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TRADER'S Be & Po

vol.258 Dec.21.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
業界ニュース 牛肉パッカートップ30、と畜能力は前年を維持
ポーク関連ニュース 2016年の豚肉価格はわずかに上昇
市況ニュース と畜頭数減少も牛肉市況は停滞
需給動向 2016年の牛肉生産量を下方修正、豚肉は増加―USDA
フードサービス カールスJr等が「ステーキハウスバーガー」発売
2016年に注目されるメニュー、調理方法
USMEFインフォメーション マーケティングマネージャーに笠谷樹が就任
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年10月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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業界ニュース

牛肉パッカートップ30、と畜能力は前年を維持

 
 

CBW調べによる牛肉パッカー上位30社の1日当たりと畜能力は、ここ数年にわたる牛飼養頭数の減少により、2013から2014年にかけて1万4000頭以上減少したが、2014年から2015年には飼養頭数の増加もあって安定した。2015年にはタイソン社のデニソン工場閉鎖があったものの、その分は同社の他工場での生産増加と、初めて上位30位入りした2社の操業開始で相殺された。

30社合計のと畜能力は、52工場で1日当たり12万2635頭。前年の12万2010頭から625頭、0.5%増加した。上位3社および上位5社のと畜能力には、ほとんど変化がない。上位5社のと畜能力は9万7627頭で、前年に比べて50頭の増加。タイソン社はデニソン工場の閉鎖に伴い、ダコタとネブラスカ工場のと畜能力を増大させた。ニューアンガスLLC社は南ダコタ州アバディーンの工場を閉鎖したが、新たに10月にノーザンプレインズビーフ工場を稼働。ただ実際に1500頭の処理能力を完備するには、まだ1年以上必要かも知れない。ウェスタンリザーブプロテイン社は初めてのランクイン。

タイソンフード社は、と畜頭数・売上高ともに全米最大の地位を維持している。同社のと畜能力は、6工場で2万9000頭。2位はJBS・USAビーフ社で9工場・2万7125頭。3位はカーギルビーフ社の6工場・2万3000頭。4位はナショナルビーフ社で、2工場・1万2000頭。5位はアメリカンフーズグループの4工場・6500頭。

2014年の商業用と畜頭数に占める上位3社のシェアは62.3%で、2013年の61.6%から0・7ポイント上昇したが、肥育去勢牛・未経産牛に占めるシェアは72.1%で、2013年(75.1%)に比べて3ポイント低下した。上位5社の商業用と畜に占めるシェアは77.9%(2013年78.4%)、去勢牛・未経産牛に占めるシェアは87.8%(同92.7%)でいずれも低下した。

 

※2015年12月7日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
2015年ビーフパッカーランキング上位30社 2015年ビーフパッカーランキング上位30社
 
ポーク関連ニュース

2016年の豚肉価格はわずかに上昇

 
 

2015年の食肉価格の低下は、年初に予想されていたよりも顕著だった。その要因は、豚肉・鶏肉の供給が急増し、国内出回り量が増加したことだ。生産者はより多くの家畜を出荷するか、より重い重量まで肥育するかのいずれか、または双方の対応を取ったことで、前年よりも生産量が増加。一方で輸入が増え、輸出が減少したことにより、国内市場への供給が予想よりもはるかに多くなった。

豚肉は完全に供給余剰となっている。ここ2週間の週間と畜頭数は240万頭を超え、生体豚価格は9〜10月に取引された先物価格よりも低い。期待された中国の輸入増も実現しなかった。

2015年第1四半期における一人当たりの豚肉消費量は前年同期から12%も急増し、これが生体豚価格を50ドル台半ばまで下落させる要因となった。2015年の1人当たりの年間豚肉消費量は前年比8.1%増、63.9ポンドと予測される。牛肉よりは少ないものの、2009年以来最大。2016年はわずかに減少すると予想され、豚肉価格は小幅ながら上昇が予想される。

米国で生産される豚肉のうち、5ポンドに1ポンドが輸出されており、輸出動向は市況予想にとっても重要な要因となる。2016年の豚肉輸出は52億5800万ポンド、前年比6.8%増と予想される。この予想では、COOL(原産国表示)をめぐるカナダとメキシコの報復関税問題は考慮に入っていない。

 

※2015年12月14日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
主要食肉3品目の価格推移(2012年を100とした場合)
 
市況ニュース

と畜頭数減少も牛肉市況は停滞

 
 

感謝祭の週(11月第4週)は、牛のと畜頭数がここ10年間で最少だったが、牛肉の卸売価格は12月に入っても低迷している。と畜頭数の少ない週や祝祭日直前には、しばしばカットアウト価格が急上昇することがあるが、今年の生体牛価格と牛肉のカットアウト価格は、すでに前年を大幅に下回っている。11月第3週のチョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり208.18ドルで、昨年1月以降では最低の水準。

牛肉の小売販売は、安価な豚肉・鶏肉との競合で低迷している。12月は牛ひき肉をポンド当たり2.99ドルで販促するスーパーもありそうだが、豚肉のバットや鶏肉のドラムステックはポンド当たり1.19ドルとはるかに安い。

11月末から12月第1週の週間と畜頭数は約45万9000頭。これは今年最低で、前年同期比では6.7%減。にもかかわらずチョイスカットアウトは横ばいで、セレクトは0.74ドル下落した。

生体牛価格は平均100ポンド当たり126.34ドル、枝肉価格は196.39ドルだった。ネブラスカでは生体牛が123.42ドル、枝肉194.73ドルで2万7000頭が取引され、アイオワ・ミネソタでは21,600頭が生体牛122.22ドル、枝肉194.89ドルで販売された。

一方で、格付等級におけるプライムの発生率が、5週連続で記録を更新している。11月最終週は6.69%だった。過去9週間のうち7週間で発生率が記録を更新しており、依然として肥育期間の長期化が続いている。

 

※2015年12月7日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
需給動向

2016年の牛肉生産量を下方修正、豚肉は増加―USDA

 
 

USDA(米国農務省)が発表した米国の牛肉・豚肉の需給予測のポイントは以下の通り。

【牛 肉】

2015年の牛肉生産量は236億ポンドと予想され、前月の予測値(237億ポンド)から下方修正された。肥育牛の出荷ペースが低下し、去勢牛・未経産牛のと畜頭数が抑えられていることを反映したもの。

2016年の生産量は246億ポンドの見込みで、同様に前月の予想値(248億ポンド)から下方修正された。2015年終盤のフィードロット導入頭数から判断すると、2016年半ばまではと畜頭数・生産量ともに前年を下回ることが予想される。

2015年と2016年の牛肉輸入量は、これまでのハイペースに対する反動と牛肉価格の弱まりを反映して、減少が予測される。牛肉輸出量は、2015年が22億2300万ポンドと前年を下回り、2016年は24億2500万ポンドに回復すると予測される。生体牛価格は2016年を通して100ポンド当たり132ドル〜142ドルで推移すると予想され、前月予想(136〜147ドル)から引き下げられた。

【豚 肉】

2015年の豚肉生産量は、11月から12月上旬のと畜頭数が増加しているため、年間でも245億2800万ポンドと前年を上回るだろう。2016年は249億2500万ポンドの予想で前月予想と変わらない。

豚肉の輸入量予測は変わらないが、輸出量は米ドル高が価格競争力を制限していることから、2015年の年間予測は49億4600万ポンドに下方修正された。2016年の輸出量は51億2500万ポンドの予想。

生体豚価格は、2015年から2016年前半は前年を下回る予想。2016年の第1四半期は100ポンド当たり47〜49ドル、その後は50〜53ドルに上昇すると予想される。

 

※2015年12月10日 FOODMARKET.Comほか

 
フードサービス

カールスJr等が「ステーキハウスバーガー」発売

 
 

CKEレストランホールディングスは、傘下のカールス・ジュニアとハーディーズバーガーチェーンがステーキハウス仕様のハンバーガーを全国発売すると発表した。

「ステーキハウス・シックバーガー」は、1/3ポンドとハーフポンドのサイズで提供され、セットメニューとしても購入できる。パティはブラックアンガス牛を100%使用した炭火焼。細長いオニオンチップスがトッピングされ、ブルーチーズとA1ステーキソースが振りかけられ、焼き立てのバンズに乗せられている。

同社のスポークスマンは「消費者はハイエンドなステーキハウスでのディナーを好むが、誰もがステーキハウスの価格を望んでいるわけではない。新しいバーガーのずば抜けた味と風味、そして品質は、従来のハンバーガーに圧倒的な差をつけるものだ」と述べ、「テーブル・セッティング」と題した新広告キャンペーンを強力に打ち出す計画だ。CKEは国内44州、海外36カ国で3600店以上のレストランを経営している。

 

※2015年12月9日 Meatingplace.Com

 
 

2016年に注目されるメニュー、調理方法

 
 

全米料理連盟は、2016年のレストランで最も流行すると予想されるメインディッシュ、 前菜・小皿料理、調理方法などを調査した「2016年料理トレンド予想」を発表した。全米 レストラン協会のメンバーシェフ1600人以上へのアンケート調査によるもので、それぞれ の主要な5つのトレンドは以下のとおり。

【メインディッシュ】

  • ◇地元産の食肉と魚介類
  • ◇食肉の新たなカット
  • ◇サステナブル・シーフード(水産物資源を考慮してチョイスした魚介類)
  • ◇放し飼い生産の豚肉・家きん肉
  • ◇ストリートフードの発想を取り入れたメインコース

【前菜、小皿料理】

  • ◇フレッシュ / 自家製ソーセージ
  • ◇自家製シャルキュトリー
  • ◇菜食の前菜
  • ◇エスニック / ストリートフードを取り入れた前菜
  • ◇シーフードシャルキュトリー

【調理方法】

  • ◇ピクルス
  • ◇発酵
  • ◇スモーク
  • ◇真空低温調理
  • ◇炙り

 

※2015年12月10日 Meatingplace.Com

 
USMEFインフォメーション

マーケティングマネージャーに笠谷樹が就任

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)のトレード部門のマーケティングマネージャーに、12月1日付で笠谷樹(かさたにたつる)が就任しました。笠谷氏は長年にわたって食肉業界での豊富な経験を有しており、アメリカン・ビーフ並びにアメリカン・ポークのプロモーション活動をより拡充する上で、重要な役割を担うことが期待されます。

就任にあたり、笠谷氏は「高品質なアメリカン・ミートをより多くの食シーンに提供できるよう環境作りに尽力して参ります。多くの皆様とコミュニケーション出来ることを楽しみにしております」と抱負を語っています。弊連合会は新たなスタッフを迎え、今後ますます業界に向けた活動に注力していく所存です。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート