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TRADER'S Be & Po

vol.247 June.22 2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 小売の牛肉販売不振でカットアウト急落
トピックス 豪州産の牛肉輸入急増、トリガー発動の懸念
輸出動向 食肉輸出が勢いを取り戻す―アジア向けが好調
ポーク関連ニュース チェックオフで夏季のグリル・プロモーション展開
需給トレンド 牛肉生産は2016年に増加、豚肉は拡大基調続く
リテール コストコがオーガニックの新リーダーになる可能性
USMEFインフォメーション ごちポくんweb動画配信連動キャンペーン
cookpadつくれぽ殿堂入りレシピキャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

小売の牛肉販売不振でカットアウト急落

 
 

例年、牛肉需要は6月に年間のピークを迎えるが、今年は例外らしく、ボックスビーフの価格は大幅に下落している。最大の要因は、メモリアルデーの連休後に小売での牛肉販売が不振だということ。特にステーキの販売が良くない。

5月最終週の販売が不調だったため、パッカーは6月第1週から値下げに踏み切り、ロイン系の価格が急落。ひき肉も値下がりした。このため、チョイスのカットアウト価格は4日に100ポンド当たり248.48ドルと、前週比10.77ドルも値下がり。5月19日に記録した最高値265.59ドルから、11営業日で17.11ドルの大幅下落となった。

価格を安定させるために生産量が減らされる可能性が高く、と畜頭数は6月第1週が推定で55万頭(前年同週61万6467頭)、第2週は54万5000頭(同60万5329頭)に減少する見込みだ。

しかし、肥育牛の絶対頭数は依然として少なく、出荷適齢牛の供給はタイトだ。予想よりも肥育牛の出荷が少なすぎるとの見方があるが、これは肥育期間の長期化が要因。一部のアナリストはこうした肥育牛が徐々に成長し、やがて市場を圧迫するとの見方を示しているが、フィードロットの飼養頭数はほぼ前年並みで、1950年初頭以来の低水準であることに変わりはない。

アナリストは「値下がりはフォーミラー販売の減少も要因」だという。牛肉販売が鈍化しため、小売りのバイヤーは当用買いに終始し、スポット市場での購入を増やすことになった。この状況が続くとカットアウト価格はさらに低下する可能性もある。ただ、ボックスドビーフの価格低迷にもかかわらず、生体牛の先物価格は現金取引の影響を受けていない。

 

※2015年6月8日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
トピックス

豪州産の牛肉輸入急増、トリガー発動の懸念

 
 

豪州からの牛肉輸入が急増しており、8月半ばには割当数量のトリガーに達する可能性がある。豪州は継続的な干ばつにより、特に北部での牛のと畜頭数が予想以上に多い。一方、米国では赤身のひき肉需要が強く、また米ドルが豪ドルに対して13%も高くなっているため、豪州の対米輸出はしっかりと利益を得ている。輸入物の90CLの価格は100ポンド当たり217ドルで、国内産の290ドルを大幅に下回っている。

1995年のウルグアイラウンドで合意した豪州産牛肉の関税割当数量は37万8241トン。これに今年のAUSFTA(米豪自由貿易協定)で4万トンの免税割当が追加された。

豪州の牛肉産業にとって米国は最大の市場であり、2014年の輸出額は24億4000万ドル、全輸出の32%を占めている。今年これまでの米国への輸出量は割当量の55%に達しており、現状ペースでの輸出が続くと、8月中旬には現行の割当制度下では初となるトリガー発動の可能性があるという。

現在の制度では、豪州の牛肉輸入量が10月1日以前に割当量の85%を超えた場合にトリガーが発動される(無税枠を超えた分の関税は年内21.12%)。

トリガー発動前には事前通知がなされることになっており、それを持って輸出業者との確認作業を行うことになるとしている。

 

※2015年6月15日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
輸出動向

食肉輸出が勢いを取り戻す―アジア向けが好調

 
 

米国産牛肉と豚肉の輸出は4月に勢いを取り戻した。USMEFのフィリップ・セング会長兼CEOは「西海岸の港湾争議の影響から立ち直り、米ドル高や競合国が主要な市場で関税面において有利な状況にある中でも米国の食肉輸出は健闘している」とコメントしている。

4月の牛肉輸出は、金額ベースで引き続き記録的なペースを維持し、豚肉はこの1年間で月間の最多数量となった。牛肉輸出は季節的な増加で9万2263トンと昨年12月以降で最も多くなった。前年同月比では7%減だが、輸出額は5億5530万ドル(前年同月比3%増)。1〜4月の累計輸出数量は34万1927トン(前年同期比9%減)、輸出額は21億2000万ドル(同4%増)。

豚肉輸出量は20万125トン(同4%増)と、昨年の3月以降で最も多い。輸出額は価格の低下により5億1210万ドル(同14%減)。1〜4月では72万6102トン(同7%減)、19億3000万ドル(14%減)。

牛肉はアジア向けの輸出額が記録的なペースを維持。1〜4月の日本向けは7万972トン(同5%増)と、数量でも前年を上回った。輸出額は4億5770万ドル(同8%増)。同様に韓国向けも3万8828トン(同4%増)、2億7720万ドル(同8%増)と好調。韓国ではこれまで伝統的に外食店で米国産牛肉が支持されてきたが、小売での需要が増加しており、USMEFがこの1年間、スーパーでのプロモーションに力を注いできた成果が顕著に表れているという。

低迷していた台湾向けも、4月には大きく回復。1〜4月で8969トン、6%減。輸出額8800万ドル、13%増となっている。メキシコはペソが弱いものの、米国産牛肉の需要は維持している。

 

※2015年6月8日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

チェックオフで夏季のグリル・プロモーション展開

 
 

NPB(全米豚肉委員会)は今夏、グリル需要を盛り上げるプロモーションを展開する。新しいフレーバーと心臓の健康に良い豚肉のカットなどを訴求する。

チェックオフ基金の国内マーケティング委員会のランディ・ブラウン委員長は「アメリカ人はグリルを好むが、色々な風味や味付けがあることは知られていない」と述べ、この夏はロインチョップなどジューシーで柔らかい豚肉のカットを選び、これまでにない大胆な味つけでグリルを楽しんでもらうことを推奨している。

新しいバーベキュー風味の普及活動は5月19日から始まり、全米10州からご当地フレーバーを収集。米国で人気の喜劇俳優やコメディアンなどを起用して、ユーモラスなCMビデオを作成。「DJ グリル クラッシャーズ」の有名シェフとも提携し、創造的かつ健康的な調理方法で豚肉のグリルを楽しむキャンペーンを推進する。グリルクラッシャーズのビデオや提案レシピなどは、下記のキャンペーン専用Webで閲覧できる。
PorkBeInspired.com/GrillCrashers.

 

※2015年6月 National Pork Board news

 
需給トレンド

牛肉生産は2016年に増加、豚肉は拡大基調続く

 
 

USDA(米国農務省)が6月10日に公表した「世界の農産物需給見通し」によると、米国の畜産物の生産量(商業用と畜・連邦格付分)は2015年が951億3700万ポンド、2016年は973億9300万ポンドと増加する見通し。牛肉は2015年に減少して2016年から増加に転じ、豚肉・鶏肉は増加基調が続く見込み。

2015年の牛肉の生産量予測は240億900万ポンド(前年242億5200万ポン ド)。肥育牛のと畜頭数が第2四半期まで前年を下回り、経産牛と雄牛は年間を通して減少する。だが2015年の後半には飼料供給の改善もあり、牛の飼養頭数が増加。これにより2016年の牛のと畜頭数は増え、牛肉生産量は247億3500万ポンドに増加すると予測している。

2015年の豚肉生産量は第2四半期のと畜頭数が大幅に増加することから244億5600万ポンド(前年228億4300万ポンド)に拡大。2016年には247億ポンドとさらに増加する見通し。

ブロイラーは2015年が403億1700万ポンド(前年385億5000万ポンド)、2016年が411億7500万ポンドと連続して増加。一方でターキーの生産量はHPAI(高病原性鳥インフルエンザ)の影響により2015年は56億400万ポンド(前年57億5600万ポンド)に減少する。

生体牛価格(肥育去勢牛・100ポンド当たり)は2015年が159〜165ドルと前年(154.56ドル)を上回って推移するが、2016年は肥育牛の供給増加に伴い155〜168ドルと低下する見込み。肥育豚価格は2015年が49〜51ドル、2016年は44〜48ドルの値動きと予想している。

 
リテール

コストコがオーガニックの新リーダーになる可能性

 
 

BMOキャピタルマーケットのアナリストによると、コストコが5月28日に発表した第3四半期の決算におけるオーガニック食品の売上高は、オーガニック食品の販売で全米最大のホールフーズを抜いている可能性があるという。アナリストは、年間のオーガニック食品の売上高はコストコが約40億ドル、ホールフーズが36億ドルになると推定している。

コストコのリチャード・ギャランティ執行副社長兼最高財務責任者は「オーガニック食品の売上高はこの9カ月で30億ドルまでに成長し、年間では40億ドルに達しそうだ」という。同社は優れた供給業者との共同作業で調達ルートを開発、世界中の生産者とコミットしており、まだまだ拡大する余地が十分にあるという。

成功例の1つであるオーガニックの生鮮牛ひき肉については、「この商品を紹介した時、購入客の80%は既存会員だった。もともとオーガニックの牛ひき肉を購買していた人たちであり、他店より薄利でオーガニックを販売するコストコはオーガニック食品購買者にとっても大きな利点がある。好調な販売が続いているが、これは多くの中の1つに過ぎず、異なるカテゴリーでもまだまだ拡大できるものがある」という。

アナリストはオーガニック食品の拡大について、コストコは短期および長期的に3つの優位性があるという。巧みなミックスシフトに支えられる売上総利益率。オーガニック食品の顧客をサポートするトラフィックな成長予測(小売業トップ企業に対して約40%安い価格を提供できる魅力)に加えて、ますます重要になる消費者グルーブとの結びつきに関しても会員制のコストコに優位性があると指摘している。

 

※2015年6月3日 meatpoultry.com

 
USMEFインフォメーション

ごちポくんweb動画配信連動キャンペーン

 
 

USMEF(米国食肉輸出連合会)はアメリカン・ポークの新キャラクター「ごちポくん」を用いて、アメリカン・ポークの魅力を伝える動画配信と連動した「2015年ごちポくんweb動画連動キャンペーン(熟成豚)」を実施します。

夏の需要期に向けて展開する今回のキャンペーンでは、親しみやすいキャラクターのごちポくんがアメリカン・ポークの魅力である「チルド輸送による熟成された旨味」を表現する動画を配信。それに連動できる店頭POP(シール、ラベル)を作成配布して、店頭での販売促進をサポートします。

トレイパックに貼付する「ごちポくん動画のシール」は全15パターンを制作していますので、売場を楽しく彩ることが可能です。サイズは縦81mm × 幅50mm、1セット 1500枚(15種×100枚)で納品は6月27日よりの予定です。

  ごちポくん動画イメージ
  ごちポくん動画のシールイメージ
 
 

cookpadつくれぽ殿堂入りレシピキャンペーン

 
 

USMEF(米国食肉輸出連合会)は、人気の料理レシピサイト「cookpad」でアメリカン・ポークを用いた「120℃かんたんロースト」のレシピが殿堂入りしたことを機に、6月末から夏場の需要期に向けて「cookpadつくれぽ殿堂入りレシピキャンペーン」を展開します。

cookpadの「つくれぽ」はユーザー(月間5000万人)がレシピを実際に作った感想を写真でリポートするもので、レシピの人気のバロメーターの1つになっています。「つくれぽ」が多く付いたレシピは定番レシピとして信頼されます。「つくれぽ」の数によって称号が与えられるシステムで、10人以上で「話題のレシピ」、100人以上で「人気のレシピ」、そして1000人以上になると「殿堂入りレシピ」となります。cookpadには現在200万件のレシピが投稿されていますが、その中で殿堂入りレシピは約740品しかありません。

「120℃かんたんロースト」が超人気レシピとして殿堂入りしたことをフックに、アメリカン・ポークの需要促進、店頭販売を盛り上げる施策として新たに各種店頭POSツール(B5サイズPOP、レールPOP、ラベルシール等)を作製、配布します。またcookpadサイト上にも特設ページを制作しますので、この機会に是非、キャンペーンにご参加下さい。POPは6月27日より納品可能となります。

  cookpadつくれぽ殿堂入りレシピキャンペーンツールセットイメージ
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート