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TRADER'S Be & Po

vol.238 Jan.19.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 2015年の生体牛価格の行方は需要次第、前半は高値続く
ポーク関連ニュース 2015年の豚肉市場、今春の供給は潤沢、2016年さらに拡大
トピックス 2014年の肉牛肥育業者トップ30、上位企業は変わらず
ワールドトレード 米国がEUからの牛肉輸入を近く再開、最初はアイルランド
消費トレンド 12月はステーキ用の購入意向が増大―消費者調査
生産トレンド 未経産牛の出荷継続、牛群再構築への影響も
業界ニュース カビネスビーフとシンプロットが1億ドルでアイダホに新工場
USMEFインフォメーション 「バレンタイン アメリカン・ビーフシチューキャンペーン」
焼肉ビジネスフェア(1月21−22日)に出展
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2014年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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年頭のごあいさつ
2015年「新たな挑戦の年に向けて」

米国食肉業界を代表し、日本のビジネス・パートナーの皆様の旧年中のご愛顧・ご指導を深く感謝申し上げます。

2014年は米国畜産業界にとっても、日本のお客様にとっても、価格高騰、ブランド化の高まりなど知恵を絞り取り組まねばならない課題が多い年でした。そのような中、日本において「赤身肉」、「熟成肉」がブームになり、アメリカン・ビーフを取り扱う外食企業様の増加のみならず、売り上げも順調に展開しています。今年はこの流れをとらえ、「アメリカのごちそう」である美味しいアメリカン・ビーフを外食の方々のみならず、小売業の方々にもご提案していきたいと考えております。

アメリカン・ポークについては、皆様のご支援により、輸入量No.1の実績を9年連続に伸ばしております。今年は更なる躍進を目指し、畜産業界の方々、消費者の皆様にとってアメリカン・ポークが、安心・安全で高品質であるという訴求に加え、『親しみ』を持っていただけるようなご提案を行って参ります。

さらに今年はアメリカならではの「バーベキュー」の提案を行いたいと考えております。日本でも最近バーベキューが流行していると聞いております。アメリカン・ビーフ、ポークの食材を使い、食シーンも含めて、本格的な「バーベキュー」提案を行いたいと思います。どうぞご期待下さい。

販売サポートのための全国キャンペーン等の施策を需要期である夏場に予定しております。また、情報提供、商品化セミナー、メニュー提案、テイスティングセッション等も計画しております。

2015年が日本の消費者ならびにビジネス・パートナーの皆様にとりまして、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

本年もおいしいアメリカン・ミートをよろしくお願いいたします。

 

米国食肉輸出連合会(USMEF)

 
市況ニュース

2015年の生体牛価格の行方は需要次第、前半は高値続く

 
 

2015年の生体牛価格の決定要因では、国内外の牛肉需要が重要なカギになる。2014年の牛肉需要は年初から8カ月間は高値続きでも強かったが、後半には小売価格が最高値を更新するにつれて弱まった。2014年下半期の牛肉価格は前年比11.5%高となり、消費者の牛肉買い控え、豚肉や鶏肉への購買シフトが強まった。

牛肉の値上がりは他の食肉よりも大きく、卸売価格でチョイスの牛肉と豚肉の価格差が史上最高を記録し、小売価格でも牛肉と豚肉の価格差が記録的に広がった。この傾向は2015年も継続する。牛肉の生産量の落ち込みが続く中で、豚肉の生産量は当初予測よりもさらに拡大することが見込まれ、双方の価格差がさらに拡大する可能性がある。

ただ一方で、2015年の牛肉生産量が前年より低下することは牛肉価格を支える一因にもなる。2014年の牛肉の推定生産量は243億ポンドで前年比5.3%減。2015年は前年比1%程度の減少となる見込みだ。アナリストの予想値は234億〜241億8700万ポンドとかなり幅があるが、いずれにしても前年を下回るのは確実で、これによって小売価格は前年を上回るだろう。

USDAは2015年の牛肉の消費者価格は前年比4.5〜5.5%の上昇と予測しており、これが牛肉の需要を助けることに繋がる。今年前半の生体牛価格は再び記録的な高値を続け、パッカーは肥育牛の高値購入を余儀なくされ、ボックスビーフの価格も高値を付ける必要がある。年後半には肥育牛の供給が前年を上回る可能性があり、第3四半期の生体価格は前年並み、第4四半期は過去最高(100ポンド当たり167〜170ドル)を記録した前年に比べると値下がりするだろう。

 

※2015年1月5日 Cattle Buyer's weekly

 
ポーク関連ニュース

2015年の豚肉市場、今春の供給は潤沢、2016年さらに拡大

 
 

USDAの最新の豚飼養動向報告によると、生体豚の供給量はPEDvによる影響から完全に立ち直った。さらに、生産者は高い死亡率への備えと安い飼料コストに反応して、繁殖豚の飼養を拡大させている。

繁殖母豚の増加は冬場のPEDvの備えであるにしても、これが長期化し、子豚の分娩頭数が本来の姿に戻り始めると、2015年後半と2016年前半には急激な供給過剰を引き起こす可能性もある。先物市場はすでに供給増を見込んだ価格を付け始めており、今後の動向が注視される。

 
 
12月1日現在の豚の飼養頭数 12月1日現在の繁殖用豚の飼養頭数
 
 

2014年9〜11月の子豚生産頭数は前年比4%増となっており、2015年第2四半期のと畜頭数は前年比で3.5〜4.0%増加する可能性がある。ただ、前年第二四半期は供給頭数が大きく落ち込んでいるため、それと比較しての増加率自体はさほど重要ではないとする見方もあり、この水準の増加はすでに織り込み済みだとアナリストはいう。

しかし、12月1日現在の繁殖豚の飼養頭数は596万9000頭(前年比3.7%増)と当初の予想(3%増)よりも多く、2015年秋冬の市況は弱気展開が予想される。繁殖豚の頭数が次の3カ月間で増加すれば、2016年前半の豚価はさらに下落するだろう。

繁殖母豚数から判断して、子豚生産頭数は少なく見積もっても2014年12月〜2015年2月及び3〜5月は前年比10%増と予測される。これは2013年との比較でも3.5%増の水準。9〜10月に週間と畜数が240万頭を超える週が出てくれば、過去の例から見ても供給過多となり、価格の下落は避けられないだろう。

供給が正常化する中で、これまでのように出荷豚の大型化が続くと、供給過多に陥る。現時点では輸出需要が堅調であり、供給増を吸収することが可能であると見られるが、輸出市場には不安材料(ロシア情勢、EUの経済問題、米ドル高)もある。

米ドルは豚肉輸出先の上位2カ国の通貨(メキシコのペソ、日本の円)に対してかなり高くなっている。ロシアの禁輸措置は貿易市場での競争を激化させる。これらはすべて価格低下の圧力となるだろう。

 

※2014年12月29日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
トピックス

2014年の肉牛肥育業者トップ30、上位企業は変わらず

 
 

キャトル・バイヤーズ・ウィクリー紙はこのほど「肉牛肥育業者トップ30」(2014)を発表した。これは同紙が毎年行っているランキングで、フィードロットの収容能力を基にしている。これによると、30社合計(121フィードロット)の収容能力は587万9000頭で、前回調査に比べて22万6000頭増加した。ただ、今回の調査で6位にランクインしたFoote Cattle社と19位のTejas Feeding Groupは前回の調査で対象から抜けていたもので、これを調整すると、前回よりも20万3000頭の減少となり、肉牛不足を反映している。上位20社のランキングは表の通りで、上位5社の順位と収容能力は前回と同様である。

 
  2014年 肥育業者ランキング上位30社(上位20社まで抜粋)
 
ワールドトレード

米国がEUからの牛肉輸入を近く再開、最初はアイルランド

 
 

USDA・FSIS(米国農務省食品安全検査局)は12月30日、アイルランドからの牛肉輸入を2015年1月に再開することで合意したと発表した。EU関係者は「米国市場へのアクセス改善を求めてきた他のEU加盟国にとっても重要な決定である」と歓迎している。

EUからの羊肉とヤギ肉も近く輸入が解禁される見込みで、これによって米国の輸入条件は国際基準と完全に合致することになる。1990年代のBSE危機以降続いてきた不当な輸入禁止を排除し、通常の取引状態を再構築するための大きな第一歩になると同時に、いまだ制限的な規制処置を維持している幾つかの貿易相手国にも国際基準の採用を強く呼び掛けていくとしている。

米国は1998年1月にBSEの懸念に基づき、EUからの牛肉、羊肉、ヤギ肉(反芻動物)とその加工食品の輸入を停止してきたが、OIE(国際獣疫事務局)のBSEリスク評価ではほとんどのEU加盟国が優れたリスク・ステータスを有しており、EU関係者はアイルランドの解禁後には他のEU加盟諸国でも規制が解除されると期待している。

 

※2015年1月12日 FOODMARKET.COM

 
消費トレンド

12月はステーキ用の購入意向が増大―消費者調査

 
 

オクラホマ州立大学農業経済学部の調査によると、米国の消費者は12月にはステーキ用の肉に出費をいとわない傾向にある。この調査は毎月、約1000人の個人消費者に対してさまざまな食品の購買意向に関するデータを集めているもの。

12月の購買意欲調査では、鶏ムネ肉が2.7%減、ハンバーガーが2.8%減となったのを除き、すべての食品で購買意欲(対価として支払っても良いとする金額)が増加。最も増加したのはステーキ用の肉で11.4%(1ポンド当たり7.80ドルまで)増加した。その他、購買意欲の上昇が大きかったのはポーク・チョップ、デリカテッセン・ハム、チキン・ウイング、豆や米、パスタなど。

一方、USDAの週間販売速報(12月19〜25日)によると、小売店での牛肉の販促回数は1.5%増加し、クリスマス用のビーフ・リブ・ロースト(ローストビーフ用)の販促が増加。ロイン(サーロイン)、リブロース、ラウンドの広告スペースが広がり、ブリスケット、牛ひき肉、チキンなどの広告スペースは縮小した。

 

※2015年1月6日 FOODMARKET.COM

 
生産トレンド

未経産牛の出荷継続、牛群再構築への影響も

 
 

2014年には、繁殖業者の多くが前年より多くの未経産牛を保留し、肉牛の飼養頭数は緩やかな回復軌道に入った模様。ただ、これらの未経産牛が牧場に残るか、フィードロットに出荷されるかは肥育素牛の価格次第だ。

USDAの経済研究サービスのケン・マシューズ氏は「繁殖牛の生産者は、将来の収入のために未経産牛を保留するか、肥育素牛が記録的な高値にあるうちに未経産牛を販売するか、難しい判断を迫られている。子牛生産者の平均年齢(2008年で60歳)と繁殖事業の高コストを勘案すると、今のうちに高収入を得たいとする気持ちは理解できる」と分析する。

こうした心理と牛群再構築のためのジレンマは、今後数年間の牛肉生産に影響を与える。しかし2015年には、繁殖牛の拡大傾向がより鮮明になるだろう。2014年の雌牛のと畜頭数は、1月1日時点の雌牛飼養頭数に対して14%と過去のキャトルサイクルと同様の軌道に入ったことをうかがわせる。

前回キャトルサイクルが上昇局面に転じたのは2004〜2006年で、雌牛のと畜頭数は1月1日の飼養頭数に対して毎年13%以下、2005年は11.7%だった。2014年11月中旬までの未経産牛のと畜割合は35%と、2013年よりも低下している。雌牛の保留・更新が進んでいるかどうか、今後を予想する上でも1月30日に発表されるUSDAの飼養動向報告が注視される。

 

※2015年1月5日 Cattle Buyer's weekly

 
業界ニュース

カビネスビーフとシンプロットが1億ドルでアイダホに新工場

 
 

アマリロのカビネス・ビーフパッカーズ社は、アイダホの大手企業・シンプロット社と提携して、アイダホ州に新しいビーフパッキングプラントの建設を進める。ニュースリリースによると、この対等合弁によるCSビーフパッキング工場には1億ドルが投下され、1日当たり1700頭を処理加工する予定。

