安値だった50CL(赤身率50%の牛ひき材)の卸売価格が急反発に転じたことを受けて、チョイスのカットアウト価格は3月4日から10日までに100ポンド当たり5.49ドル上昇した。50CLの価格は同期間に40.12ドルも上昇し、107.02ドルまで急騰した。5日間で約60%の値上がりで、2月22日のほぼ2倍となり、昨年5月初旬の水準までに戻った。
この凄まじい価格上昇は、カットアウト価格を少なくとも1.50ドルは押し上げた。ただ、ミドルミート(ロイン系)の価格に比較して、エンドミート(スソ物)の価格は依然として弱い。50CLの価格上昇も供給減が要因で、需要が改善したわけではない。
バイヤーはカットアウト価格が前年同期より10〜12%低いため、購入の好機ととらえていたが、去勢牛・未経産牛のと畜頭数が大幅に減少し、スポットマーケットでの90CLの供給がタイトになり、50CLの高騰を誘発した。
生体牛価格は主要五州の去勢牛平均(100ポンド当たり)で135.76ドル、前週から0.26ドル値下がり。枝肉平均価格(同)は213.91ドルで0.70ドルの上昇。週当たりのと畜頭数はおよそ53万3000頭で当初予想をわずかに上回ったが、肥育牛(去勢牛・未経産牛)のと畜頭数は41万8000頭にとどまった。
リブ、ショートロイン、ストリップロインは、この時期としては記録的な高値で販売されたが、エンドミートは依然として安い。1月の牛ひき肉の売上が低調だったため、小売業者は年間で最も需要の弱い2〜3月にもかかわらずステーキの販促を強化している。ロイン系の価格は昨年よりはまだ割安であり、「ひき肉に飽きた消費者が自宅でステーキを楽しんでいる」と反応も良いようだ。
エンドミートの価格の弱さは、ひき肉市場の停滞によってロースト商材の売れ行きも不調なことによる。通常なら、ひき材以上にチャックやラウンドが売れる時期だ。90CLの価格が急上昇した理由の一つには、豪州からの輸入量が減少していることもある。
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