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TRADER'S Be & Po

vol.257 Dec.07.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
マーケット展望 2016年の生体牛価格、生産増で下落予想
豚肉価格は供給増と輸出減で下向き
市況ニュース 生体牛価格、回復期待あるも上げ幅は限定的
トピックス 食肉の卸売価格大幅下落も小売価格は下がらず
フードサービス クイックサービスレストラン市場、年間5%台の成長続く
リテイル コストコがブラック・フライデー販促でポークを特価で提供
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年10月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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マーケット展望

2016年の生体牛価格、生産増で下落予想

 
 

2015年に生体牛価格はかなり下落したが、向こう2年間はと畜頭数が増加に向かうことから、価格は引き続き下落しそうだ。2016年は3〜5%安、2017年はさらに1〜4%の値下がりが予想される。2015年の子牛価格は第4四半期が最低となり、2016年はそれに比べて10〜12%低下、2017年はさらに1〜5%下がると予想されている。

この予想はLMIC(家畜取引情報センター)によるもので、同センターは今年の市場環境が厳しかった要因として以下を指摘している。◇牛肉の輸出額の前年比減少◇国内市場で競合する豚肉・鶏肉供給量の増加◇豪州からの牛肉輸入量の増加◇9月に肥育牛価格が100ポンド当たり20ドル以上も下落(9月の下落は異例)◇2015年前半は牛肉生産量が前年を大きく下回ったが、第4四半期は上回る見込み(2〜3%増)。

この結果、生体牛価格は年の後半には前年を下回る状況になったと分析。今後の長期的な見通しとして①牛肉の供給量は周期的な増加に転じる②豪州が牛肉輸出の増加を持続するのは不可能で、米国の牛肉輸入量は2015年に比べて大幅に低下する③しかし牛肉需要については、国内外とも向こう数年間は不確実であり、長期的な市場の潜在要因は飼料穀物の状況に左右されるとしている。

穀物の生産状況は全米で「平年並み」と想定されるが、肥育頭数の増加に伴い、2016年のと畜頭数は2010年以来で初めて前年を上回る見込み。平均枝肉重量は、第3四半期までは前年を上回るが、第4四半期は前年同期よりも低下することが予想され、牛肉生産量は前年比3〜4%増。2017年の生産量はさらに4〜5%増加する見込み。

 

※2015年11月23日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格は供給増と輸出減で下向き

 
 

生体豚の先物取引は、この2週間で上下動を繰り返しているが、全体の傾向としては右肩下がりだ。先物取引も現金取引価格の下落に引きずられて急落。12月契約が9月末に記録した最安値付近まで下落し、10月の利益をほとんど吐き出した格好。第4四半期には輸出需要が上向き、これが価格を引き上げるとの期待もあったが、実現していない。

週間のと畜頭数は季節的にピークを迎え、枝肉重量も重いため、11月第2週の豚肉総生産量は5億ポンド以上に達し、週間最高を記録した。豚肉以外の食肉生産量も増加している。牛肉、豚肉、ブロイラー、七面鳥の合計生産量は18億5300万ポンド(前年同週比3.2%増)と予測され、過去6週間の合計では前年より2.6%増加している。

11月第1週に、アイオワ・ミネソタの枝肉価格は100ポンド当たり51.76ドルと2009年以来の最低水準となった。前年比で40%安、2013年比では37%安、2012年比で32%安。この現金価格の急落は需要の著しい落ち込みか、もしくは短期的な供給増よるものかを検証しつつ、2016年の価格を予想すると、まず2016年の第1四半期は現状より価格が上昇すると予想される。

ただ、2016年第1四半期の1人当たり供給可能量は2015年を上回り、2012、2013年よりも13%ほど多いと予想される。これを変動させる可能性があるのは輸出だ。第1四半期の輸出量は10%増と予測するが、供給過剰感を打ち消すにはさらなる輸出の伸びが必要だ。第2、第3四半期の豚肉供給量は季節的に落ち込むはずで、それによって生体豚価格は70ドル台に上昇すると予想される。

豚肉生産が増加する一方、輸出が回復しなければ2016年の豚肉価格の上昇幅はかなり限定的になる。9月までの食肉輸出は低調で国内在庫が増加し、食肉価格への値下げ圧力となっている。米国の食肉輸出が停滞している要因には①米ドルの強さ②鳥インフルエンザ規制③輸出先市場の需要後退④世界的な供給拡大に伴う他国との競合激化がある。

 

※2015年11月16日 NPB Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 

USDA(米国農務省)の公表数値を基にUSMEFのアナリストが集計した四半期ごとの生産量予測は下図を参照。

  米国の牛肉生産量予測
  米国の豚肉生産量予測
 
市況ニュース

生体牛価格、回復期待あるも上げ幅は限定的

 
 

11月は肥育業者とパッカーにとって厳しい状況となった。生体牛とボックスビーフの価格は10月下旬に回復した後、再び下落した。生産者やパッカーは感謝祭の祝日後から12月まで価格が回復することを期待しているが、それは牛肉の売れ行き次第だろう。

感謝祭後の価格回復はたびたびあることだが、今年はリブの価格がすでにピークに達していることから、大幅な価格回復は期待薄。生体牛価格(主要5州の去勢牛平均価格)は11月初めの2週間で100ポンド当たり9.18ドル下落し、127.04ドルまで低下。第3週も弱含みで推移した。

一部には、生体牛の現金取引価格は「年内に140ドルまで回復するチャンスがある」との見方もあるが、先物取引は12月契約が127.67ドルと現金取引に対してわずかなプレミアムがついている程度。11月第2週にパッカーは祝日向けの対応で買い付けを増やしたが、需要は限定的であった。

このため、と畜頭数は第2週の57万1000頭に対して、第3週には49万5000〜50万頭に減少したと推測される。現金取引は木曜のみで、アイオワ・ミネソタで生体牛が123ドル、枝肉価格はネブラスカを含め194〜195ドルだった。

 

※2015年11月23日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
トピックス

食肉の卸売価格大幅下落も小売価格は下がらず

 
 

牛肉と豚肉の卸売価格は、2014年をピークに急激な下降を続けているが、小売価格にはいまだに反映されていない。10月の牛肉、豚肉、鶏肉の小売価格は前月より高く、前年同月をわずかに下回る水準だ。卸売価格が過去5年間で最低レベルとなる一方で、小売価格は依然として高値を保っている。

下図が示す通り、卸売価格と小売価格が連動しないのは今に始まったことではないが、今年はかなり劇的な開きがある。この小売価格はプロモーションや割引販売を加味した平均売価ではないが、USDAの最新報告では、10月の牛肉(チョイス)の小売価格はポンド当たり6.23ドルと9月の価格をわずかに上回り、前年同月比ではわずか0.2%増。しかし10月の卸売価格は同2.11ドルで、前年同月比14.7%減。ここ3カ月のチョイスのカットアウト価格の下落は過去20年間で経験したことのない暴落だった。

現状の牛肉の小売と卸売の価格差は史上最大かもしれないが、小売価格の卸売価格に対する倍率は2.95で、2009年第4四半期の3.05よりは低い。今は米国の経済は比較的良好だが、2009年第4四半期は、大恐慌以降最大の経済危機があった時期だ。いずれにしろ需要か供給のどちらかにダメージがあれば、卸売価格に直接的な影響が現れる。

10月の豚肉の卸売価格は3.97ドル、前月比1.4%高、前年同月比4.2%安。

豚肉の卸売価格は今年前半に落ち込み、その後上昇、再び下落しているが、小売価格はここ数カ月間、上向き基調で推移している。10月の豚肉のカットアウト価格はポンド当たり0.87ドル、前年比22.5%安。小売価格は2009年に3ドルを割り込み、2012年は3.50ドル近辺だったのに対して、現在は4ドル近い。

 

※2015年11月30日 NPB Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  牛肉(チョイス)の卸売価格と小売価格の推移
  豚肉の卸売価格と小売価格の推移
 
フードサービス

クイックサービスレストラン市場、年間5%台の成長続く

 
 

米国の民間調査会社の発表によると、世界のクイックサービスレストラン(QSR)市場は2015年から2019年までの期間、売上高と利益の年間成長率はそれぞれ5.54%、5.22%で成長すると予測されている。

この市場の製品区分はアジアンフード、ハンバーガー、チキン、チップス、ドリンクとデザート、メキシカンフード、ピザ・サンドイッチなど。市場規模は様々なサービスカテゴリーの売上から計算され、イートイン、持ち帰り、持ち歩き、路上販売などが含まれる。予測期間内で最も成長の速い市場はアジア太平洋地域。

QSR市場の競争は熾烈だ。価格戦略、製品とパッケージの革新、メニューバリエーション、さらに1食当たりの摂取カロリー表示などを含めて各社が競っている。市場での位置づけを維持するため、割引クーポンや値下げキャンペーンを行う一方で、この市場はさらに「ブランド競争」が激しくなると予測されている。QSRのグローバル市場の主要企業はサブウェイ、マクドナルド、バーガーキング、ヤム・ブランズなど。

 

※2015年11月26日 Meatingplace.com

 
リテイル

コストコがブラック・フライデー販促でポークを特価で提供

 
 

米国の豚肉生産者にとっての最優先課題は豚肉の拡販策。生産が増加し、供給が潤沢な豚肉製品にコストコが着目し、豚肉在庫の消費に尽力している。コストコは感謝祭後のブラック・フライデーの週末、会員向けに骨なしホールポークロインを1パック10ドル値引きして提供する。

このブラック・フライデーの週末販促は、「Porktober」(ポクトバー、NPBが10月に展開した全米規模の豚肉販促)の人気と成功に続くもので、コストコの多くの会員を生鮮食品部門へと誘導し、豚肉の購買増加に繋がることが期待される。

コストコの豚肉・ソーセージバイヤーのスコット・アレジャー氏は「ベンダーであるJBSとスミスフィールドフーズ社とともに、数ヵ月前からこの販促を準備。2社とも非常に積極的にプロモーションに協力してくれている」という。

コストコでは通常、この時期の豚肉販売は減少するが、今回の販促展開で数百万ポンドの豚肉販売を促すことが期待される。アレジャー氏は「骨なしホールポークロインはロースト、チョップ、グリルにしたり、オーブンや低温調理機器を使って多種多様に調理できる」とし、割引価格によって購入に踏み切る会員が大幅に増加することを見込んでいる。

会員へのさらなる告知と、より快適な豚肉購買を促す方法として、コストコのサプライヤーは骨なしポークロインのラベルにカッティングや調理方法の説明も貼付。中には、年間を通して各シーズンに最適なレシピを紹介するパッケージもある。

 

※2015年11月25日 NPBならびにFOODMARKETING.Com

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
   
 

ポーク・ファクト・シート