USDAの最新予測では、2015年の牛肉生産量は当初の6%近い減少予測から1.8%減にとどまる見込み。1月30日に発表された牛飼養動向報告では、予想されていた牛群の拡大が現実となり、今後の牛肉供給に明るさが見え出した。総飼養頭数は8990頭で、前年比1%増。雌牛の頭数は2%増、未経産牛は4%増加した。
フィードロットの飼養頭数も1310万頭と1%増加。今年中にフィードロットへの導入が可能な肉牛の頭数も2520万頭で1%増加している。フィードロット内外の牛群の拡大は、今年の牛肉供給が堅調であると同時に、2017年には牛肉生産量が増加に転じることを示唆している。
主要カットの価格をみると、ラウンド(ポンド当り2.30ドル、前年比1%安)、チャック(同2.16ドル、5%安)に前年を下回っているが、ブリスケ(同2.23ドル、39%高)とショートプレート(同1.80ドル、23%高)は引き続き強い。リブ(同3.28ドル、11%高)はホリデーシーズンが終わって以降、引き合いが鈍化し、リブアイは12月より2.20ドル安くなった。テンダーロイン(同9.66ドル、1%安)、ロイン(同3.08ドル、15%高)は価格を保っているが、ストリップ(同5.80ドル、14%高)は1月初めより50セント値下がり。
トップバット(同3.90ドル、28%高)、トライチップ(同5.23ドル、20%高)、ボールチップ(同3.47ドル、23%高)、フランクステーキ(同5.49ドル、32%高)、トップブレード(3.25ドル、±0)など「バリュー・ステーキ商材」の価格は堅調。
一方で輸出量の多いアイテムは値を下げている。チャックロール(同3ドル、10%安)、ショルダークロッド(同2.66ドル、3%安)、チャックショートリブ(3.13ドル、9%安)。ショートリブは12月より40セント値下がりし5.39ドル(前年比8%高)。
最近の格付割合はプライム5.15%、チョイス68.7%、セレクト20.9%。前年に比べチョイスとプライムの割合が高い。生体牛の先物価格は1月に急落し、昨年11月下旬のピーク時から100ポンド当たりで約20ドル安となった。先物の契約価格は2月154.85ドル(5ドル安)、4月152.27ドル(7ドル安)、6月144.63ドル(8ドル安)、8月144ドルと夏場に向けて低下しているが、多くのアナリストは「これは予想内の範囲。供給が増大する豚肉と家きん肉に対して、牛肉がどう立ち向かうかが試される」とし、また、最大の輸出市場であるアジア向け輸出の拠点である西海岸の港湾の労使交渉が難航し、輸出が停滞していることが大きな問題になっている。
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