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TRADER'S Be & Po

vol.242 Mar.23.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛の先物価格、下げ基調続く
ポーク関連ニュース 豚の先物が続落、カットアウトはベリー大幅安
トピックス ナチュラル、有機でも栄養価値は通常肥育と同じ
ワールドトレード 1月の食肉輸出、西海岸の港湾問題で大幅減少
消費トレンド 牛肉の小売価格高値更新、消費離れの懸念も
グローバルサプライ カナダの肉牛飼養頭数、引き続き減少
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛の先物価格、下げ基調続く

 
 

生体牛の先物価格は、年初予想より低めで推移している。ファンドマネーの大規模な流出により、先物の取引価格は現金取引価格を大幅に下回っている。現在の先物価格のレベルから推測できるのは、今春から夏にかけての牛肉需要はパッカーが生体牛を100ポンド当り160ドル以上で購入するほどには強くないということだ。

ただアナリストは、「もし牛肉市場が予想より上向けば、2月の先物取引が終了直前に 上昇したように、期近になって契約価格が上昇することもあり得る」という。

1月5日付本紙のアナリストの価格予想は、第1四半期平均が100ポンド当たり163.35ドル、第2四半期162.70ドル、第3四半期159.35ドル、第4四半期161.80ドル。第1四半期の初めの9週間の主要5州の去勢牛平均価格は161.94ドルであり、第1四半期は予想値から2〜3ドルの範囲内となるだろう。

3月第1週の現金価格は、パッカーの赤字解消を受けて強気配でスタート。これが月曜日の先物価格を引き上げたが、火曜日にはその利益が全てロスとなり、水曜日には急反発し、4月契約物は1日の限度である300ポイントアップで終えた。木曜日は153.27ドルと僅かなロスとなり、4日間では157ポイントのアップとなった。

 

※2015年3月9日 CATTLE BUYERS WEEKKLY

 
ポーク関連ニュース

豚の先物が続落、カットアウトはベリー大幅安

 
 

生体豚の先物価格が値下がりを続けている。と畜頭数の増加と一部の部位の価格低迷により、現金取引価格が値下がりしていることに連動したもの。当面、豚肉供給量が予想以上に多く、その消化のために価格は低下する見通し。人口密度の高い北東部の気候悪化も短期的な要因だが、前年の急激な卸売価格の上昇の影響で昨秋には小売価格が記録的な高値となり、この反動で在庫のコストが膨らんでいる。

3月6日の豚肉のカットアウト価格は、100ポンド当たり68.82ドルで前年比39%安。年初に比べると約20%安だった。劇的な値下がりだが、長期的な価格チャートで見れば驚くべきことではない。2012年のカットアウト価格は4月半ばまで下げ続け、2013年は3月末まで底入れしなかった。今年は米ドル高、西海岸の港湾争議などで 輸出が鈍化し、また小売価格も高止まっている(1月の生鮮豚肉の小売価格はポンド当り3.99ドルで前年同月比6%高)。

注視されるのはベリーの価格だ。過剰供給により6日のベリーのカットアウト価格の終値は70.06ドル、前年比56%安となった。ベリーの枝肉に対する重量構成は16%にすぎないが、この値下がりはカットアウト価格全体の3分の1に相当する。消費者物価指標のデータでは、2015年1月のベーコンの小売価格は前年に比べてわずかに値下がりしたにすぎず、2013年と比べると8%も高い。

豚肉の小売価格の高値が続き、これが製品の動きを鈍らせている。外食の売上は堅調に見えるが、ベーコンを大量に使用する大規模チェーンでは、今冬の厳しい気候が売上に大きく影響している。今のところ、米国国内の豚肉需給は供給過剰だ。小売市場の需要が季節的に上向くにはまだ時間がかかり、先物取引価格が底入れするまでは、常にリスクを内包した市況展開が続くだろう。

 

※2015年3月9日 NBP Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  豚肉主要部位のカットアウト価格の前年比較
 
トピックス

ナチュラル、有機でも栄養価値は通常肥育と同じ

 
 

ナチュラルやオーガニックの市場シェアは、過去数十年にわたって拡大している。USDA・ERS(経済調査局)の2014年4月調査によると、オーガニック食品の売上高は食品全体の4%以上を占める。NCBB(全米肉牛生産者牛肉委員会)の調査では、牛肉全体におけるナチュラル・オーガニックビーフのシェアは2014年第4四半期で6.3%、コンベンショナル(通常の牛肉)は93.7%(FreshLook Marketing Group, LLC調べ)。

オーガニック(有機食品)とナチュラル(自然食品)の違いは何か。オーガニック製品は、生産者が家畜の健康と福祉の双方の基準を満たすことを求められ、ワクチン接種が許可されている一方、抗生物質やホルモン剤は許可されておらず、家畜は100%有機栽培飼料のみで屋外飼育されなければならない。加えて製品がUSDAのオーガニック基準を満たしているという証明を認証機関から受ける必要がある。

USDAのナチュラルの定義は、牛肉製品が人口成分を含んでいないことや、着色料が最小限であることに焦点を当てている。ナチュラル・プログラムの多くは、抗生物質・成長促進剤・動物由来製品を使用していないこと、ワクチンの使用制限、第三者機関による現地管理調査などを含むUSDAの規定に則っている。

牛肉の赤身肉3オンスに含まれる栄養成分は、タンパク質が1日当たり必要とされる量の51%、ビタミンB12は同37%、亜鉛は同38%、鉄分は同14%であり、生産システムがコンベンショナルでもオーガニックでも、3オンスに含まれる栄養素は変わらない。通常の牛肉生産では成長促進剤が投与されてきただろうが、多くの調査結果から「投与あり」の去勢牛のエストロゲン様活性は500g当り7ng、「投与なし」は同5ngである。

消費者は自らが消費する牛肉に対して、生産システムが明確であることを好む。しかし、全ての生産システムが安全な選択基準の下で提供されており、生産システムがオーガニック、ナチュラル、コンベンショナルのいずれでも牛肉の栄養素に大きな違いはないと知ることが重要である。消費者には、いずれを選択しても同様の栄養を含んだ安全で健康によい製品が保障されている。

 

※2015年3月9日 CattleNetwork.com

 
ワールドトレード

1月の食肉輸出、西海岸の港湾問題で大幅減少

 
 

USMEFが集計した1月の輸出実績は、牛肉・豚肉ともに前年を大きく下回った。西海岸の港湾争議により輸送が停滞し、牛肉と豚肉の輸出量は4年ぶりに低い水準となった。ただし、USMEFのフィリップ・セング会長兼CEOは、「米国産の牛肉と豚肉の直面している状況は全く異なる。豚肉は世界的に供給量が増加し、主要な豚肉輸出市場での競争が激化しているのに対し、今年の牛肉供給量は国際的に見ても極端にタイトな状況にある」と指摘する。

西海岸港湾の状況は改善しつつあるが、ダメージはまだ収束していない。1月の不振は、港湾問題以外にも為替や貿易協定などの要因がある。米ドルに対して競合国や輸入国の通貨が弱く、米国産食肉の価格競争力が弱まっている影響もある。

1月には日豪EPAによる牛肉関税の引き下げが始まり、さらに日本はEUとの第9回経済協力会合を終えた。合意には達していないが、いずれEU産豚肉の関税が引き下げられる見込みだ。豪州、カナダと新しい通商協定を結んだ韓国では、米国が保持している関税率の優位性が縮小した。

1月の牛肉輸出量は7万9899トン、前年同月比18%減。輸出額は5億3570万ドル、同2%減。主要輸出先であるメキシコは港湾争議の影響を受けず、正肉がわずかに減少したもののバラエティーミートが増加し、正肉の減少を相殺した。牛肉の輸出価値は、と畜頭数の減少と米ドル高を受けて、1頭当たり換算で271ドル、前年に比べて20.26ドルも上昇した。

豚肉輸出量は16万1165トン、同16%減。輸出額は4億5530万ドル、同15%減。うち、正肉の輸出量は11万9455トン、同20%減。輸出額は同18%減の3億7450万ドル。主要輸出先であるメキシコは、量的には前年をわずかに下回ったが、金額ベースでは堅調に伸びた。韓国向けは輸出量1万5262トン、同4%増、輸出額5140万ドル、同54%増と大幅に増加した。しかし、他の主要な輸出先は軒並み減少し、特に港湾危機の影響は日本向けチルドポークの輸出(1万4465トン、同22%減)に如実に表れた。

EUの豚肉産業がロシアへのアクセスを失って以降、日本を始めアジアの主要市場に価格の低いEU産豚肉が大量に流入している。11年間にわたる米ドルに対するユーロ安と西海岸の港湾問題が相まって、1月の豚肉輸出は嵐のような状況だった。EUは当面、ロシアへの輸出を再開できそうにないため、アジア市場ではEUの豚肉供給国との競争激化が続くだろう。

EUはロシアとの通商再開の難航による価格低下を阻止するため、豚肉産業に対する補助政策を打ち出した。ロシアの禁輸はカナダの豚肉輸出にも影響を及ぼしており、3番目の市場を失ったカナダは米国とメキシコへの輸出を増やしている。

 

※2015年3月11日 Meating Place.com

 
消費トレンド

牛肉の小売価格高値更新、消費離れの懸念も

 
 

牛肉小売価格は、3月に新たな指標となる最高値を記録しそうだ。USDA(米国農務省)調査では、今年1月に全生鮮牛肉の平均価格が初めてポンド当たり6ドルに達した。これは前年同月比19%高、およそ0.95ドルの上昇。こうした値上がりが牛肉産業にとって歓迎すべきことかどうかは意見が分かれる。消費者が食品としての牛肉を高く評価しているからこそ、この価格に達したということもできるが、一方で牛肉販売は価格が低下した豚肉と鶏肉に押されて鈍化し、これがパッカーの肥育牛のと畜頭数を激減させる引き金となった。年初から現在までの肥育牛のと畜頭数は前年を少なくとも7%下回っており、フィードロットには出荷待ちの肥育牛が増加。アナリストは「出荷準備を過ぎた肥育牛の増加は、4〜5月の現金取引価格のさらなる値下がりにつながる」と警告する。

1月のチョイス牛肉の小売価格は6.33ドル、前年同月比18.3%高(0.98ドル高)と最高値を付けた。1月の豚肉小売価格は平均で3.99ドル、同6.1%高(0.23ドル高)だが、チョイス牛肉より2.01ドル安い。鶏肉は1.987ドルでチョイス牛肉とは3倍の値差がある。

牛肉の小売価格は豚肉、鶏肉との価格競合の中で高値を保ってきたが、アナリストは「牛肉小売価格は今がピークだろう。牛肉、豚肉の小売販売が予想よりも不振なのは価格のせいだけではなく、冬の厳しい気候がレストランの売上を減少させた。また、消費者はいまだに年末年始の休暇の支出を清算中で、税金の準備(連邦個人所得税の確定申告期限4月15日)に備えている。さらに、1月の暖房費は前年より7%高く、ガソリン価格の低下を上回るコスト負担になった」という。

 
グローバルサプライ

カナダの肉牛飼養頭数、引き続き減少

 
 

2015年のカナダの肉牛飼養頭数は、前年の繁殖用雌牛の淘汰と未経産牛の保有不足で引き続き減少する見通し。と畜頭数が減少する一方で、枝肉重量が増加し、これが牛肉生産量の減少の一部を相殺している。アルバータ州における最近のBSE発生やロシアの輸入規制は、牛肉輸出に大きな影響はもたらしていない。

USDA・FAS(海外農業サービス局)の報告におけるカナダの牛肉産業のキーポイントをみると、飼養頭数の減少は予測された縮小よりも大きかった。2014年の雌牛のと畜頭数は9%減少したが、一方で未経産牛のと畜頭数が9%増加。2015年1月1日時点の総飼養頭数はUSDAの当初予想1195万頭に対し、1191万5000頭、前年比2.5%減となった。

カナダの総飼養頭数は、2013年1230万5000頭、2014年1222万頭と減少が続いている。この減少がいつ安定化して牛群の再構築が始まるかについては、オンタリオ州のアナリストは「カナダの生産者が繁殖用雌牛の拡大に気乗りしない最大の要因は、収益性が改善していないこと。生産者は過去数年の収益性から用心深くなっており、未経産牛を繁殖用に保留するよりも販売することで利益を得ようとした」という。

また、「Canadian Cattlemen」の編集者は「カナダの牧場主の将来への自信は、原産国表示とBSEによって揺らぎ始めた」とし、「過去10年間で多くの生産者が良好な取引ができなくなり、それを挽回するためにもう1サイクルを費やすよりも、販売して現金化することを決断した。高齢化の中で集約化が進み、一部では牛群が巨大になったものの、全体の頭数は減少した」という。

FASの分析では、カナダの生体牛価格が2014年を通じて上昇し続けたことも、多く の生産者が保有牛を現金化することを促した。2014年後半と2015年の予測から判断して、カナダの相対的なフィードコストは米国に比べて不利な立場にある。

FASはカナダの2015年の生体牛輸出について、USDA予想の105万頭よりも5万頭多くなると予測。その要因として生体牛の価格と為替レート(米ドルに対するカナダドル安)を上げている。また2015年の全体のと畜頭数は供給不足を反映して、USDA予想の300万頭を5万頭下回ると予想。牛肉生産量は枝肉重量の増加から、USDA予想を5000トン上回り、輸出量もUSDA予想よりも1万トン多く予想している。

 

※2015年3月9日 CATTLE BUYERS WEEKKLY

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート