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TRADER'S Be & Po

vol.261 Feb.29.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
輸出動向 2015年の牛肉輸出前年割れ、韓国、台湾向け増加
ポーク関連ニュース 2015年の豚肉輸出、メキシコ堅調もアジアは減少
供給トレンド 1月のフィードロット出荷、短期的な落ち込み
業界ニュース PMビーフの工場が豚肉工場として再稼働
旧ブローリービーフ工場をワンワールドビーフが操業へ
フードサービス プライムの供給増、高級ステーキチェーンに恩恵
USMEFインフォメーション FOODEX(3月8〜10日)に出展、かたまり肉の楽しみ方提案
新「American Beef Promotion Guide Book」を発刊
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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輸出動向

2015年の牛肉輸出前年割れ、韓国、台湾向け増加

 
 

米国の2015年の牛肉(バラエティーミート含む)の輸出量は107万トン(前年比11%減)、輸出額は63億ドル(同12%減)といずれも前年を下回った。2015年の牛肉総生産量に占める輸出割合は13%、正肉単体では10%。いずれも前年に比べて1%低下した。と畜肥育牛1頭当たり換算の輸出額は平均277.87ドル。過去最高を記録した2014年との比較では7%減だが、2013年比では13%増。

国別動向では、韓国向けは米国産チルドビーフに対する小売業とフードサービスの強い需要がけん引し、12万6093トン(同7%増)と増加。輸出額は8億1040万ドル(同4%減)。輸出量のうちチルドビーフは約40%増。韓国の輸入牛肉市場での米国のシェアは31%に達した。

台湾向けは3万5286トン(4%増)、輸出額は新記録となる3億1850万ドル(8%増)。台湾のチルドビーフ市場における米国のシェアは60%以上に達し、アジアの輸出先国の中では最高のシェアを確保している。

カリブ海諸国向けは2万3208トン(1%増)、1億6570万ドル(7%増)。輸出増の大部分はドミニカ共和国(5870万ドル、5%増)の強い需要によるものだが、バハマ(2460万ドル、11%増)およびジャマイカ(1650万ドル、10%増)でも2ケタ台の成長。

日本向けは20万4927トン(同15%減)、12億8000万ドル(同19%減)。輸出額は2012年以来で最低だが、依然として第1位。日本は牛肉の総輸入が減少したことに加え、日豪EPAで豪州産牛肉の関税が米国産より10%ほど低いことも響いた。

メキシコ向けは22万5574トン(7%減)、10億9176万ドル(6%減)。ペソの弱さが響いて前年を下回ったが、輸出量ではトップの座を維持。輸出額も2年連続で10億ドルの大台を維持した。特に牛バラエティーミートは11万85トン(同8%増)、2億9030万ドル(9%増)と好調で、エジプト向けの落ち込みをカバーした。エジプト向け牛バラエティーミートは10万3276トン(同15%減)、1億4860万ドル(同3%増)。

 

※USMEF集計の輸出統計(詳細はUSMEF本部HPへアクセス

 
ポーク関連ニュース

2015年の豚肉輸出、メキシコ堅調もアジアは減少

 
 

2015年12月の豚肉(生鮮・冷凍および調製品、バラエティーミート含まず)の総輸出量は14万7144トン。前年同月比では8.4%増だが、2013年比では4%減。輸出が減少する一方で、12月の豚肉生産量は2013年12月比で2%増加し、国内供給の増加による値下げ圧力が強まりそうだ。

2015年の年間輸出量は169万7000トン(前年比2.7%増)。2013年比でもわずかに増加した。豚肉生産量が増加する中、輸出はこの数年間足踏みしている。豚肉産業の成長を支えるには輸出の拡大が必須だ。輸出は2012年に急増したが、その直前の2011年12月1日時点の豚飼養頭数は6625万9000頭。これに対して2015年12月1日時点の総飼養頭数は6829万9000頭と3%増加している。

さらに、2015年12月の一腹当たりの産子数は10.53頭で2011年同月比5%増。2016年の生体豚供給は、2012年よりも増加することが確実視され、輸出拡大の重要性が増している。

2015年の輸出市場の傾向をみると、メキシコはペソの弱さにもかかわらず堅調だった。豚肉と牛肉の価格差が非常に大きいことで、豚肉消費が増加した。メキシコ向けの牛肉輸出は苦戦し、逆にメキシコからの牛肉輸入は増加した。メキシコ向けは2016年も増加すると予想されるが、増加率は低下するだろう。

アジア向けは重要な2つの市場で減少した。日本向けが1.6%減、中国向けが11.4%減。米ドルの上昇が一因だが、この2カ国では欧州諸国との競合が非常に激しくなったことが要因。ロシアが米国、欧州、カナダからの豚肉輸入を中止したことにより、アジア市場で欧州やカナダとの競合が激化し、米国の輸出が抑制された。

 

※2016年2月8日 Pork Profit Maximizer

  米国の豚肉類(調製品含む)の輸出量推移
 
供給トレンド

1月のフィードロット出荷、短期的な落ち込み

 
 

1月のフィードロット出荷頭数は前年同月を下回る見込みだ。USDA(米国農務省)の COFレポートの出荷頭数は前年比約2%減と予想される。1月のと畜日数が前年よりも1日少ないことを勘案すると、実質的には6.5%減少する可能性がある。

1月の出荷減は荒れた気候が一因だが、2月もパッカーがと畜頭数を減らした場合(週間平均53万3550頭)は同じことが起こるかもしれない。一部の肥育業者は「3月に向けて供給はタイトになり、市況は強気になる」と予想するが、1〜2月の出荷減がこの見通しを変えるかもしれない。

出荷頭数の落ち込みにもかかわらず、2月1日時点の総飼育頭数はほぼ前年並みからやや減少となりそうだ。これは、フィードロットのコンディションが良くないせいで、1月の導入頭数が前年を下回ったからだ。1月1日時点でフィードロット外にいる子牛の頭数は130万頭と前年よりも多いため、フィードロットのコンディションが回復すれば導入頭数は増加するだろう。

導入頭数の増加予測は、生体牛の先物取引価格に圧力を与えている。6月、8月、10月、12月取引分の終値はそれぞれ100ポンド当たり119.97ドル、116.82ドル、117.45ドル、117.57ドルだった。

COOL(義務的原産地表示制度)の廃止に伴い、今年はメキシコ、カナダからの肥育素牛の輸入頭数が増加する見込み。ただ、両国ともに飼養頭数は横ばいから減少傾向であり、素牛輸入の増加も小幅なものとなるだろう。

カナダの飼養頭数は過去2年間横ばいで、およそ1190万頭。カナダでは米国のように牛群の拡大は進んでいない。一方メキシコの飼養頭数は、2012年の2000万頭から2015年には1712万頭まで減少。1月の素牛輸入は、カナダが前年同月の3万827頭に対してわずか3907頭。メキシコは同10万3536頭に対して7万3634頭だった。

 

※2016年2月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
業界ニュース

PMビーフの工場が豚肉工場として再稼働

 
 

昨年12月11日に閉鎖されたPMビーフ社の工場(ミネソタ州ウィンダム)が、新たに豚肉処理工場になる予定だとスター・トリビューン紙が伝えた。ミネソタ・ティンバーウルブズ・バスケットボールのオーナー、グレン・テイラー氏とそのパートナーが、工場の改造に2500万ドルを投資する予定。

 

※2016年2月17日 Meatingplace

   
 

旧ブローリービーフ工場をワンワールドビーフが操業へ

 
 

閉鎖中のブローリービーフの工場(カリフォルニア州ブローリー)が、今年半ばまでに操業を再開しそうだ。以前はナショナルビーフ社によって操業されていた工場で、今週のブローリー市議会でワンワールドビーフ社がナショナルビーフから排水権を譲渡するよう要請した。ブローリー市会議議員によると、ワンワールドビーフは工場操業にあたって、すべての環境許可を得なければならないため、操業開始には2〜3カ月かかるだろうとしている。ブローリー市長は、工場の再開はインペリアルバレーに600人近い新たな雇用をもたらすだろうと期待している。

 

※2016年2月17日 FOODMARKET.Com

 
フードサービス

プライムの供給増、高級ステーキチェーンに恩恵

 
 

プライムグレードの発生率上昇・供給増加が、高級ステーキチェーンに恩恵をもたらしている。ルースクリスステーキハウスの第4四半期決算では、プライムの仕入コスト減が利益向上に貢献した。

ルースホスピタリティグループの会長は、「通常プライムの発生率は2〜4%だが、この第4四半期には5〜6%に達した。プライムの価格が12%下落したことで、牛肉の総コストは第4四半期に前年同期比8%減。フィレの価格は5%下落した」と述べ、これによって客単価が3.5%上昇し、客数の0.3%減を相殺したという。全体として、第4四半期の純利益は前期の800万ドル(一株当たり23セント)から950万ドル(同28セント)まで上昇。売上は5.9%増の1億470万ドルになった。

 

※2016年2月12日 Meatingplace

 
USMEFインフォメーション

FOODEX(3月8〜10日)に出展、かたまり肉の楽しみ方提案

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は3月8〜10日まで、幕張メッセで開催される「FOODEX JAPAN 2016」に出展します。「アウトドアでも、外食でも、ご家庭でも。かたまりで楽しむ、アメリカン・ミート!」を全体テーマとして、メンバー企業5社とともにブースを展開します。

アメリカン・ミートの醍醐味を最も堪能できる「かたまり肉」でのさまざまな楽しみ方(BBQスタイルから家庭での簡単調理まで)と、その販売アイデアを提案します。ラウンジスタイルの試食、商談スペースを軸に、ビーフ、ポークの提案部位や各種販促ツールの展示、ガイドブック等の配布などを通じて、コストパフォーマンスに優れ、かたまりでさらに美味しくなるアメリカン・ミートだからこその楽しみ方を訴求します。

主な試食メニューと提案部位はビーフが①厚切りステーキ(ストリップロイン)②牛タン焼き(牛タン)③カルビネギ塩焼き(ボンレスショートリブ)④ローストビーフ(トップサーロインバット)⑤牛タンのワイン煮(牛タン)。ポークは①120℃ローストポーク(CTバット)②生姜焼き(ベリー)③ヒレカツ(テンダーロイン)を予定していますので、同展示会にご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。

なお、出展するメンバー企業はSugardals / Agri Beef Co / Macsei Industries / Master Purveyors,Inc / Cypress International

   
 

新「American Beef Promotion Guide Book」を発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど新しい「American Beef Promotion Guide Book」を発刊しました。従来のプロモーションガイドブックはアメリカン・ビーフの魅力をいかに店頭で引き立てるかとの視点で、売場と商品づくりの店頭提案を重視したものでしたが、新しいガイドブックでは「生活者発想」で日々変化し、多様化する生活者の動向分析し、店頭販促におけるヒントを多彩に掲載しています。

「アメリカン・ビーフのブランド力」と「生活者発想」を掛け合わせることで、店頭訴求の新しい切り口が見出せます。生活者の今を把握するための数多くのリサーチと分析に基づき、それらの傾向や変化に対処するためのアイデアを収録していますので、新たな販促活動にお役立ていただければ幸いです。同ガイドブックは下記で閲覧、ダウンロードができます。

このレシピブックはUSMEF公式HPの下記URLで閲覧、ダウンロードができます。
http://www.americanmeat.jp/trd/publications/book/index.html

  American Beef Promotion Guide Book
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
   
 

ポーク・ファクト・シート