CattleFax社によると、2016年の食肉生産と市場予測のポイントは以下の通り。
飼養動向・と畜頭数
2016年の肉牛の総飼養頭数は前年比3.5%(310万頭)増と、1974年以来で最大の増加となる。経産牛・未経産牛のと畜頭数が過去45年間で最少だったことから、雌牛の飼養頭数の拡大は最高潮の3080万頭と、前年より110万頭増加する。肥育素牛と子牛の増加によって、2016年の去勢牛・未経産牛のと畜頭数は60万頭増加し、2370万頭になると予想される。
肥育素牛・子牛供給
子牛の生産は過去2年間で57万頭増加。2016年は雌牛の飼養頭数増加によっておよそ100万頭増加する。フィードロット外の肥育素牛と子牛の増加から、2016年のフィードロット導入頭数は増加する見込み。この傾向は2017、2018年も継続する。
牛肉の生産と供給
2016年の牛肉生産量は、前年比7億ポンド増加して244億ポンドの見込み。と畜頭数の増加と枝肉重量の微増が要因。冬の寒波が肥育実績に影響し、枝肉重量の増加は年間わずか1ポンドに留まる。国民一人当たりの牛肉供給量は、牛肉生産の増加により0.4ポンド増の54.6ポンドの見込み。牛肉輸入が少なく輸出が増加することで、生産増の一部が相殺される。2017、2018年の増加は1ポンド以上と見込まれる。
豚肉・家きん類
2015年の豚肉・家きん類の生産量は30億ポンド増と、1970年以来最大の増加となったが、2016年はさらなる増加が予想される。豚肉生産量は6億6400万ポンド増の252億ポンド、家きん類は5億8600万ポンド増の458億ポンドと、いずれも記録的な水準に達するだろう。
牛肉需要予測
供給増加による価格低下が進むが、需要は大幅な減少傾向になる。小売の牛肉需要は2015年に8%増、冷蔵品の小売価格は平均でポンド当たり約6.04ドルだったが、2016年の小売価格は平均5.80ドル台の見込み。小売価格は2015年7月に6.15ドルの記録的高値に達し、より安価で量の多い豚肉と鶏肉に消費が流れた影響もあり、2016年の牛肉需要は5%減少すると推定される。
国際需要
2015年の米国産牛肉の高値により、世界的な牛肉消費はより安価で豊富な豚肉や鶏肉、あるいは競合する他国産牛肉に流れた。米国の牛肉、原皮、内臓肉の輸出額減少は、2014年秋から2015年秋の肥育牛一頭当たりで118ドルの損失に値する。米国産牛肉に対する世界的な需要は、確定的ではないが拡大の可能性もある。世界の人口は約74億人、向こう10年間ではさらに8億人増加する。この人口増大は米国の牛肉生産者にとって好機。2018年まで生産量が増加する米国産牛肉の需要を拡大するには、貿易の障壁を取り除くことが重要である。
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