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TRADER'S Be & Po

vol.240 Feb.16.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 牛飼養頭数が8年ぶりに増加、1%増の8980万頭
マーケット展望 2015年の牛肉生産量1.8%減、2017年に拡大へ
2015年の豚肉生産量予測4.6%増、価格は低下へ
市況ニュース 牛肉のカットアウト価格が急落、と畜頭数の増加で
業界ニュース 港湾の混乱による輸出停滞、牛肉の需要と価格に悪影響
消費トレンド 牛肉価格の高騰でハンバーガー需要が拡大
フードサービス ソーセージ、ベーコン、ハムが選べるサンドイッチ ― Carl's Jr
産業関連ニュース 原油価格の下落、長期化なら食肉産業に恩恵
USMEFインフォメーション メンバーパッカー4社と共に
FOODEX JAPAN(3月3〜6日)に出展
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格量
ファクト・シート ビーフ(2014年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

牛飼養頭数が8年ぶりに増加、1%増の8980万頭

 
 

USDA(米国農務省)が発表した2015年1月1日現在の牛総飼養頭数は8980万頭で前年(8850万頭)を1.4%上回った。2008年以降、全米の牛飼養頭数は7年連続で減少し、2014年1月には1951年以来の低水準を記録。今年、8年ぶりに増加に転じたことでキャトルサイクルが底を打ち、牛群は拡張軌道に入ったものとみられる。

雌牛の総飼養頭数は3900万頭(前年比2%増)で、内訳は肉用牛雌2970万頭(同2%増)、乳用牛雌930万頭(同1%増)。肉用牛雌の増加は、繁殖基盤の再構築が進みつつあることを示唆する。500ポンド以上の未経産牛は1920万頭(同1%増)。肥育中の未経産牛は580万頭(4%増)。フィードロットで肥育中の肉牛は1310万頭(1%増)。フィードロット外で飼養されている500ポンド以上の去勢牛と未経産牛および500ポンド以下の子牛の総数は2520万頭(同1%増)=別項参照。

 
  牛飼養頭数の推移(1月1日現在)
 
  雌牛の飼養頭数の推移(1月1日現在)
 
マーケット展望

2015年の牛肉生産量1.8%減、2017年に拡大へ

 
 

USDAの最新予測では、2015年の牛肉生産量は当初の6%近い減少予測から1.8%減にとどまる見込み。1月30日に発表された牛飼養動向報告では、予想されていた牛群の拡大が現実となり、今後の牛肉供給に明るさが見え出した。総飼養頭数は8990頭で、前年比1%増。雌牛の頭数は2%増、未経産牛は4%増加した。

フィードロットの飼養頭数も1310万頭と1%増加。今年中にフィードロットへの導入が可能な肉牛の頭数も2520万頭で1%増加している。フィードロット内外の牛群の拡大は、今年の牛肉供給が堅調であると同時に、2017年には牛肉生産量が増加に転じることを示唆している。

主要カットの価格をみると、ラウンド(ポンド当り2.30ドル、前年比1%安)、チャック(同2.16ドル、5%安)に前年を下回っているが、ブリスケ(同2.23ドル、39%高)とショートプレート(同1.80ドル、23%高)は引き続き強い。リブ(同3.28ドル、11%高)はホリデーシーズンが終わって以降、引き合いが鈍化し、リブアイは12月より2.20ドル安くなった。テンダーロイン(同9.66ドル、1%安)、ロイン(同3.08ドル、15%高)は価格を保っているが、ストリップ(同5.80ドル、14%高)は1月初めより50セント値下がり。

トップバット(同3.90ドル、28%高)、トライチップ(同5.23ドル、20%高)、ボールチップ(同3.47ドル、23%高)、フランクステーキ(同5.49ドル、32%高)、トップブレード(3.25ドル、±0)など「バリュー・ステーキ商材」の価格は堅調。

一方で輸出量の多いアイテムは値を下げている。チャックロール(同3ドル、10%安)、ショルダークロッド(同2.66ドル、3%安)、チャックショートリブ(3.13ドル、9%安)。ショートリブは12月より40セント値下がりし5.39ドル(前年比8%高)。

最近の格付割合はプライム5.15%、チョイス68.7%、セレクト20.9%。前年に比べチョイスとプライムの割合が高い。生体牛の先物価格は1月に急落し、昨年11月下旬のピーク時から100ポンド当たりで約20ドル安となった。先物の契約価格は2月154.85ドル(5ドル安)、4月152.27ドル(7ドル安)、6月144.63ドル(8ドル安)、8月144ドルと夏場に向けて低下しているが、多くのアナリストは「これは予想内の範囲。供給が増大する豚肉と家きん肉に対して、牛肉がどう立ち向かうかが試される」とし、また、最大の輸出市場であるアジア向け輸出の拠点である西海岸の港湾の労使交渉が難航し、輸出が停滞していることが大きな問題になっている。

 
  ビーフ(チョイス)・カットアウト週刊平均価格の推移
 

※USMEFアナリストの1月度報告より

 
 

2015年の豚肉生産量予測4.6%増、価格は低下へ

 
 

豚肉のカットアウト価格は1月前半に一時的に反発したが、最終週には前年同期比11%安、ポンド当りでは0.81ドル安となった。2014年の豚肉生産量は、と畜頭数の減少(5%減)を生体重量の増加で相殺し、前年比1%減とわずかな減少にとどまったが、USDAの最新予測によると、2015年の生産量は前年比4.6%増で、伸び率としては過去最高を記録する見込み。

12月の飼養動向報告では繁殖母豚群が拡大し、分娩頭数も増加。また今冬はPEDvの影響が少ないことが明らかになった。このため、潤沢な供給と輸出需要への懸念が、生体豚と豚肉価格の値下げ圧力となっている。部位別価格はリブ(ポンド当り1.49ドル、前年比3%高)を除き、カタ(同90ドル、8%安)、ウデ(同0.52ドル、19%安)、ロイン(同0.89ドル、9%安)、モモ(同0.67ドル、13%安)、バラ(同1.05ドル、14%安)はいずれも前年を下回っている。今後、小売での豚肉販売が増える可能性があるが、価格は記録的な高値を付けた昨年のレベルを大きく下回って推移しそうだ。

 
  ポーク・カットアウト週間平均価格の推移
 
 

生体豚の先物価格は11月中旬以降、100ポンド当たりで約25ドル下落した。2月の契約価格は67.47ドル(前年比15ドル安)、4月は72.25ドル(同11ドル安)、5月は80.45ドル(同7ドル安)、6月84ドル(同6ドル安)で、7月は84.30ドルとなっている。

現在の現金取引価格は約65ドル。2015年の先物価格は2010年と2012年の価格帯にある。とうもろこしの先物価格は12月下旬にピークを迎え、その後はブッシェル当りで約40セント低下し、3月先物は3.70ドル、5月3.78ドル、7月3.86ドルと総じて弱気になっている。昨秋の記録的な収穫量により、とうもろこし価格は前年を下回ると予想されていたが、先物価格は12月に輸出の前倒し需要がけん引にして価格を維持した。家畜の価格は値下がりしているが、養豚業者と肉牛生産者は飼料価格の安値から利益を得られるだろう。

 
  豚枝肉価格の推移と先物価格
 

※USMEFアナリストの1月度報告より

 
市況ニュース

牛肉のカットアウト価格が急落、と畜頭数の増加で

 
 

1月第3週に肥育牛(去勢、未経産牛)のと畜頭数が大幅に増加し、結果的にその処分からカットアウト価格は急落した。土曜日のと畜が3万頭に達しており、1月第4週のと畜頭数も減少していないため、カットアウト価格は更なる値下がりが懸念される。

アナリストは、急落した水準でひとたび定着すると、肥育牛のと畜が1月前半のレベルまで低下しない限り、価格が持ち直すのは難しいと予測する。「2月第2週に多少は回復しても再び下落する可能があり、4月中旬まではこうした上下動を繰り返すだろう」という。

1月の第1週、第2週の肥育牛のと畜頭数は42万3000頭、42万6000頭と少なく、チョイスのカットアウトは1月14日に263.81ドルと高値を更新した。しかし、第3週には約45万6000頭、第4週は推定で約56万3000頭に増加し、カットアウト価格は最高値から一気に19.22ドルも急落し、前週の木曜日には244.59ドルとなった。これは、12月26日以来の低い価格で、セレクトも238.34ドルと15.34ドル値下がりした。

カットアウト価格の暴落でパッカーのマージンは急速に悪化した。アナリストによると、1月第2週のパッカーマージンは1頭当り9.62ドルで、2014年9月14日以降で最も良かった。しかし第4週の木曜日には24.55ドルの損失になったという。さらに、パッカーは第4週に生体牛を安値で購入することができなかったため、先行きのマージンはさらに悪化する見込みだ。

1月第3週の主要5州の去勢牛価格は100ポンド当たり159.44ドル(前週比3.73ドル安)、枝肉の平均価格は254.68ドル(同8.48ドル安)だったが、第4週は木曜午後からの取引でネブラスカ、カンザス、テキサス州で去勢牛が159ドル、枝肉は北部で250ドルとわずかな低下にとどまった。

現金取引価格と先物の価格差が歴史的な広がりをみせているが、肥育業者は肉牛の販売を焦ってはいない。その要因の一つは枝肉重量が2カ月前の予想よりも軽いことだ。厳しい天候により、1月10日までの枝肉重量は去勢牛平均が889ポンド。前年よりは18ポンド重いが、前週比では7ポンドの減少。未経産牛は815ポンドで、前週比4ポンド減。生産者は利益確保のために出荷を遅らせ、重量を増やす方向に動く可能性があり、当面、肥育牛の供給は不足気味と予想される。

 

※2015年2月2日 CATTLE BUYER'S WEEKLY

 
業界ニュース

港湾の混乱による輸出停滞、牛肉の需要と価格に悪影響

 
 

昨年の9月以降、国内産牛肉の需要が芳しくない中で、西海岸の港湾の労使対立がさらに値下げ圧力となりつつある。大量の輸出用牛肉が留まっており、とくに貯蔵寿命の短いチルドビーフは危機的な状態になりつつある。

事態解決に向けて連邦の調停を介した交渉が始まったが、仮に交渉が妥結しても輸出が通常ペースに戻るまでには少なくとも2カ月はかかる。港湾は陸揚げ待ちコンテナ船と荷積み待ちのコンテナで混乱しており、主要なビーフパッカーや輸出業者は2〜3月の生産を削減することで対処。アナリストは「昨年2月の総と畜頭数は週当たり平均で55万2573頭だが、今年2月はそれより低いレベルになる。国内の消費者需要が最大の懸念事項だが、加えて輸出販売の損失がある。全体の需要が改善しなければ肉牛価格は維持できなくなる」という。

ただ、USDAの最新のフィードロットの肥育報告では、春の後半から夏季にかけての出荷は増加する見通しで、これが季節的な牛肉需要の改善にプラスになるとの見方もある。1月1日時点のフィードロットの肥育頭数は1069万頭(前年比0.9%増)で10万頭多い。12月の導入頭数154万4000頭(同8.0%減)に対し、出荷頭数は165万5000頭(同4.7%減)だが、と畜稼働日が1日多いことを調整すると、実質は9%減。テキサス250万頭、ネブラスカ249万頭、カンザス205万頭はじめアイダホ、アイオワ、ミネソタ、ワシントンで肥育頭数が前年を上回っている。

 

※2015年2月2日 CATTLE BUYER'S WEEKLY

 
消費トレンド

牛肉価格の高騰でハンバーガー需要が拡大

 
 

アメリカの消費者は、ハンバーガーをより多く食べるようになってきている。牛肉の小売価格が記録的な高値を付けていることが要因の一つ。生鮮の牛ひき肉の購入が増加しており、国内産の牛ひき材価格は4週間連続して上昇している。これはCOOL(原産地表示)と、経産牛のと畜頭数の減少によるものである。COOL施行に際して、多くの小売業者は国内産の牛ひき材を重視するようになった一方で、供給がタイトになり、結果的に価格が上昇している。

90CL(機械測定赤身率90%以上の牛ひき材)は、昨年9月第1週に初めて100ポンド当たり300ドルを記録。その後は294〜296ドルで値動きしていたが、1月第1週に300.23ドルへ上昇。2週は301.84ドル、3週は302.68ドル、第4週は5日間の平均で303.75ドルとなった。ただ、奇妙なことに50CL(主に去勢牛と未経産牛の脂肪トリミング)はこの2週間で143.12ドルから105.35ドルへと急落した。

調査会社のNPDグループによると、外食産業では2014年に90億個のハンバーガーが販売された。これは前年比3%増で、外食向けの牛ひき材の出荷量は2%増加。ハンバーガーの増加に伴い、サンドイッチは2億100万食、原料の供給量は2%減少したと推定されている。特にグリルドチキンサンドイッチの供給は9%減少した。

ハンバーガーの供給は、特にカジュアルダイニングレストランで4%増と顕著に増加した。牛肉価格の上昇により、牛肉のメイン料理の値上げを緩和するために、ハンバーガー・メニューが追加されたことが要因で、カジュアルレストランへの牛肉供給は8%、5500万食分も減少している。

 

※2015年2月2日 CATTLE BUYER'S WEEKLY

 
フードサービス

ソーセージ、ベーコン、ハムが選べるサンドイッチ―Carl's Jr

 
 

全米第5位のハンバーガーチェーン「Carl's Jr. and Hardee's」(カールス ジュニア&ハーディーズ)は、グリルドチーズ・ブレックファーストサンドイッチを全店で発売すると発表した。このサンドイッチの特長は、挟む具材としてソーセージかベーコンまたはスライスハムを好みで選択できること。これにホールドエッグ、とろけるチーズをトッピングし、グリルしたサワーブレッドで挟さむもの。標準価格は単品が2.99ドル、ハッシュドラウンドと飲み物のコンボで4.69ドル。

 

※2015年2月3日 Meatingplace.com

 

なお、日経新聞によるとCarl's Jrは2015年に日本で店舗展開を開始する予定。

 
産業関連ニュース

原油価格の下落、長期化なら食肉産業に恩恵

 
 

原油価格が1バーレル当たり45ドルと、前年の半値まで値下がりしている。これにより、ガソリンの平均小売価格は1ガロン当たり2.04ドルと前年の3.30ドルから大幅に値下がりし、ディーゼルの小売価格も全米平均で2.87ドルと前年の3.90ドルから大幅に値下がりしている。

食肉産業のエネルギー使用はサプライチェーンの各段階、(生産、加工、包装、輸送、卸売、物流、小売、外食産業)に及び、最終的には家庭での消費にも影響するが、ある調査によると、最も使用割合が多いのは生産部門である。ディーゼル価格の大幅な値下がりの影響は、家畜の生産と輸送コストを直接的に下げ、また間接的には飼料の生産コストも低下させ、家畜の生産コストの削減に寄与する。

ただ、家畜のサプライチェーン全体での生産コストは、家畜や食肉価格にはすぐには反映されない。家畜の価格は生産コストの変化ではなく、需給関係で決まるためだが、ディーゼル価格の低下と天然ガスのコストは家畜と食肉の加工処理、物流など運営コストの削減に繋がる。

消費者にとってはガソリンへの支出が減るため、他の消費に回せる金額が増える。最も可能性の高いシナリオは外食や自宅での食事への支出が増えることだ。石油価格の下落はサプライチェーンの利益確保に寄与するが、そのメリットを定量化するのは難しい。効果は短期的ではなく、長期的に表れるため、現在の価格がいつまで続くかによっても変わってくる。仮に、2015年の半ばまで現在の状況が続くならば、結果的にかなり高い確率で食肉産業に恩恵を与えだろう。

 

※2015年2月3日 Cattle network.com

 
USMEFインフォメーション

メンバーパッカー4社と共に
FOODEX JAPAN(3月3〜6日)に出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は3月3日(火)〜6日(金)の4日間、千葉県美浜区の幕張メッセで開催されるアジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN 2015」のUSAパビリオン内にメンバーパッカー4社とともに出展し、アメリカン・ビーフ、ポークならではの特長を活かしたメニュー提案やプロモーション展開などをご紹介いたします。

会期中はUSMEFが推奨する部位の展示と、調理実演を交えた特設ラウンジでの提案メニューの試食など、アメリカン・ビーフ、ポークの美味しさを実際に体験していただく機会をご提供いたします。USAパビリオン(ホール3、小間番号 3C-04)内に18小間規模でUSMEFブースを展開しますので、皆様のご来場をお持ちしております。なお、出展パッカーは次の4社です。
Agri Beef Co.
SIG International,Inc
Macsei Industries Corporation
Daniel Inc

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート