時から、札幌市の札幌グランドホテルで「アメリカンミート トレードセミナー & テイスティングセッション 2016札幌」を開催します。主なプログラムの予定は以下のとおりです。参加は無料ですが、定員制(120人予定)ですので参加希望者は早めにお申込み下さい。

  • ◇名称 アメリカン・ミート トレードセミナー & テイスティング 2016札幌
  • ◇日時 2016年10月21日(金)、受付・開場 14:30〜
  • ◇会場 札幌グランドホテル(札幌市中央区北1条西4)
  • ◇セミナー(15:00〜17:40)
    • 特別講演① 「新しい段階に突入した肉ブーム」((株)柴田書店代表取締役・土肥大介氏)
    • 「アメリカン・ビーフ & ポーク マーケット動向」(USMEF・山庄司岳道)
    • 「アメリカン・ポーク プロモーション活動のご案内」(同・加藤悟司)
    • 「アメリカン・ビーフ プロモーション活動のご案内」(同・笠谷樹)
    • 特別講演② 「熟成肉を巡る最近の動向」(北海道大学名誉教授・服部昭仁氏)
  • ◇テイスティング(17:50〜19:20)
    • USMEFが推奨提案するメニューをはじめ、アメリカン・ビーフ & ポークを用いた多彩なメニューを用意しています。
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート