3月のフィードロット出荷頭数は174万7000頭(前年同月比7.1%増)と、2012年以降の月間最多頭数を記録し、4月も好調なペースを維持している。4月のと畜頭数は全品種で予想を上回り、前年同月とほぼ同数の235万頭に達する見込みだ。と畜稼働日が前年より一日少ないことから、日次換算では5%増に相当する。
4月18〜23日の週間と畜頭数は約58万7000頭で、2014年9月の第2週以来最も多い。5月のと畜頭数は251万頭(同7%増)と予想され、と畜稼働日を考慮すると2%の増加となる見込み。6月のと畜頭数は259万3000頭(同2%増)と予想される。
アナリストは「3月の出荷率(飼養頭数に占める出荷頭数の割合)は16.2%と、2012年以降で最も高く、積極的な出荷傾向がうかがえる。前年同期には出荷率は低下していたが、今年は過去5年平均に近いレベルまで回復。肥育業者はここ3週間を除いて黒字であり、今後も積極的な販売が続くだろう」と予想する。
肥育日数120日以上の飼養頭数が減少していることも、意欲的な出荷の表れだ。4月1日現在、120日以上の肥育牛頭数は、推定で前年同月比4%減。「順調な出荷が持続すると5月には同6%減、6月は同4%減、7月は同5%減となる見込み」とアナリストはいう。
第1四半期の導入頭数は前年よりも23万2000頭多かったが、積極的な出荷もあって、4月1日現在のフィードロットの総飼養頭数は1085万3000頭(同0.5%増)とわずかな増加。3月の導入頭数は189万2000頭(同4.6%増)で、重量区分ごとの増減では、600ポンド未満が1万3000頭減、600〜699ポンドは前年と変わらず、700〜799ポンドは4万6000頭増、800ポンド以上は5万頭増と大型の牛の導入が多い。
枝肉重量は依然として前年水準を上回っており、夏季から秋口にかけて肥育牛の供給が増加すると、肥育牛はもちろん肥育素牛の価格にも値下げ圧力が強まる。今秋に在庫過多になることを防ぐためにも、出荷率を向上する必要がある。
一方で、牛肉輸出は拡大が予想される。USDAは年間の牛肉輸出量を24億4500万ポンド(同7.9%増)と予想。世界的な需要増の中、豪州のと畜頭数と輸出量が低迷しており、海外のバイヤーにとっては米国産牛肉の入手が容易になるのは好ましいことだ。米国産牛肉に対する世界的な関心が強まることは確実で、一部には米国がトップシェアを獲得するチャンスとの見方もある。
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