パッカーは3カ月近く好調な利益を確保してきたが、ここにきて収益性は悪化している。生体牛価格が10月第2週からの2週間で100ポンド当たり15ドル以上も反騰し、第4週も強含みで推移。一方、10月第2週のと畜頭数は今年3番目に多く、牛肉供給の増加によりボックスビーフの価格は上昇せず、生体牛の上昇分をカバーでてきていない。
また50CL(牛ひき材)と副産物価格が低迷していることも利益を悪化させている。今後、と畜頭数が絞られる可能性もあり、生体牛価格の上昇は緩やかになるかも知れないが、重量級の肥育牛の出荷が減少するため、反落することはないだろう。
9月第3週にと畜頭数が週間57万8081頭(今年2番目に多い水準)に増加した時、生体牛価格は2週連続して大幅に下落。以後、と畜頭数は57万4412頭、56万9352頭と高水準が続き、主要5州の去勢牛平均は117.71ドルまで暴落した。その後、カットアウト価格の低下を防ぐために55万1658頭まで減少したが、10月第2週は再び57万6000頭まで拡大した。
アナリストは「と畜頭数の増加は諸刃の剣。重量級の肥育牛が予想より早く一掃できたが、パッカーにとっては出荷適正牛の供給減と牛肉在庫の増加をもたらした」という。実際、この期間に枝肉重量は新記録を更新した。パッカーのマージンは9月平均で1頭当り50ドル以上、ピーク時は86ドルとなったが、10月第4週の木曜日には18ドルまで低下した。
牛副産物の価格は、8月に週間新記録となる16.69ドルをつけていたが、それ以降は下落基調をたどり、10月第2週の週平均価格は11.23ドル(前年同期比31.3%安)。これは過去5年間で最も低い。同週の50CLの価格は49.36ドルと、ここ数年間の底値となった前週の37.12ドルに比べ33%高いが、前年同期比では55.5%安。
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