印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.274 Sep.5.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉卸売価格、ひき材低調で回復せず
生体牛は先安懸念、フィードロットの導入増で
需給展望 豚肉の供給増加、第4四半期は波乱含み
ワールドトレード ロシアのEU産豚肉禁輸は協定違反―WTO
トピックス ブラジルの対米輸出、関税割当超える可能性も
ポーク関連ニュース 米国、カナダの豚飼養頭数2%増
フードサービス カールスJrが朝食にステーキビスケット
USMEFインフォメーション ごちポのガリバーソース小袋キャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2016年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
 
市況ニュース

牛肉卸売価格、ひき材低調で回復せず

 
 

牛肉の卸売価格は、価格上昇の牽引力を見出せずにいる。今夏の酷暑が小売の牛肉販売を鈍らせ、特に東部での販売が苦戦している。USDAによれば、ボックスビーフの週間平均価格は7月中旬から4週連続で下落。8月第2週には100ポンド当たり200.07ドル(前年同週比16.0%安)。第3週もほぼ同水準だった。

第2週の週間と畜頭数は59万9000頭と、前週より2万頭ほど増加。カットアウト価格は、チョイスが前週比で0.19ドルの値下がり。セレクトは0.51ドル上昇したが、50CL(赤身率50%の牛ひき材)と90CL(同90%)の下落が続いている。

リブの需要が力強いことから、ミドルミート(ロイン系)は高値を保っているが、エンドミートの価格は2007〜2008年以降で最低の水準にある。アナリストは、販売重量構成の高いひき材とトリミングの弱さがカットアウト価格の足を引っ張っているという。第2週の50CLの平均価格は66.42ドル(同11.9%安)。第3週は週初めからの4日間の平均は57.89ドル。90CLは同様に215.01ドル(同23.7%安)だったものが214.65ドルとなった。

豪州からの90CLの輸入量が、前年より大幅に減少している。国内の経産牛のと畜頭数は増加しているが、豪州産の減少分よりはるかに少ない。アナリストは90CLの下落は、小売での牛肉販売の鈍さを物語っているという。

 

※2016年8月22日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体牛は先安懸念、フィードロットの導入増で

 
 

アナリストは「フィードロットの現在の導入パターンは年末から来年にかけて生体牛価格に大きな影響を及ぼす」と警告する。上半期(1〜6月)の導入頭数は前年同期比6.3%増。出荷も前年を上回っているが、第2四半期の導入頭数は同8.3%増と多く、さらにここ1カ月間の導入は急激に増加したようだ。

「肥育業者が現在の出荷ペースを維持したとしても、冬季から春季の価格を圧迫する。出荷増に枝肉重量の大型化が加わると暴落する恐れもある」という。先物市場は10月に多くの牛が出荷されることを見越して安値を付けている。

フィードロットの飼養頭数は、6月1日時点で前年同月比2%増。7月1日は1%増となったが、8月1日には2%増に戻った。秋季も前年を上回る導入が続くと、年末に向けて飼養頭数は過去5年平均を上回る可能性がある。肥育素牛の供給と肥育牛の出荷は回復基調の最中だが、そろそろ供給増による暴落を警戒する時期が近づいている。

 

※2016年8月22日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
需給展望

豚肉の供給増加、第4四半期は波乱含み

 
 

この6週間で肥育豚価格は急落した。需要面で2つの大きな要因がある。第一はバラ肉の需要が予期されたほどは強まらず、カットアウト価格が下落し、パッカーの肥育豚購入価格に直接的な影響を及ぼしたこと。第二の要因は7月の輸出需要が著しく鈍化したことだ。先物価格は若干改善しているが、依然として多くのリスクがある。以下、今後の供給と輸出の見通しを示す。

供給:ここ4週間の豚の週当たりと畜頭数は平均で222万6000頭(前年同期比2.4%増)。6月の豚飼養動向で示された水準よりも多い。生産者が6月の出荷遅れを7月から8月上旬になって取り戻そうとしたことで、と畜頭数が増加した。6月以降のと畜頭数は累計2344万8000頭(前年同期比1.1%増)。

例年、秋口には気温の低下と新鮮なトウモロコシの出回りによって、飼料効率が改善し、生体豚の重量が増加する。出荷が遅れると、第4四半期は供給過多に陥る危険がある。

10〜11月のと畜頭数は前年より約2.5%多くなる見込み。また第4四半期のうち6週間は週当たりのと畜頭数が240万頭を超えそうだ。と畜能力を超過する大量出荷のリスクを低減するために、生産者は今後2カ月間は積極的な出荷を続ける必要がある。

