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TRADER'S Be & Po

vol.246 June.08.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 6月の牛肉カットアウト価格は弱含み
生体豚市況、メモリアルデー需要で改善
セーフティ関連ニュース テンダーライズ製品の新たな表示規則公表―FSIS
生産動向 4月のフィードロット飼養頭数は微増、出荷は大幅減
ポーク関連ニュース シーボードとトライアンフがアイオワに新工場
フードサービス バーガーキングが売上第2位の座を奪還
業界ニュース 4月の食肉在庫、牛肉、豚肉ともに前年上回る
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

6月の牛肉カットアウト価格は弱含み

 
 

5月後半はメモリアルデーの連休需要もあって、生体牛・ボックスビーフともに価格が上昇したが、今後は通常に戻り、6月を通して価格は弱含みそうだ。

6月のと畜頭数の予測は、週当たり平均で58万頭。一部には57万頭を下回るとの予測もあるが、前年6月の週当たり平均は61万2454頭だった。前年はカットアウト価格が6月を通して上昇し、7月も上がり続けたが、それでも7月第1週まで100ポンド当たり240ドルを超えることはなかった。

しかし、今年のチョイスのカットアウト価格は2月最終週まで240ドル以上が続き、4月初めには250ドルを超えた。連休前の5月19日には265.59ドルの最高値を記録したが、20日には弱まり、21日には262.22ドルに下落。またいくつかの部位はスポット市場での価格より安値で販売された。

スポット市場のチョイスのカットアウト価格は、5月第2週に週当たり平均の最高値となる262.07ドルを記録したが、総合的なカットアウト価格の週当たり価格は258.87ドルだった。チョイスのカットアウト価格は6月終わりまでに255ドル近辺、8月初めまでに240ドル台半ばまで値を下げる可能性がある。

しかしアナリストは、「それでも小売業者は8月まで、販促面では積極的な反応を示さないだろう」という。6月は年間で最も牛肉の需要が上がる時期だが、高値続きで牛肉の販売利益が薄くなり、供給が増加する豚肉・鶏肉との価格差が拡大しているためだ。ガソリン価格の値下がりによって牛肉への消費支出が増えるとの期待もあったが、小売市場までは広がってはいないようだ。

 

※2015年5月25日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
 

生体豚市況、メモリアルデー需要で改善

 
 

この数週間で、生体豚市況は顕著に回復した。小売での豚肉販売が季節的な需要増で改善し、輸出も好転したこと、また加工業者のオーダーも通常に戻ったことが要因だ。5月15日の現金取引の枝肉価格は100ポンド当たり81.85ドル。3月末と比較すると26ドル高、45%も上昇した。現金取引に比べて先物取引価格の回復は数週間遅れているが、それでも6月の先物価格は3月下旬以降から11ドル値上がりしている。

生体豚価格の急激な改善を踏まえ、今年後半の価格を予測すると、まず考慮すべきなのは2月下旬から3月の価格が低すぎたことだ。PEDvの影響が大きかった2014年との比較では歪みが生じるため、2013年と比較すると、3月の1日当たり豚肉生産量はおよそ9600万ポンドで、2013年3月の9200万ポンドに比べて4.3%増。3月は輸出が芳しくなかったため、国内流通量が増加したのは確かだが、それでも生体豚価格が2013年3月の78〜80ドルに対して56ドル前後では、実勢を反映した水準とは言い難い。

部位別でも、大部分の小売品目が好調だ。2013年に比べてリブは30%高、バットは15%高と小売需要の強さを反映している。モモは7%安だが、これは供給増加を反映した水準だろう。唯一、苦戦が続いているのはベリーで、100ポンド当たり79.22ドル、2013年の同期比で81ドル安と約半値である。

重量構成で約16%を占めるベリーの価格低迷が他の部位の利益を相殺し、全体の足を引っ張っている。ベリー以外の部位はすべて通常の季節的な価格傾向に沿っているため、仮にベリーが通常の水準(7月までに120ドル程度)まで回復すれば、カットアウト価格は100ドル台もあり得るだろう。

だが現在の先物価格の水準を見る限り、これも予測に過ぎず、市場関係者はメモリアルデー後のロインとトリミングの価格がどう推移するかを注視している。豚肉生産者は冬季の混乱を抜け出し、春季を順調に過ごせた。今秋には週当たりと畜頭数が240万頭に増加することの影響が懸念されるが、夏季の間は順調に推移するだろう。

 

※2015年5月18日 NPB Pork Profit Maximizer

  豚肉の主要部位とカットアウト価格の対比
 
セーフティ関連ニュース

テンダーライズ製品の新たな表示規則公表―FSIS

 
 

USDA・FSIS(米国農務省・食品安全検査局)は、テンダーライズ製品(機械的に柔らかくした牛肉製品)の新たな表示規則を公表した。この規則案については、食肉産業界からの反対もあって、提案から2年以上を経て最終案が公表された。

「テンダーライズした牛肉は完全に安全であり、特別な表示は必要ない」という意見は根強く、今も議論が続いているが、FSISは公衆の健康上の重要性を考慮して、規則の変更が必要と判断し、2018年1月に予定される食品表示規制の一括改正に合わせて、新たな規則を発効する方針だ。

新規則では、機械によって柔らかくした牛肉は、刃物または針で柔らかくした製品として判別できるように表示が義務づけられている。またラベルには消費者に調理上の取り扱い説明を表示する義務も含まれている。説明表示には、保管温度と完全な調理が保証される加熱時間を明記する必要がある。

FSISは、テンダーライズ製品のラベルに調理説明があっても、それに沿って全ての消費者が行動を変えるわけではないと認識しているが、それでも表示の変更が公衆の健康に前向きな影響を与える。機械的に柔らかくした牛肉には、内部に病原体が媒介する可能性があるため、加工していない牛肉とは違う手順で調理されるべきであることを、消費者が理解することが重要であるとしている。

 

※2015年5月25日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
生産動向

4月のフィードロット飼養頭数は微増、出荷は大幅減

 
 

USDAが公表した5月1日のフィードロット総飼養頭数は1064万頭(前年同月比0.8%増)と、民間アナリストの予想平均を0.9%下回るものとなった。4月の導入頭数は154万8000頭(同4.6%減)、出荷頭数は163万9000頭(同7.8%減)。導入数が予測より少なく、総飼養頭数も予測を下回ったことを受けて、夏の終盤から冬季に向けての市況感はやや強気となった。先物価格は6月、8月の取引はわずかに低下したが、10月は横ばい、12月はわずかに上昇した。

州別の飼養頭数ではネブラスカが250万頭(同2%増)で第1位を維持。テキサス241万頭(同1%減)、カンザス206万頭(同2%増)。アイダホ、ミネソタ、オクラホマ、南ダコタ、ワシントンの各州で前年同月を上回っているが、コロラド、アイダホ、ワシントンの3州で導入頭数が前年を下回った。

導入頭数を重量別にみると、前年より増加しているのは最重量級(800ポンド以上)のみで、4カ月連続で前年を上回っている。4月の800ポンド以上は6.7%、4万頭の増加。700ポンド未満は12.1%、7万頭の減少。700〜799ポンドは12.5%、4万5000頭の減少。

4月に出荷頭数が前年同月を上回った州はない。43万5000頭と最も多く出荷したテキサスでも前年同月比では9%減。ネブラスカ2%減、カンザス8%減、コロラド8%減など主要生産州でいずれも前年同月を下回った。

 

※2015年5月25日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

シーボードとトライアンフがアイオワに新工場

 
 

シーボードフーズとトライアンフフーズは5月14日、共同所有の新しい豚肉加工工場をアイオワ州スーシティに建設すると発表した。今夏に着工、2017年7月に完成予定。

新工場はシングルシフトで年間約300万頭の豚を加工処理する計画で、約200人の正社員を含めおよそ1100人の従業員を雇用する。工場はミズーリ川沿いのブリッジポート西工業地域に建設され、小売、外食、加工用ならびに輸出用の生鮮豚肉製品がフルラインで製造される。

シーボードフーズは現在、国内市場向けに「プレイリーフレッシュ プレミアムポーク」、国 外市場向けには「シーボードファームズ」、「セントジョーポーク」のブランドを販売。自社のオクラホマ州ガイモン工場とトライアンフフーズのミズーリ州セントジョセフ工場で加工、出荷している。

同社のテリー・ホルトンCEOは「今回の発表は、我々のビジネスパートナーシップを強化する新たな一歩。最高品質のプレミアムポークを国内外の顧客に提供する垂直統合フードシステムのリーダーとしての立場を強固するものであり、新工場がスーシティ地域と我々の顧客に新たな好機をもたらすことを確信している」と述べている。

トライアンフフーズのオーナーの主体は豚肉生産者、シーボードフーズはシーボードコーポレーションの完全子会社だが、両社は農場から食卓に至るまでの全工程の垂直統合システムの下で管理・運営のすべてで連携しており、この2社を一体と見るなら、米国第2位の豚肉生産者、第5位の豚肉加工業者、そして豚肉輸出業者のリーダーということになる。

 

※2015年5月16日 MeatingPlace.com / 両社のNews release

 
フードサービス

バーガーキングが売上第2位の座を奪還

 
 

テクノミック社の2014年ハンバーガーショップ売上調査によれば、バーガーキングは米国内第2位の地位を奪還した。2013年にウェンディーズに抜かれたものの、2014年の国内売上はウェンディーズが85億1000万ドルに対し、バーガーキングは86億4000万ドルとなった。マクドナルドの米国内売上は354億ドル。

バーガーキングは3月末から集客アップのために、時間帯限定マーケティングと熱狂的な支持をもつチキンフライを再販。一方でウェンディーズは、クリスピーチキンサンドを売り出し、最近では若年層向けに純オーガニック緑茶の販売を始めた。

「ウェンディーズは高価格・高級食品志向へとシフトしているが、バーガーキングはメニューを拡大し、価値に焦点を当てることで、いよいよマクドナルドを追撃する体制を整えつつある」とテクノミック社のダレン・トリスターノ氏は言う。

バーガーキングの国内売上は、スパイシーBLTホッパーと2〜4ドルのクロワッサン朝食サンドイッチが好調で、直近の4半期売上高は6.8%増。ウェンディーズの北アメリカでの直近4半期売上は3.2%増加。バーガーキングは2013年にその座を奪われるまで、1972年から国内第2位のチェーンだった。4位はドライブスルーチェーンのソニック社、5位はジャックインザボックス。

 

※2015年5月28日 FOODMARKET.com

 
業界ニュース

4月の食肉在庫、牛肉、豚肉ともに前年上回る

 
 

4月の食肉在庫状況を見ると、豚肉は6億9960万ポンドで前月より4%増加、前年同月比では20%増で過去2番目に多い水準となった。うち、モモの在庫は1億3560万ポンドで前月比38%増、前年比66%増と膨らんでいる。

牛肉は4億7670万ポンドで前月から1%減少したものの、2014年との比較では18%増加し、過去3番目に多い水準で、過去5年平均と比べると6.3%増。鶏肉は前月より1.8%増、前年同月比31%増。七面鳥は前年同月比5.2%増。この結果、食肉と家禽の合計在庫は前月より3.9%増、前年同月比では20.3%増となった。

 

※2015年5月22日 FOODMARKET.com

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート