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TRADER'S Be & Po

vol.237 Dec.15.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市場展望 2015年の牛肉生産は前半不足、後半は前年上回る
2015年の生体豚市場、強気と弱気が交錯
市況ニュース 牛肉価格は今年最後の山場を迎える
ポーク関連ニュース 新たに母豚健康情報センター、NPPCが資金提供
業界ニュース 豚肉が牛肉のシェアを奪う
食肉在庫 前年比で牛肉14.8%減、豚肉7.1%減
USMEFインフォメーション 焼肉ビジネスフェア(1月21−22日)に出展
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2014年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場展望

2015年の牛肉生産は前半不足、後半は前年上回る

 
 

2015年の第1四半期の牛肉生産量は前年同期を下回り、2014年第4四半期よりも少なくなりそうだ。第2四半期の供給量も減少が予想されるが、第3、第4四半期には前年同期比で増加に転じる可能性がある。このため、生体牛価格は2015年前半については記録的なレベルを維持するが、年後半は軟化することが予想される。

一方で2015年の豚肉と鶏肉の生産量は、第1〜第4四半期を通して前年を上回る見込み。USDA(米国農務省)の予測では、豚肉は5.6%増、鶏肉は3.0%増と予測される。一部のアナリストは「豚肉生産量はUSDAの予測よりも低い3.5%増と予想するが、いずれにしろ、これによって2015年の後半には牛肉価格への値下げ圧力がかかり、結果的に牛肉の消費量も落ち込むことになる」と予想する。

 

※2014年12月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
  2015年の米国の牛肉生産量予測(四半期毎)
 
  2015年の米国の豚肉生産量の予測(四半期毎)
 
 

2015年の生体豚市場、強気と弱気が交錯

 
 

最近の生体豚の先物価格は、豚肉卸売価格の低下と供給増で値下がりしている。豚枝肉の先物価格も、生体豚の現金取引価格の安値と供給緩和から、年初の価格水準を大幅に下回っている。通常はクリスマスに向かって価格が緩やかに上昇するが、これまでのところ先物価格の安値の影響で改善は見られない。

2015年から2016年冬まで豚肉の供給量は増加する公算が大で、価格も安値圏で推移すると予想される。ただし、2015年の春から夏にかけての価格見通しは強気と弱気が入り混じり、今後の推移を注視する必要がある。

【強気要因】

  • 生体牛価格の高値、家禽肉の供給増が予想より少ないことで、小売業者や外食産業は豚肉の販促(ベーコン、プルド・ポーク、ロインなど)を増やす。
  • 豚のと畜頭数は前年比4%減。生体重量の増加(前年比1.5%増)で一部は相殺されるが、豚肉全体の生産量はまだ前年割れ。競合する食肉が高値のため、豚肉の需要が伸びている。生産の増加が限定的であれば価格は強気になる。
  • PEDvへの関心が薄らいでいるが、本格的な冬の到来に伴って、今年もPEDvの発生が増える危険性が残っている。それによって2015年の供給予測が減少する可能性もある。来夏の先物価格はリスク・プレミアムを加味していないが、AASV(全米養豚獣医師協会)の調べでは、毎週、PEDvが確認されている。
  • トウモロコシや他の飼料価格は9月下旬〜10月上旬の最低コストから反発しつつある。トウモロコシは生産農家の保管在庫が増え、価格の柔軟性を伴って供給されるにしても、売り急ぎが起こるほどの状況ではない。
  • EUでは豚肉価格が低迷しているが、中国、南米では価格が上昇している。

【弱気要因】

  • 供給パニックが沈静化し、エンドユーザーは原料調達を急ぐ必要がない。冬場の原料供給も潤沢であり静観ムードが強い。原料在庫を積み増すよりも必要に応じた当用買いが主体になる。
  • 中国の生体豚価格は上昇しているものの、EUやカナダなど主要な豚肉供給国の生体豚価格は下落している。大口バイヤーであったロシアの禁輸はブラジルに恩恵をもたらしたが、世界全体の豚肉価格にはネガティブな影響を与えた。
  • 為替相場におけるドル高は、世界市場における米国産豚肉の競争力を弱める。
  • トウモロコシや他の飼料価格が、2012年〜2013年よりも大幅に低い。収穫が終了したのち、その供給量によって更なる値下がりも予想される。
 

※2014年12月1日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
  豚枝肉のカットアウト価格の推移(工場出荷ベース)
 
市況ニュース

牛肉価格は今年最後の山場を迎える

 
 

感謝祭用のターキー需要がピークを過ぎ、今後は牛肉の卸売価格、特にリブロースとテンダーロインの価格が山場を迎えそうだ。パッカーは、仕入を先延ばししていた牛肉バイヤーから年末用の手当が入り、価格が上昇することを期待している。

牛肉のカットアウト価格は感謝祭の休日(11月27日)の3日前から上昇している。11月最終週の肥育牛のと畜頭数は45万頭と、前週の44万頭から増加したが、アナリストは「現在の牛肉市場は毎週の生産量と需要のバランスで、生産過剰になるのでないかと過敏になっている」という。

パッカーは、休日で稼働日が1日少なかったことで在庫が整理され、価格が上昇することを見込んでいる。ただ、それが生体牛価格をさらに押し上げるかどうかは見方が分かれる。

11月の第3週の生体牛の平均価格は100ポンド当たり171.15ドル、枝肉価格は267.56ドル。これは今年14回目の新記録更新で、1月第1週の平均価格に比べ24.4%も高い。

カンサスでは11月26日の少量取引でパッカーが173ドルで購入したが、一部のアナリストは「年内に最高値を更新して175ドル台を付ける可能性は残っている」という。仮に175ドルを付けると、2014年の年間平均価格が156ドルを超え、2013年の平均価格(125.89ドル)よりも24%も高くなる。

 

※2014年12月1日 CATTLE BUYER'S WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

新たに母豚健康情報センター、NPPCが資金提供

 
 

NPPC(全米豚肉生産者協議会)は11月の定例会議で「National Swine Health Information Center(全米母豚健康情報センター)」への資金提供を承認した。このセンターは米国の養豚に影響を与える疾病に対する予防と対策を集中的に行うもので、ポーク・チェックオフ資金から5年間にわたって1500万ドルが提供される。NPPC、NPB(全米豚肉委員会)、AASV(米国養豚獣医師協会)の代表者らで構成される。

NPBのポール・サンドバーグ副会長は「米国の養豚産業はこの1年半、PEDvの経験から多くを学んだ。次の新たなる疾病に備え、包括的な目標を達成する共同システムを構築したい。獣医師、養豚業者、研究者、疾病診断士や州および連邦の動物防疫官など複合的に知的資源を結集し、母豚の疾病管理を改善、予防するセンターを設立する」としている。

 

※2014年11月28日 FOODMARKET.COM

 
業界ニュース

豚肉が牛肉のシェアを奪う

 
 

消費者の食肉支出で、豚肉が牛肉のシェアを奪っている。11月の小売店の販促では、牛肉よりも豚肉の販促が活発だった。豚肉の卸売価格が牛肉との相対比較で歴史的な安値にあるためだ。

豚肉と牛肉(チョイス)のカットアウトの価格差は、この1週間で155.44ドルまで広がった。これは昨年9月のほぼ2倍である。牛肉と豚肉の値差は116ドル前後でバランスがとれ、価値観が均等になるといわれる。

この指標で判断すると、2012年から2013年のほとんどの期間、牛肉は豚肉よりも割安であった。それが今年1月には均等からやや割高になるまで牛肉の価値が下がった。しかし、現在のカットアウトの値差はすでにそのレベルを超え、来年の1月も極めて広い値差が継続するとみられる。

アナリストは「小売業者はすでに豚肉のロースに照準を合わせている。今週から豚肉の特売が増加し、1月を通して豚肉の販促広告が拡大するだろう。結果として牛肉のシェアは奪われ続けることになる」と指摘する。牛肉のシェアの低下は、牛肉供給が増加に転じるまで回復しないだろう。

当分の間、牛肉はタイトな供給により主要な価格が維持される。ホリデーシーズン用のテンダーロイン、ストリップロイン、リブアイロールの発注は12月の第2週にずれ込む可能があるという。

 

※2014年12月1日 CATTLE BUYER'S WEEKLY

 
食肉在庫

前年比で牛肉14.8%減、豚肉7.1%減

 
 

10月末の牛肉在庫は3億7490万ポンドで前月をやや上回ったが、前年同月比では14.8%減。豚肉の在庫量は前年比7.1%減、前月比3.7%減。牛肉の在庫変動は例年とほぼ同じ傾向だか、豚肉の在庫の減少幅はこの時期にしては大きい。

モモの在庫が前月比16%減と大幅に減少。ベリーも通常なら10月には増え始めるが、前月比17.5%減と大きく減少した。ユーザーは大規模な供給量を見越して豚肉の在庫を消化しているが、豚肉生産はそれほど大量に速くは増産されない。

エンドユーザーがホリデーシーズン以降も豚肉の販促に比重を移すと、少ない在庫で価格が上昇するリスクもある。チキンの在庫は6億5930万ポンドで前年比8.6%減、前月比5.4%増。

 

※2014年12月1日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
USMEFインフォメーション

焼肉ビジネスフェア(1月21−22日)に出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は2015年1月21、22日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「焼肉ビジネスフェア2015 in 東京」に出展します。USMEFブースでは、このほど発刊した「アメリカン・ビーフ&ポーク 焼肉ガイドブック リニューアル版」での提案部位、メニューを展示や試食を通してアピールします。

特にビーフについては従来の人気部位以外に、新規提案部位の展示、試食に力を入れます。バラ系ではリブフィンガーミート、プレートフィンガー、プレートエクステンション、ロイン系ではリフターミート、カタ系ではクロッドハート、モモ系ではデジタルフレクサー、バラエティーミートではムキタンなどを展示し、プルコギや焼き、塩焼きなどで3部位を試食していただく予定です。

ポークではシングルリブベリー、バックリブ、ボストンバット、ジョールミート、ポークタン、加工品(黒豚ソーセージ、フランクフルト)など、アメリカン・ポークならではのおいしさを味わえる焼肉・BBQ商材を豊富に展示し、3部位の試食を計画しています。同フェアにご来場の際は、是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート