と畜頭数の増加や第4四半期の大幅な供給増を見込んで、生体豚の先物価格が急落している。USDAの最新報告では、7月1日現在の繁殖母豚数は予想より少なく、9〜11月の分娩頭数も当初の予想より少なくなる。
と畜頭数の多さに加え、枝肉重量も増加傾向にある。通常、夏季には生体重量は減少するが、今年は主要産地の気候が比較的涼しく、7月第2週の枝肉重量は211ポンドと前週の210.5ポンドを上回った。
今年後半の豚価を予想する上で、現在のと畜頭数および価格推移を2012年と比較することが必要だ。今年の第4四半期のと畜頭数は、3000万頭を上回ると予想されているが、過去にこれが起こったのは2012年だからだ。現在のと畜頭数と生体重量は2012年レベルを若干上回り、価格もそれに釣り合っている。
週間のと畜頭数は、現金取引価格が急落した3月に230万頭に近づいた。最終的に今年の週間と畜頭数は240万頭に近づくと予想しているが、これは通常の処理能力の範囲内だ。週間と畜数が240万頭を超えるのを避けるため、生産者は晩夏から秋口に出荷を増やすとの見方もある。
2012年にも同様のことが起こり、結果的に9月の生体豚価格は値下がりし、その後の3カ月間で回復した。今年と2012年で異なる点は、枝肉重量が2012年よりもずっと重いことだ。それがカットアウト価格の上昇を抑える要因となっている。
10月・12月の先物価格は安すぎるのではないか。もし11月と12月の週間と畜数が240万頭以下にとどまった場合、10〜12月の生体価格はポンド当たり62〜64セントと予想される。さらに、第4四半期のと畜頭数が3000万頭以下なら価格は65〜68セント周辺、クリスマス前週にはおそらく70セント近くになることも予想される。
現状のカットアウト価格は、ベリーの季節的な上昇に支えられている。9月から10月にかけてベリー価格も低下するだろう。その時に他の部位、特にハムの価格が下支えできるかどうかがポイントだ。ハムの需要は時として一気に上がることがある。週間と畜数が220〜230万の範囲であれば、供給薄になっているライトハム(小ぶりのモモ)が上昇することもあり得る。
気をつけるべきは輸出の動向だ。先物取引が弱気なのは、中国の動向と米ドル高による。しかし状況が多少なりとも変化すれば、今年後半の市場展望は明るくなる。輸出動向が今後の市況展開の鍵となるだろう。
|