10月上旬以降から豚肉のカットアウト価格が大幅に値下がりしてきたが、生体豚の先物価格はこの数日間で500ポイント以上も上げた。生体牛の先物価格が急騰したことも要因の一つたが、カットアウト価格も11月14日に100ポンド当たり95.93ドルと前週より2ドル上昇。冬に向かって豚肉価格が上昇に転じる可能性もある。
カットアウトの上昇はハム、ピクニック、ベリーの価格上昇によるもの。ハムは通常の季節需要により11月中旬から12上旬には上昇することが見込まれており、代替え需要を含めてピクニックもクリスマスに向かって上昇することが予想される。
問題はホリデーシーズン向けの手当が一巡したあとの動きだ。ハムとピクニックの手当はあと3週間ほどで終わる。その後のロインとベリー、トリミングの価格次第でカットアウトの価格も左右される。ただ、季節的に冬場のロインは値動きが小さく、また今年は去年とは違ってロインの供給は潤沢で、小売市場では余り気味だ。と畜頭数は増加し、枝肉重量も重いままで、豚肉の生産量は前年をわずかに下回る水準まで回復している。
ベリー価格は今年前半に高騰したが、高値は長続きしなかった。フードサービスで色々なメニューにベーコンを使うケースが増え、小売でもベーコンの販売が強化されたが、生体豚の先物価格が高騰するにつれ、ベーコンの仕入量を減らす動きが強まったからだ。
ベリーのカットアウトは100ポンド当たり96.65ドルで前年より23.6%安い。しかし、例年のパターンなら第4四半期に底を打ち、春に向かって上昇する。とはいえ、重量構成比16%のベリーだけが上昇しても、カットアウト全体を支える力はない。
やはり、今後の価格予測では輸出需要とPEDvの発生状況がカギとなる。中国向けの輸出が顕著に増加しており、これが維持されるならば2015年前半もカットアウト価格を維持すると予測される。
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