パッカーは第1四半期の利益確保に苦戦している。最大の要因は肥育牛のと畜頭数が歴史的な低水準にあることだ。パッカーは肉牛購入に前年よりも多くの支出が必要になっており、と畜施設の稼働率の低さが収益率にも影響を与えている。
本紙の推定によると、土曜日を含まない週間の去勢牛と未経産牛のと畜能力はおよそ51万2000頭。これに対して稼働率は、1月の平均83.7%から2月21日の週末には80%までに低下した。3月中旬でも81%である。供給可能な肉牛が少ないことと、生産者の出荷保留の動きが強いためだ。
生体牛価格は、年初から10週間の平均で100ポンド当たり161.39ドル。3月第4週もほぼ同水準で推移すると予想されることから、結果的に今年の第1四半期の価格は前年同期を15.50ドル上回るだろう。最近までは、肥育牛の購入コスト増よりもボックスビーフの価格上昇が上回っていたが、ここにきてチョイスとセレクトの混合カットアウト価格と肥育牛価格との価格比率が縮小し、前年よりも低下している。生体牛の10週間平均161.39ドル(前年比10.3%高)に対し、混合のカットアウト価格は10週間平均で246.53ドル(同10.5%高)。
出荷の先延ばしで牛枝肉重量がさらに増加
牛枝肉の重量は季節的に低下する時期を迎えているが、依然として前年を上回ったまま推移している。最新の報告では、3月第1週の去勢牛の枝肉平均重量は876ポンド(前年同週比18ポンド増)、未経産牛は817ポンド(同14ポンド増)、全体平均では819ポンド(同20ポンド増)となっている。
この要因の一つは、と畜頭数が前年よりもかなり減少していることだ。通常、枝肉重量は4月上旬から5月下旬にかけて最も軽くなり、以降徐々に増加するが、今年は3月前半から大幅に増加した。アナリストは「肉牛生産者は出荷を先延ばししてきた。枝肉重量の増加は、今後肥育牛の投げ売りが増加して収益が悪化することを示している」という。
生産者の意図を越えて重量化することによって、肥育牛の販売価格が生産コストを下回る可能性もある。しばらくの間は供給不足とみられているが、近いうちに収支が均衡することになるだろう。
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