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TRADER'S Be & Po

vol.243 Apr.6.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
マーケット概観 2015年の生産量は牛肉0.8%減、豚肉5.6%増
価格は牛肉が高値安定、豚肉は大幅値下がり
市況ニュース 肥育牛のと畜減少でパッカーはマージン確保に苦慮
ポーク関連ニュース 生産増・輸出停滞で国内供給過剰、全部位値下がり
トピックス 食肉団体や超党派議員団が食生活指針案に反論
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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マーケット概観

2015年の生産量は牛肉0.8%減、豚肉5.6%増
価格は牛肉が高値安定、豚肉は大幅値下がり

 
 

飼料の値下がりで、食肉価格が落ち着き始めている。2015/2016年のトウモロコシの価格はブッシェル当たり3.50ドル、前年比4%安と予想される。小麦は5.10ドル(同15%安)、大豆は9.00ドル(同12%安)の予想。

2015年の生体牛(去勢牛)の価格は100ポンド当たり159.00ドル(同3%高)と最高値を更新する見込みだが、生体豚は同55.00ドル(同28%安)と大幅な値下がりが予想されている。

【牛肉】

米国の2014年の牛肉生産量は大幅に減少したが、牛群の再構築が始まっており、飼養頭数は増加しつつある。2015年の牛肉生産量は1090万トン(前年比0.8%減)の見込みで、価格は高値安定で推移すると予想される。

生体牛の価格は先物取引が割安で推移しているが、現金取引は前年比8%高で推移している。カットアウト価格(チョイス)は3月中旬まで前年を上回って推移し、3月6日時点ではポンド当たり2.49ドルで同7%高。トウモロコシ価格の安値と生体牛価格の高値を反映して、肥育牛の重量は依然として前年を上回っている。

  四半期ごとの米国の牛肉生産予測
  牛肉(チョイス) カットアウト価格の推移
 

【豚肉】

2014年12月1日時点で、豚の飼養頭数は6610万頭(前年同月比2%増)。繁殖用頭数は597万頭で同4%増。2014年9−11月の母豚1頭当たりの産子数は平均10.23頭(前年同期は10.16頭)と記録的な水準に回復した。

 2015年の豚肉生産量は1094万トン(同5.6%増)と予測され、卸売価格は近年では最安値となる見込み。カットアウト価格は3月第1週にポンド当たり0.69ドル(前年比37%安)と2010年以来の最安値を付けた。

輸出需要については、西海岸の港湾問題は解決したものの、競合国との価格競争やドル高の為替状況、マーケット・アクセスなどの課題が残っている。しかし、供給の大幅増加と価格の低下から、年間輸出量は増加すると予測される。

  四半期ごとの米国豚肉生産予測
  豚肉カットアウト価格の週間推移
 

※2015年3月20日 USMEFダン・ハルストロム上席副会長の講演資料抜粋

 
市況ニュース

肥育牛のと畜減少でパッカーはマージン確保に苦慮

 
 

パッカーは第1四半期の利益確保に苦戦している。最大の要因は肥育牛のと畜頭数が歴史的な低水準にあることだ。パッカーは肉牛購入に前年よりも多くの支出が必要になっており、と畜施設の稼働率の低さが収益率にも影響を与えている。

本紙の推定によると、土曜日を含まない週間の去勢牛と未経産牛のと畜能力はおよそ51万2000頭。これに対して稼働率は、1月の平均83.7%から2月21日の週末には80%までに低下した。3月中旬でも81%である。供給可能な肉牛が少ないことと、生産者の出荷保留の動きが強いためだ。

生体牛価格は、年初から10週間の平均で100ポンド当たり161.39ドル。3月第4週もほぼ同水準で推移すると予想されることから、結果的に今年の第1四半期の価格は前年同期を15.50ドル上回るだろう。最近までは、肥育牛の購入コスト増よりもボックスビーフの価格上昇が上回っていたが、ここにきてチョイスとセレクトの混合カットアウト価格と肥育牛価格との価格比率が縮小し、前年よりも低下している。生体牛の10週間平均161.39ドル(前年比10.3%高)に対し、混合のカットアウト価格は10週間平均で246.53ドル(同10.5%高)。

出荷の先延ばしで牛枝肉重量がさらに増加

牛枝肉の重量は季節的に低下する時期を迎えているが、依然として前年を上回ったまま推移している。最新の報告では、3月第1週の去勢牛の枝肉平均重量は876ポンド(前年同週比18ポンド増)、未経産牛は817ポンド(同14ポンド増)、全体平均では819ポンド(同20ポンド増)となっている。

この要因の一つは、と畜頭数が前年よりもかなり減少していることだ。通常、枝肉重量は4月上旬から5月下旬にかけて最も軽くなり、以降徐々に増加するが、今年は3月前半から大幅に増加した。アナリストは「肉牛生産者は出荷を先延ばししてきた。枝肉重量の増加は、今後肥育牛の投げ売りが増加して収益が悪化することを示している」という。

生産者の意図を越えて重量化することによって、肥育牛の販売価格が生産コストを下回る可能性もある。しばらくの間は供給不足とみられているが、近いうちに収支が均衡することになるだろう。

 

※2015年3月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

生産増・輸出停滞で国内供給過剰、全部位値下がり

 
 

生体豚と豚肉の市況は、この1年間でまったく異なる展開となった。2014年は PEDv発生による供給懸念から価格が高騰し、4月初めに過去最高値を記録した後、 7月にはその最高値をさらに更新した。

今年はPEDvの影響は少なく、生体豚も十分に供給されており、と畜頭数の前年比伸び率、平均重量ともに過去最高を記録し、豚肉生産量は記録的に増大する見通し。西海岸の港湾争議やドル高による輸出減少を加味すると、米国内への供給は過剰感が強い。

豚肉生産量に占める輸出比率(チャート参照)は、2014年1月は21%だったが、今年の1月は17%にとどまっている。生産量は前年比で2000万ポンド増加した半面、輸出量は9400万ポンドの減少となっている。この結果、豚肉はすべての部位で価格 が値下がりし、特にベリーは前年の半値以下になっている。

 

※2015年3月26日 URNER BARRY FoodMarket.com

  豚肉生産量に占める輸出比率
  加工原料用豚肉の部位別週間価格の比較(2013-2015)
  生鮮豚肉の部位別週間価格の比較(2013-2015)
 
トピックス

食肉団体や超党派議員団が食生活指針案に反論

 
 

 「2015年アメリカ人のための食生活指針」の記載内容に関して、NAMI(北米食肉協会)は「赤身肉と食肉加工品の摂取を減らせと推奨しているに等しい」と反論。1月初旬から抗議活動を開始し、3月12日には請願書を提出きた。同指針案は、DGAC(食生活指針諮問委員会)からUSDA(農務省)とHHS(保健福祉省)に提出され、5年ごとに改定される栄養ガイドライン。

NCBA(全米肉牛生産者牛肉協会)など、他の業界団体もこの指針案に反論するパブリックコメント提出を呼びかけてきたが、超党派の上院議員30人もUSDAとHHSの長官に書簡を送り、コメント期間を30日間延長して5月8日までとすることを求めている。

NAMIは請願書の中で、「ホットドッグ、ソーセージ、ベーコン、サラミを含むすべての食肉製品は、バランスの良い食事に欠かせないものだ。個人的な選択を大切にし、学者が不健康とみなした食品への税金を拒絶する賢明な人々とともに反対する」とし、消費者が自らの意思で家族の健康や伝統、個人的な予算に応じてベストな選択をする自由を尊重すべきだと主張している。

NAMIのバリー・カーペンターCEOは、「食肉の摂取に制限や課税がされないことを望む請願の内容が、95%のアメリカ人に支持されることを期待する」と表明。超党派の上院議員が提出した書面でも、最も関連の高い栄養学の科学的文献を考慮するよう諮問委員会に求めている。

 

※2015年3月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY ほか

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート