大手パッカーのアイオワ州の工場閉鎖が発表された。2013年初めから今までに9カ所の牛肉処理工場が閉鎖し、1日当たりのと畜能力は1万4850頭分減少した。営業日数を250日とすると、年間で370万頭分に相当する。最大の理由は2007年以降、生体牛の飼養頭数が減少したこと。特に2010〜2012年の干ばつで飼養頭数の減少に拍車がかかった。
飼養頭数は、2007年までの3年間はわずかながら増加していたが、2007年以降、2014年までに884万3000頭減少した。2012〜2013年の2年間で303万9000頭も減少。これを受けた大手パッカーは2013年2月、テキサス州の工場を閉鎖、1日当たりのと畜能力が4650頭減少。他に3つの肥育牛専用工場が相次いで閉鎖された。干ばつによって雌牛の頭数も急減し、5つの肥育牛以外(経産牛・雄牛)の工場が閉鎖した。
本紙のデータによると1995年以来、50の牛肉工場が閉鎖し、と畜能力は5万2695頭低下。2013年から現在までの間より多くの閉鎖があったのは1998年〜2000年のみで、この間は18工場、と畜能力で1万7603頭分が閉鎖された。
2015年の商業用肉牛のと畜頭数は2860〜2900万頭となる見込みで、1963年(2723万2000頭)以来、初めて3000万頭を割り込む見込み。2014年の3028万頭に比べ4〜5%減少。このうち肥育牛(去勢牛・未経産牛)は約3.5%、85万頭の減少見込み。
アナリストの予測によると、2015年の肥育牛の週間当りと畜頭数は44万2000頭に低下すると見込まれる。ちなみに、週間と畜頭数は2014年44万6000頭、2013年49万3000頭、2012年49万9000頭、2011年51万5000頭、2010年52万5000頭だった。
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