需要:国内の豚肉需要が鈍化に向かう兆候がある。ミズーリ大学の月次豚肉需要指標によると、5月の指標は0.9%減、6月は0.4%減。7月はさらに低下すると予想される。

バラ肉価格の急落は、季節的需要が例年よりも弱いことを示している。過去4週間の肥育豚供給が前年比2.4%増だったこともあり、バラ肉の価格は依然として前年同期より50%以上も低い。この需要の弱さの一因は、春季に牛肉価格が下落したことで、小売業者は牛肉のステーキとひき肉の販促を活発化してきたことも影響している。

輸出:7月の豚肉輸出量は前年同月比3.5%減。第2半期の輸出増を支えてきた中国向けの需要が突然消失し、数千トンの製品がキャンセルされた。中国向け輸出は4月には週間平均で5000トン超だったのに対し、8月初めの2週間の平均は約1250トンだった。

2大輸出先であるメキシコと日本向けの輸出も7月は低調だった。一時的な価格上昇を受けて、海外バイヤーの模様眺めが強まったのであれば、秋季には回復するチャンスがある。米国産の肥育豚と豚肉の価格は現在、欧州に対して明らかに割安になっているからだ。

一時的に買いを控えた海外バイヤーも、いずれ米国産を選ぶだろう。豚肉の供給増に連動し、輸出量は第3四半期が8.3%増、第4四半期は9.5%増と予想されている。この輸出の伸びを実現しないと、肥育豚と豚肉価格はさらなる値下げリスクが増大する。

 

※2016年8月22日 Pork Profit Maximizer

  米国、中国、EUの肥育豚枝肉価格の推移
 
ワールドトレード

ロシアのEU産豚肉禁輸は協定違反―WTO

 
 

WTOのパネル(世界貿易機関小委員会)は、ロシアがEUからの豚肉輸入に講じている禁輸措置は、SPS協定(WTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定)に違反していると判定を下した。

この問題は、2014年初めにベラルーシの国境付近の地域で、限られた数のASF(アフリカ豚コレラ)が発見されたことを受けて、ロシアがEU産豚肉を禁輸。EUは全面的な輸入禁止は不当な措置だとしてWTOに提訴。双方の協議では解決せず、パネルが設置されて審議されてきた。

EUは今回の判定に対して、ロシアはもちろん、WTO加盟国のすべてに地域主義の原則と科学的根拠に基づくリスク評価の実行を促す強いメッセージであるとし、ロシアのEUに対する措置が実際の衛生上または健康上のリスクとほとんど関係がないことが証明されたとしている。

ただしパネルの紛争解決ルールでは、判定に不服がある場合は60日以内であれば上級委員会に上訴できる。期日までに上訴がなければ、判定は正式に承認され、ロシアは勧告に従うことになるだろう。

 

※2016年8月22日 Meatingplace.com

 

(Traders Be & Po編集部注:ロシアは上訴するものとみられ、欧州農業組織委員会/欧州農業協同組合委員会はWTOの決定を歓迎しつつも2018年までは禁輸は解除されないだろうとの見通しを示しています)

 
トピックス

ブラジルの対米輸出、関税割当超える可能性も

 
 

既報のとおり、米国とブラジルは牛肉貿易の再開で合意した。ブラジルの米国向け輸出再開にはまだ数カ月を要するが、輸出量については様々な予測がある。ブラジルはTQR(関税割当制度)で「その他の国」(年間割当量6万4805トン)の分類となる。

この割当枠(ニカラグア、ホンジュラス、コスタリカ、アイルランド)の2015年の消化率は68%(4万4362Mトン)。単純計算では、ブラジルは2017年に少なくとも2万トンの割当を得ることが可能だが、問題はこの割当を超えてどれほどの牛肉を輸出するかだ。超過分にかかる関税率は26.4%。ベテランの輸入業者は「ブラジルはその関税率を課しても他の輸入牛肉よりも安く輸入できるため、割当枠を超える大量の牛肉が輸入されるかも知れない」という。

最新の世界牛肉レポート(ウルグアイで発行)によれば、ブラジルは90CLをCAF3200ドルで販売している。これは米国向けのFOBで約1.55ドルに相当する。26.4%の関税を払ってもFOBは約1.95ドルだ。

ウルグアイは年間2万トンの割当量を保有し、昨年は99%にあたる1万9760トン(2億3800万ドル)が輸入されている。ブラジルの牛肉および肥育牛価格は、ウルグアイよりもはるかに安い。

輸入業者は「ブラジル産牛肉によって、米国の牛肉市場はどんな事態にさらされるか分からない。ブラジル産の品質はニカラグア産と競うレベルか、それ以下だが、ブラジルはその他の国の割当のほとんどをすぐに使い果たすだろう。ブラジルから低脂肪の牛ひき材が輸入されると、市場は3層構造となる。米国産の90CLをトップとし、次に豪州、NZ、ウルグアイ産が中間に位置し、ブラジルとニカラグア産が最下層を形成する。ブラジル産はニカラグア産(輸入量2000〜4000トン)に取って代わり、年間5万〜7万5000トンが輸入される可能性がある。輸出業者は牛ひき材市場に拠り所を見出し、顧客はそれをどう使うかを見つけ出す。結果的に豪州やNZを押しのけ、さらには米国産のひき材と経産牛に影響を与え、肥育素牛と肥育牛価格を押し下げるかも知れない」という。

一方で、ブラジルの大手パッカーのトップは「米国の輸入再開はブラジルの牛肉ビジネスにとって、中・長期的に非常にブラスになる。豪州産牛肉の生産が昨年を大きく下回り、米国向け輸出が減少していることを考えれば、ブラジル産の輸入が米国の牛肉ビジネスを危険にさらすことはない。むしろ、米国の牛肉流通量の増加、国内需要の改善が見込まれる。輸出市場もまた米国のビジネスを勢いづける。豪州の生体牛価格が大幅に上昇するにつれ、米国産牛肉は日本と韓国でさらに優位性を発揮しやすくなり、米国産牛肉の輸出は増加するだろう」と前向きな予想を語っている。

 

※2016年8月22日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

米国、カナダの豚飼養頭数2%増

 
 

USDAによると、米国とカナダの2016年6月の豚総飼養頭数は8180万頭で前年比2%増、2014年6月比で10%増と大幅に増加している。内訳は、繁殖豚が722万頭(2015年比1%増、2014年比2%増)で、肥育豚は7460万頭(同2%増、同11%増)。半年間の子豚生産頭数は7430万頭(同1%増、同11%増)。分娩した母豚の頭数は704万頭で前年からわずかに増加、2014年比では3%増。

米国:6月1日時点での豚総飼養頭数は6840万頭(同1%増)で、3月1日から1%増加した。繁殖豚の飼養頭数は598万頭(同1%増)だが、前四半期からはわずかに減少。肥育豚は6240万頭(同2%増)、前四半期からは1%の増加。子豚生産頭数は3030万頭(同3%増、同10%増)。分娩母豚数は290万頭(同1%増、同3%増)。

カナダ:2016年7月1日現在の豚総飼養頭数は1350万頭(同2%増、同3%増)。繁殖豚は124万頭(同1%増、同2%増)。肥育豚は1220万頭(同2%増、同4%増)。子豚生産頭数は1440万頭(同2%増、同7%増)。母豚の分娩頭数は127万頭で、前年比では微増、2014年比では2%の増加。

 

※2016年8月24日 Meatingplace.com

 
フードサービス

カールスJrが朝食にステーキビスケット

 
 

カールスジュニアとハーディーズは、全米のすべての店舗でステーキの朝食メニューの販売を開始した。マリネードしたステーキと卵、溶かしたチーズを自社製造のビスケットでサンドしたものと、サルサソース添えのトルティーヤで包んだ2種類を提供する。

同社では「多くの朝食メニューは、手軽さを求めるあまり味を犠牲にしている。当社では作り立てで品質が高く、すぐに食べられるが味わいを楽しみたくなる朝食メニューの提供に全力を注いだ。多くの人が朝にステーキと卵を味わう時間を作りたくなるようなおいしさに仕上げた」と自信をみせる。

ステーキエッグチーズビスケットは単品で2.99ドル、ハッシュポテトとドリンクのセットで4.69ドル。ブリートーは3.99ドル、セット5.69ドル。

 

※2016年8月24日 MeatPoultry.com

 
ステーキエッグチーズビスケット
 
USMEFインフォメーション

ごちポのガリバーソース小袋キャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、今年も秋冬のアメリカン・ポークの拡販策の一環として、ごちポ『ガリバーソース』小袋を提案します。このソースは食欲をそそるガーリックと香り立つバターの風味が絶妙で、秋冬向けのバラ、ロース、肩ロースと相性抜群のガーリックバター風味です。

昨年、トレイパックに貼付できる小袋として開発、提案したところ、非常に好評だったことから、今年も9月3日〜10月31日まで提案キャンペーンを実施します(在庫がなくなり次第終了)。申込みは専用の発注書となります。

 
ガリバーソース小袋
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート