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TRADER'S Be & Po

vol.244 Apr.20.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
需給トレンド カットアウトは豚肉が前年の半値、牛肉は再上昇
ポーク関連ニュース 豚肉産業はPEDvを乗り越え、再び拡大軌道へ
市況ニュース グリルシーズン入りで牛肉需要の拡大に期待
生体豚と豚肉の価格、供給増と輸出減で急落
輸出動向 2月の輸出は牛肉・豚肉とも減少、3月以降は改善
トピックス 未経産牛の保有拡大、牛群の再構築が着実に進行
USMEFインフォメーション 6月から『ビーフといえば、アメリカン。』キャンペーン
新ロゴのPOSや広告、クローズド懸賞で参加店サポート
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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需給トレンド

カットアウトは豚肉が前年の半値、牛肉は再上昇

 
 

【豚肉】

カットアウト価格は1月下旬から続落し、4月第1週にはポンド当たり0.65ドル(前年同週比51%安)となった。2013年の同週比では19%安。供給量の増加が値下がりの要因だが、USDAの最新予測では、2015年の豚肉生産量は1100万トン(前年比6%増)。

一方で、西海岸港湾の労働争議や世界的な豚肉供給量の増加、ロシアと中国の市場参入問題、ドル高によって豚肉の輸出が停滞し、豚肉価格はほぼ全部位で値下がりした。ポンド当たりでベリー0.64ドル(前年比68%安)、ハム0.41ドル(65%安)、ピクニック0.40ドル(63%安)、バット0.86ドル(40%安)、ロイン0.82ドル(36%安)と大幅に低下している。

今後は夏に向けて季節的に供給が少なくなること、グリルシーズンの到来で価格が戻ることも予想されるが、最高値を記録した前年の水準を下回るのは確実。ベーコン用ベリーの価格回復には、フードサービスでの需要改善が不可欠だ。

生体豚の先物取引価格は1月末から値下がりを続けてきたが、3月後半が底値となり、夏に向けて季節的な上昇をたどると予想される。4月8日時点の先物価格は4月62.30ドル(1月31日比10ドル安)、5月70.22ドル(同10ドル安)、6月77.10ドル(同7ドル安)、7月78.38ドル(同6ドル安)。豚枝肉の現金価格は57ドルと2009年以来の安値を付けている。

【牛肉】

チョイスのカットアウト価格は4月第1週に2.55ドル(同10%高)と1月第3週以来の高値に戻し、第2週は2.60ドルまで上昇した。生体牛の現金価格は1.68ドル(前年比12%高)。4月第2週には昨年11月に記録した最高値に近い水準まで上昇した。肥育牛の枝肉重量は、肥育期間の長期化もあって前年比2%、19ポンドの増加。USDAの最新予測では、2015年の牛肉生産量は6%減の見込み。フィードロット飼養頭数は3月1日現在で1065万8000頭、同1%減。

グリルシーズン入りの需要増でリブの価格は3.83ドル(17%高)となり、中でもリブアイは8.37ドル(27%高)と最高値を更新。テンダーロイン(11.11ドル、4%高)、ストリップ(6.99ドル、4%高)も強気で、ロイン全体でも3.47ドル、8%高と最高値に近い。ブリスケット(1.96ドル、2%高)、ショートプレート(1.69ドル、2%高)は前年並みに近づいた。主な輸出アイテムではチャックロール(3.13ドル、27%高)、ショルダークロッド(2.58ドル、13%高)が反発した半面、チャックショートリブ(2.89ドル、9%安)、ショートリブ(4.18ドル、16%安)は前年より安い。

直近の格付割合はチョイス70%、セレクト18.9%、プライム5.5%。4月8日時点の生体牛先物は4月161.55ドル(1月31日比9ドル高)、6月151.45ドル(同6.5ドル高)、8月148.55ドル(同4.5ドル高)。

 

※2015年4月8日 USMEFアナリスト報告より

 
ポーク関連ニュース

豚肉産業はPEDvを乗り越え、再び拡大軌道へ

 
 

USDA(米国農務省)が3月27日に発表した四半期毎の豚飼養動向調査によると、春に向け飼養頭数は顕著に増加したが、繁殖用豚の増加は当初の予想より低かった。先物市場では飼養頭数の増加はすでに織り込み済みで、直近の取引価格に反映されており、この発表を受けての影響は限定的だ。短期的には、供給量の増加から豚肉価格は低く抑えられる。

繁殖用豚の頭数が予想を下回ったことで、6〜8月の子豚生産頭数も予想を下回るとみられることから、先物取引価格は横ばいで推移。今後の市況は需要面の動向に左右される。特に輸出需要が注視される。また、エンドユーザーは先安予想から当用買いに終始し、毎週の取引交渉で供給を増加させようとするだろう。

3月1日現在の総飼養頭数は、前年同月比7.2%増(事前予測では6.8%増)。2013年比では1.3%増。2014年12〜2015年2月の子豚生産頭数は9.2%増で、民間予想とほぼ一致。1腹当たりの産子数は6.7%増と予想よりも急速に回復し、今冬はPEDvの影響が極めて少なかったことを裏付ける。

繁殖豚の頭数は598万2000頭で2.2%増。事前の民間予想(平均3.5%増)を大きく下回った。繁殖豚が予想より少ないことは、3〜5月および6〜8月の分娩頭数が減少することを意味するが、USDAの6〜8月予測は2.1%減とアナリストの予測(平均2.7%増)に比較して余りにも少ない。これはやがて少なすぎることが証明されるだろう。

2015年後半から2016年にかけての先物取引は、肥育豚の拡大と産子数の増加によって供給が増加し続けるとの見込みから、安値で取引されている。確かに肥育豚の供給は今後12カ月間にわたって前年よりも増加するが、増加率は当初予想より低く、2013年比では小幅な増加にとどまるだろう。

 

※2015年4月6日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の四半期毎の豚肉生産量予測
 
市況ニュース

グリルシーズン入りで牛肉需要の拡大に期待

 
 

本格的なグリルシーズンを迎え、牛肉需要の強まりが切望されている。牛肉のカットアウト価格はここ3週間にわたって上向きだが、これは去勢牛と未経産牛のと畜頭数の大幅減少が要因。4月第1週のカットアウト価格は、昨年11月の最高値に比較すると100ポンド当たり4ドル安い。

5〜6月は、年間で最も牛肉需要が強まる時期だ。肥育牛の購入コストが依然として高値であることから、パッカーは牛肉需要の増加によるボックスビーフの価格上昇を期待している。多くの小売業者はすでに5月の手当を完了し、販促を強化しようとしている。

ただ、牛肉の小売価格が依然として前年を上回っているのに対して、豚肉、鶏肉は大幅に値下がりし、牛肉のチョイスと豚肉のカットアウトの価格差は100ポンド当たり190ドル以上と歴史的な広がりを続けており、小売業者は豚肉の販促展開が容易な状況にある。

3月第3週、第4週のと畜頭数は52万5000頭、53万9000頭と少なく、4月第1週は50万2000頭とさらに減少。1960年代以降の平常週で最も少ない水準となった。結果的にチョイスのカットアウト価格は4月3日から8日までに100ポンド当たり2.45ドル値上がりし、258.39ドルとなった。セレクトは252.45ドルで1.99ドルの値上がり。

生体牛価格は2月の最終末から5週間連続で上昇。158.44ドルから167.57ドルへと値上がりした。枝肉の平均価格も3月第4週の262.15ドルから4月第1週には265.64ドルに上昇した。

 

※2015年4月13日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
 

生体豚と豚肉の価格、供給増と輸出減で急落

 
 

生体豚価格の急な下落には数々の要因がある。まず、豚肉輸出量が1月20%減、2月は9%減と連続して減少したこと。3月は2%減と予想され、安定しそうだが、第1四半期計では11%減、12億ポンドの減少となる。これは2013年に比べると、わずか1500万ポンドの減少である。とはいえ、米ドルの強さと競合国(特に欧州)での安値により、2015年の輸出は2013年よりも厳しい1年となり、輸出量を維持するには安価であることが求められるだろう。

2つ目の問題は、生産量の変化はと畜頭数だけでないということだ。 3月1日現在の飼養頭数は2013年比1.3%の増加だが、第1四半期の豚肉生産量は枝肉重量の増加により5%増と予測される。2013年の枝肉重量の平均は207.3ポンド。これに対し、2015年第1四半期の予想は214.5ポンドで、この7ポンドの差は第1四半期の豚肉生産量を3.8%、2億1500万ポンド増加させる。

生産の拡大と輸出の減少、さらカナダからの輸入増加により、国内市場の豚肉供給量が大幅に拡大し、生体豚価格を急落させた。2015年春から夏にかけての先物取引価格は25%安の水準にある。この安値を変えることができるのは、輸出需要の改善と生体重量を軽量化することであり、今後の動きを注視する必要がある。

 

※2015年4月6日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
輸出動向

2月の輸出は牛肉・豚肉とも減少、3月以降は改善

 
 

2月の食肉輸出は、牛肉・豚肉ともに1月に引き続き減少した。だが、西海岸港湾の労使交渉が妥結したことで3月の輸出は改善している。豚肉類(内臓等含む)の輸出量は12万9145トンで、前年同月比8.8%減。供給増加とそれに伴う価格低下で輸出が回復しつつあり、3〜4月には前年同月並みに回復する見込みだ。

現状の豚肉輸出市場でポイントとなるのは中国市場だ。2月の中国・香港への輸出量は2万3242トンも減少した。中国では国産豚肉の価格が下落しており、また、米国からの輸入をラクトパミン不使用の製品のみとしていることが影響している。

メキシコへの輸出量は4万6323ン(11.5%増)で、依然として量的にはNo.1市場。日本への輸出量は2万51647トン(13.9%減)。日本円に対し米ドルの高値が続く中で、競合国、特にEUの豚肉価格が安値にあることが影響している。

牛肉類(内臓等含む)の輸出量は5万9860トン(同2.5%減)。と畜頭数の減少や米ドルの高値などの逆風にも関わらず、減少率は小幅にとどまっており、アジア市場における米国産牛肉への需要は依然として強い。日本、韓国への輸出はそれぞれ10%増、19%増と堅調だ。

中国当局が香港から中国本土への違法な食肉船舶輸送を取り締まったことで、香港への輸出量は18%減となった。メキシコへの輸出量は9527トンで同15%減。牛肉価格の高値と為替レートの関係でメキシコの牛肉輸入は減少している。

 

※2015年4月6日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  2015年2月の牛肉類の国別輸出量の前年比増減
  2015年2月の豚肉類の国別輸出量の前年比増減
 
トピックス

未経産牛の保有拡大、牛群の再構築が着実に進行

 
 

繁殖業者による未経産雌牛の保有が増えており、牛群の再構築はゆっくりとしたペースながら着実に進んでいる。繁殖・育成牧場でのこうした動きは、長期的に牛肉全体の生産増に繋がっていくが、短期的にはフィードロットへの雌牛導入が少ないこと で、肥育牛と牛肉の供給は非常にタイトな状況が続くだろう。

未経産雌牛の飼養頭数は、2014年に22万6000頭(前年比4.5%)増加した。昨年秋以来、肥育素牛の市況が弱まり、また多くの繁殖地帯で牧草の状況が好転したためだ。

PCC社(プロフェッショナル・キャトル・コンサルタント)は、「ここ数年の雌牛拡大と未経産牛の保有頭数の増加レベルは一致している。4月、5月を通してこの傾向が継続すれば、著しい数の未経産牛が繁殖用に保留されたことが明確になる」という。

2014年に生まれた雌牛が繁殖用に保留されるか、肥育素牛用に回されたかは不透明だったが、PCC社のデータで繁殖用雌牛の拡大方向へと振り子が大きく揺れたことが確認された。PPCのデータでは、1月の未経産牛のフィードロットへの導入頭数は去勢牛の約42%で、2014年の第4四半期から急減した。この傾向が続くと、全体のフィードロット導入頭数が制限され、当面の肥育牛供給と牛肉生産量はかなり抑制されるだろう。

 

※2015年4月13日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

6月から『ビーフといえば、アメリカン。』キャンペーン
新ロゴのPOSや広告、クローズド懸賞で参加店サポート

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は6月から12月末まで『ビーフといえば、アメリカン。』キャンペーンを実施します。デザインを刷新したアメリカン・ビーフの新しいロゴとメッセージの普及浸透に向け、新たに作製した各種POSツールを活用して積極的なコミュニケーション活動を展開します。

新ロゴに記載された「American Beef For You」には「アメリカの生産者から大切な日本の皆様へ、高品質なビーフをお届けしたい」との気持ちを込め、また「ビーフといえば、アメリカン。」とのメッセージには「おいしいビーフはアメリカン・ビーフである」ということを自信をもってお伝えさせていただく意思を表しました。

新ロゴのローンチ・キャンペーンとして6月〜12月の7カ月間、毎月200名(合計1400名)にアメリカン・ビーフが当たるクローズド懸賞を実施します。PCやスマートフォンでキャンペーン専用サイトにアクセスし、キャンペーン応募用のトレーパックステッカーに記載された8桁のIDナンバーを入力すると、その場で当選がわかる仕組みです。

このほか、7月と11月には新聞、雑誌、交通広告を投入し、アメリカン・ビーフへの好意醸成を図り、参加店の販売促進をサポートします。新ロゴを用いたPOSツールは以下の5種類を用意しております。

  キャンペーン用 各種POSツール
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

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