シンプロット社のスポークスマンは「まだ計画段階で土地と建設許可の取得を進めているが、工場の敷地面積は30万平方フィートで早ければ今春に着工する予定」だという。 新工場では乳用牛、経産牛、雄牛の処理加工を行い、各種のボックスドビーフを生産する。

新工場はアイダホ、オレゴン、ワシントン、ネバダ、ユタの各州から牛を集荷する。この地域には60万頭の乳用牛と60万頭以上の経産牛がいるため、年間の安定集荷が可能としており、シンプロット社はアイダホ州ボイジに拠点をもち、農場や牧場の経営とともに、肥料から消費者向けの食品まで多彩な製品を世界40カ国に販売している。かつては牛肉工場も操業していたが、数年前に閉鎖している。

スコット・シンプロット会長は「当社の製品は、ミルク、チーズ及びヨーグルトなどの地域の酪農を支えている。ほぼ一世紀にわたって牧場を経営してきたが、地域の酪農と牛肉産業の長期的な成功に寄与する今回の計画の一翼を担うことを誇りに思う。」と述べている。

カビネス社はアマリロをベースとする家族経営のハンバーガーミートの加工業者で、 ヘレフォードに大規模な加工工場を有し、国内外に販売。全米のフードサービス、リテールおよび加工業者を顧客に抱えている。

 

※2015年1月7日 Amarillo Globe-News / FOODMARKET.COM

 
USMEFインフォメーション

「バレンタイン アメリカン・ビーフシチューキャンペーン」

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は2015年アメリカン・ビーフから愛のある新企画として、大切な人へ、愛を贈る2月14日のバレンタインデーに合わせて『バレンタイン アメリカン・ビーフシチューキャンペーン』(〜愛あるアメリカン・ビーフのチャックアイ、リブアイで〜)を展開します。

ビーフシチューは、リクエストレシピでも上位にあがる人気メニューで、アメリカン・ビーフのチャックアイやリブアイで、愛を込めて煮込めば煮込むほどおいしくなるバレンタインにぴったりのメニューです。

今回のキャンペーンでは、料理研究家の行正り香さんの協力によるバレンタインスペシャルレシピを提案。参加店舗のサポートPOSツールとして量販店に店頭商品添付用レシピトレイパックシールを配布するとともに、首都圏の電車内ビジョンでの動画CM放映(東京メトロ/JRなどで1月26〜2月15日)、Webでのニュース情報発信、USMEFサイトにキャンペーン専用ページを掲載して、キャンペーンを盛り上げます。

レシピトレイパックシールは80mm×65mm(納品仕様は15枚×17シート=255枚)で1月27日以降、随時発送します。納品は原則1カ所、在庫がなくなり次第、提供を終了させていただきます。トレイパックシールをご希望の方はUSMEF事務局・菱沼(chishinuma@usmef-ja.org)までお問い合わせ下さい。

 
 

焼肉ビジネスフェア(1月21−22日)に出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は2015年1月21、22日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「焼肉ビジネスフェア2015 in 東京」に出展します。

USMEFブースでは、このほど発刊した「アメリカン・ビーフ&ポーク 焼肉ガイドブック リニューアル版」での提案部位、メニューを展示や試食を通してご紹介いたします。ビーフはボンレス・ショートリブなど従来の人気部位以外に、新規提案部位の展示、試食に力を入れ、ポークではアメリカン・ポークならではのおいしさを味わえる焼肉・BBQ商材を提案します。

展示・試食(メニュー)は以下を予定していますので、同フェアにご来場の際は、是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。

【ビーフ】

ボンレス・ショートリブ(カルビ焼肉)、リフターミート、デジタルフレクサー(モモ焼肉センボン)、クロッドハート、牛タン(牛タン焼肉)、トップブレードマッスル、アウトサイドスカート、プレートフィンガー。

【ポーク】

シングルリブベリー(サムギョプサル)、CCロイン(豚ロース焼肉)、スペアリブ、ジョールミート(トントロ焼肉)、ソーセージ。

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート