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TRADER'S Be & Po

vol.273 Aug.22.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛ジリ高も先安感、輸出は好調
牛肉カットアウト価格の回復は進まず
ポーク関連ニュース 豚肉価格の鍵は輸出、中国、メキシコ向け減速
セーフティ関連ニュース 14カ国のBSEステータス、OIE決定に同意―APHIS
業界ニュース 米国の素牛輸入25%減、メキシコ、カナダ減少
穀物関連ニュース トウモロコシは記録的生産量、価格は下落予測
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2016年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛ジリ高も先安感、輸出は好調

 
 

8月の生体牛価格はジリジリと上昇しているが、動きは遅い。大幅に上昇すれば鶏肉や豚肉との価格差が拡大し、売れ行きにも影響する。9月は通常、8月と比べて牛肉の小売販売は鈍化する。また10月は全米豚肉月間でもあり、第4四半期には昨年より多い食肉が国内市場に供給されることを考慮すると、現在の状況はまずまずだと見るべきだろう。

第4四半期の食肉の総生産量は、前年同期比で3%増加すると見込まれている。牛肉・ブロイラーはいずれも約3.5%増、豚肉は2%以上の増加が予想される。供給増による価格低下で、国内消費量も増加することが見込まれるが、生産増による価格への影響度合いは輸出動向次第だろう。

6月の食肉輸出は好調で、豚肉・牛肉ともに今年これまでで最高を記録した。USMEFによると、6月の牛肉輸出量は9万8920トン(前年同月比2%増)、輸出額は5億4540万ドル(同5%減)。これにより、今年上半期計の輸出量は54万1547トン(同3%増)、輸出額は29億1000万ドル(同10%減)となった。

6月の輸出量は、牛肉生産量の13%(正肉単体では10%)。前年比1%減だが、上半期(1〜6月)計の割合も13%(同10%)で昨年から安定している。6月の肥育牛一頭当たりで換算した輸出額は250ドル、上半期計は249.67ドルで、いずれも前年比14%減。

6月の輸出で最も明るい傾向が見られたのは、アジアとメキシコ。特に興味深いのは、日本と韓国で米国産チルドビーフの輸入が大幅に増加したことだ。日本向け輸出量は、この2年間で最大となる2万5836トン(同29%増)。上半期計は12万2316トン(前年同期比12%増)。このうちチルドビーフは5万795トン(同51%増)と飛躍的な伸びを見せた。

日本の上半期輸入データでは、米国産牛肉のシェアは2015年の33%から38.5%に回復、逆に豪州のシェアは同57%から52%に低下した。韓国でも米国産チルドビーフのシェアが拡大を続けており、6月の輸出量は1万2880トン(同2%増)、上半期計では7万3942トン(同21%増)。小売市場で米国産牛肉への依存が高まっており、チルドビーフは1万288トン(同45%増)と好調だ。

 

※2016年8月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

牛肉カットアウト価格の回復は進まず

 
 

7月の猛暑で停滞した牛肉の小売販売は、8月第1週に回復の兆しがみられた。ボックスビーフの価格は日次ベースでは上昇したが、取引量自体は少なく、50CLと90CLの価格低迷により、牛肉全体の卸売価格は下落した。

7月最終週の牛肉全体のカットアウト価格は、100ポンド当たり199.19ドル。8月第1週は199.11ドルで前年同週比14.6%安。カットアウト価格が200ドルを割り込むのは、2015年の最終週以降では初めてのことだ。

チョイスのカットアウト価格は、7月最終週が198.65ドル、8月第1週が196.71ドル。8月第1週は4日間で2.58ドル上昇し、木曜日には201.58ドルに達した。アナリストは「カットアウト価格は上昇を続ける。次の目標は210ドルだ」と予想するが、これを8月中に達成することは難しそうだ。レイバーデイ(9月5日)前後の牛肉の売れ行きにかかってくるだろう。

カットアウト価格は、これまでリブをはじめとするミドルミート(ロイン系)に支えられてきたが、2カ月前をピークに徐々に低下している。エンドミート価格は、50CLや90CLの低迷が象徴するように依然として低い。これはレストランの客数が減少し、売上が低下していることを反映している。

ハンバーガーチェーンのウエンディーズは、客数が減少していると報告した。スーパーマーケットとレストランの牛肉の価格差が拡大しており、同社のCEOは「地元の肉屋で牛肉を買い、家に帰って焼く方がはるかに安上がりになってしまっている」と危機感を語った。

 

※2016年8月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉価格の鍵は輸出、中国、メキシコ向け減速

 
 

肥育豚価格が急落している。食肉全体の生産量が増加する一方、豚肉は供給増に見合う輸出の成長が実現できていない。結果として、より多くの食肉が国内市場に供給され、値下げ圧力となっている。

USDA(米国農務省)が発表した6月の豚肉総輸出量は14万7666トン(前年同月比3.5%増)。5月の輸出量(13万2601トン)も3.5%増だったが、この輸出量の伸びは当初の予想よりも少ない。

原因の1つは、中国向け輸出が期待値に達していないことだ。今年の中国向け輸出量は、毎月前年を上回っているが、5月の2万6919トンに対して6月は2万1000トン、7月は1万2000トンと低下することが予想される。

米国産豚肉にとって最大の市場であるメキシコ向けの輸出量も、6月には4万3771トン(前年同月比14.2%減)と減少、7月も引き続き減少すると予測される。メキシコ向け輸出の減速の一因は、モモの価格が急上昇したこと。これがメキシコのバイヤーの買い気を鈍らせているが、これは一時的なものだろう。昨年の6〜8月のメキシコ向け平均輸出量は4万8900トン、10〜12月は同5万1000トン。豚肉価格が低下していることから、今年の残り期間のメキシコ向け輸出は再び増加するだろう。

日本向け輸出量は3万2021トンでほぼ一定だが、韓国向け輸出は依然として弱く、6月は前年同月比31%減。牛肉に関しては、両国への輸出は良好だ。豪州で牛のと畜頭数が急減し、日本や韓国の需要を満たすことが困難になっているため、米国からの牛肉輸出が増加を続けている。

6月の牛肉の総輸出量(調理済み含む)は7万487トン(前年同月比1%減)。第1位の市場である日本向け輸出は2万415トン(同20%増)。過去3カ月における米国産牛肉の日本向け輸出は12%増。メキシコ向けも同26%増となっている。

一方で、米国産鶏肉の輸出は昨年のAIショックからまだ回復していない。6月の鶏肉の総輸出量は22万4196トン(同10%減)。中国や韓国など一部の市場は、いまだ米国産鶏肉の輸入を停止している。これらの市場は、2014年には輸出量全体の10%を占めていた。昨年、力強い成長を見せたアンゴラ市場への輸出も急激に落ち込んでおり、鶏肉の国内供給が増加している。

 

※2016年8月8日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の豚肉輸出量の推移
  米国産豚肉(調製品含む)の中国向け輸出量の推移
  米国産豚肉(調製品含む)のメキシコ向け輸出量の推移
  畜産物と穀物、エネルギーの価格推移と予測
 
セーフティ関連ニュース

14カ国のBSEステータス、OIE決定に同意―APHIS

 
 

USDA・APHIS(米国農務省動植物衛生検査局)は、OIE(国際獣疫事務局)がBSEステータスの国別カテゴリーで「無視できるリスク」の国とした14カ国について、再調査の上で同意したと発表した。

14カ国はブルガリア、キプロス、チェコ共和国、エストニア、インド、大韓民国、ハンガリー、ラトビア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、ポルトガル、スロヴァキア、スイス。

 

※2016年8月12日 Meating place.com

 
業界ニュース

米国の素牛輸入25%減、メキシコ、カナダ減少

 
 

7月1日現在のフィードロットの飼養頭数は、肥育素牛の供給増加にもかかわらず、前年同期比でわずか12万頭の増加に留まった。フィードロットの積極的な出荷体制が一因だが、一方では夏季の放牧プログラムで予想を超える牛がフィードロット外に残ったままだ。さらに、メキシコとカナダからの肥育素牛の輸入が前年を大きく下回っていることも 影響している。

1〜7月の肥育素牛の輸入頭数は、前年同期比で24.9%減、23万168頭の減少。頭数が最も減少しているのは、メキシコからの輸入だ。1〜7月のメキシコからの輸入頭数は55万1817頭(前年同期比20.2%減)、13万9820頭の減少。カナダからの輸入頭数は14万3048頭(同38.7%減)で9万348頭の減少。ただ、カナダからのと場直行牛は16万8443頭(同43.1%増)で、こちらは5万753頭増加している。

 

※2016年8月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
穀物関連ニュース

トウモロコシは記録的生産量、価格は下落予測

 
 

USDA(米国農務省)が発表した予測によると、年間のトウモロコシ生産量は6月時の予想から6億1300万ブッシェル増加し、新記録の152億ブッシェルに達すると予測されている。

これに伴い、USDAは2016・2017年の季節平均トウモロコシ価格の予測範囲の上下を25セント切り下げ、ブッシェル当たり2.85ドル〜3.45ドルに修正した。2016・2017年度のトウモロコシの期末在庫は3億2800万ブッシェル増加すると予測されており、実現すれば1987・1988年度以来で最高となる。

大豆の2016・2017年度生産量の予測は40億6000万ブッシェル。エーカー当たりの生産量は48.9ブッシェルで、前月予測から2.2ブッシェル増加、昨年より0.9ブッシェルの増加予測となった。2016・2017年度の平均大豆価格はブッシェル当たり8.35〜9.85ドル、大豆ミールはショートトン当たり305〜345ドルと予測されている。

 

※2016年8月12日 Meating place.com

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート