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TRADER'S Be & Po

vol.235 Nov.17.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉の小売価格と販売が生体牛のさらなる高騰を抑制
生体豚は先物、現金とも急落、12月先物は10月比8%安
ワールドトレード 2014年の米国の牛肉輸入19%増、豪州の輸出は17%増
ポーク関連ニュース NPB2020年目標プラン、ピープル、ピッグ、プラネットに焦点
需給トレンド 肥育牛の出荷、2015年第二四半期までは増えない模様
穀物関連ニュース トウモロコシの収穫順調、先物価格も安値に
USMEFインフォメーション 米国のドライエイジングビーフ関連ガイド集を発刊
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2014年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉の小売価格と販売が生体牛のさらなる高騰を抑制

 
 

生体牛の現金取引価格が高騰を続けても、牛肉・豚肉の卸売価格や小売価格の上昇には限界がある。牛肉の小売価格は9月上旬に最高値に達し、それ以降は横ばいで推移しているが、販売額は減少しつつある。

9月の牛肉全体の平均価格は前年同月比で20%高。豚肉価格も今年初めに比べ11.3%高と記録的な高水準を維持している。しかし、豚肉のカットアウト価格は10月中旬から劇的に値下がりした。これに比べて牛肉の卸売価格はまだ過分な高値をつけている。

チョイスのカットアウト価格と豚肉のカットアウト価格の価格差は、8月下旬まで100ポンド当たり120ドルまたはそれ以下だったが、10月の第2週以降の格差は147.41ドルまで拡大している。

豚肉は季節的な供給増が始まる一方で、牛肉は引き続き供給が不足していることから、価格格差はさらに広がりだろう。小売バイヤーは牛肉の仕入れを減らし、安値で安定供給される豚肉の仕入れを増やす公算が大きい。

アナリストは、「小売業者は11月から12月にかけて例年よりも豚肉の販促に力を入れることになり、結果的にそれが生体牛価格の更なる高騰を止める要因になる」と見ている。

 

※2014年11月3日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体豚は先物、現金とも急落、12月先物は10月比8%安に

 
 

生体豚の先物価格は10月下旬に一時的に回復の兆しをみせたが、現金取引価格の急激な下落により、再び下げに転じた。現金取引はアイオワ、ミネソタの枝肉価格が100ポンド当たり86.77ドルと、10月1日との対比で20%、22ドルも値下がりした。10月下旬から11月上旬の現金取引価格が12月の先物価格を下回るのは珍しいことではないが、12月先物の契約価格の下げがあまりに大きかったことで、先物取引関係者に動揺が広がったと見られる。

豚のと畜頭数は前年を下回っているが、枝肉重量は引き続き記録的な水準にあり、豚肉の供給量は前年並みに近い。夏場のように出荷を控える余裕はなく、生体豚の供給は増加し続ける時期を迎えている。10月最終週の1日当りのと畜頭数は42万8000頭に達したが、問題は依然として金曜日と土曜日のと畜頭数が少なく、枝肉重量も大きいままであることだ。

出荷重量と枝肉重量から試算すると、直近5日間の出荷豚の平均枝肉重量は215.1ポンド(97.5kg)で前年同期を2.5%上回っており、USDAが次回公表する枝肉重量の数値を注視する必要がある。

豚肉の価格が低下したことで、小売販売や外食産業での活用が増加すると考えがちだが、今回の下落が小売価格に反映されるまでには時間がかかる。ハムなどの加工肉では、加工業者は原材料を2〜3カ月前から手当しており、まだコストの高い在庫がある。これが消化されるまで末端価格は下がらない。

現金取引の急落につられて、2015年の春夏の先物も安値で大量に売られた。来春の需給状況の予測よりも、今は目先の状況に対する反応が強い。2015年の春・夏には、季節的なプレミアムが例年より小幅になるだろう。

 

※2014年11月3日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
  豚ロインのカットアウト価格の推移(工場出荷時)
 
ワールドトレード

2014年の米国の牛肉輸入19%増、豪州の輸出は17%増

 
 

USDAの最新予測では、2014年の米国の牛肉輸入量は26億8400万ポンドで前年を19%上回る見通し。2015年も輸入品への需要は強く、輸入量は27億ポンドとわずかながら増加すると予想される。米国への牛肉輸出国の多くで生産が低下傾向にあるが、米国の牛肉価格の高値に加えて、米ドル高が輸入増加の要因となるだろう。

2014年1〜8月の輸入量は18億7300万ポンドで、前年比19%増。豪州からの輸入がほぼ50%を占め、全体の伸びをけん引している。米国内での生産が少ないことから、ニュージーランド、カナダ、メキシコからの輸入も増加している。1月から9月27日までに連邦政府の検査を受けた経産牛と雄牛のと畜頭数は、前年同期比で13%も減少している。対照的に、豪州の牛肉生産は干ばつの影響で1〜8月で10%増加。このほとんどが米国に輸出され、豪州の輸出量は17%増となっている。もともと米国への輸出が多いカナダでも、米国の高値と為替レートの有利さから対米輸出が増加している。

 

※2014年11月3日 CATTL BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

NPB2020年目標プラン、ピープル、ピッグ、プラネットに焦点

 
 

NPB(全米豚肉委員会)は1年以上に及ぶ論議を経て策定した新しい戦略的計画の詳細完成を急いでいる。このプランは2015年1月から2020年までの組織活動の目標と方向を定めたもので、米国の豚肉生産者が現在、そして将来に直面すると予測される世界的な変動とその対応策として、豚肉生産者とサプライチェーン関係者が協力して、ピープル、ピッグス、プラネットに焦点を当てた活動を展開することにより、米国産豚肉を全世界規模の動物性タンパク源に押し上げることを目標に掲げている。

このプラン策定のタスクフォースは豚肉生産者のほか食肉加工業者、外食、小売業、消費者などで構成され、多くの経済予測や調査研究の分析などを踏まえた数回の会合を経て立案された。ポークチェック・オフの代表理事デール・ノートン氏は「米国の豚肉生産者の将来に対する展望を明確にしたプランだ。透明性があり、顧客中心であり、結果に焦点を当てた目標を言葉で定義し、その達成のためにサプライチェーンと協調していく事項を定めた」という。

計画では以下の 3つの大きな目標と、測定可能な17項目の目標値を定めている。

◇消費者の信頼構築=フード チェーン ・ パートナーと同作業、近代的な豚肉生産、農場の倫理的な経営管理の促進、消費者や主要関係者との継続的な改善の進捗を共有することによって消費者からの信頼を強化する。

◇持続可能な生産体制=NPBは生産者、地域社会と消費者に利益を提供するため、豚の生産性と豚肉生産の持続性強化を目的とした調査研究と生産者への教育プログラムに投資する。

◇消費者需要の成長=フードチェーンのパートナーとの共同作業で豚肉の栄養改善、品質の維持向上、持続可能な生産に焦点を当てた活動を通じて国内外の消費者需要の成長を図る。

NPBは今後5年間、消費者、小売・外食、グローバルサプライチェーンと持続可能な生産に関する委員会を開き、継続的な改善に向けて情報を共有する。また同プンでは米国で生産される豚肉の28%は輸出市場に販売されており、海外市場はさらに重要性を増すとして、開発途上国での需要増への対応を含めて米国産豚肉を全世界の人々のタンパク源に成長させるとしている。

 

※2014年11月4日 NPB News / FOODMARKET.COM

 
需給トレンド

肥育牛の出荷、2015年第二四半期までは増えない模様

 
 

肥育牛の供給は来年2月までタイトな状態が続く。今年3月から8月までのフィードロットへの素牛導入頭数が前年同月を下回って推移し、9月の導入数も前年同月比では1%、1万9000頭増加したが、3〜9月計では導入頭数が前年より55万6000頭も少ない。

1000頭以上の収容能力を持つフィードロットから、同じ7ヵ月間に出荷された頭数は前年同期を60万頭以上も下回っている。10月1日のフィードロット飼養頭数は1005万8000頭で前年同月比99.5%、3月1日時点より73万2000頭も下回っている。

7〜8月計の出荷頭数は前年比37万4000頭も減少。9月はと畜稼働日が1日多かったこともあり9000頭の減少にとどまった。枝肉重量が記録的な重さにあることから、フィードロットの出荷遅れも懸念されたが、導入と出荷頭数の推移から判断して、その懸念は杞憂であり、どんなに急がせても3月まで出荷頭数は増えない。

9月の導入頭数の重量別の内訳をみると、興味深いことがある。800ポンド以上での導入が8%増加した半面、700−799ポンドが8%減少している。飼料コストが安くなったとはいえ、肥育業者は体重の軽い素牛を計画的に導入しているわけではない。軽い素牛を探すよりも、飼料の安さから肥育期間の後半で追加的に体重を増加させているようだ。

◎肥育業者は肉牛の増体を継続

生体牛の枝肉重量は引き続き記録的な水準を維持している。10月第3週の去勢牛の平均は898ポンド(407kg)で前年同期より23ポンド増。未経産牛は818ポンド(371kg)で同17ポンド増。肉牛全体の平均では825ポンド(374.2kg)で同21ポンド増だった。肥育業者はまだ増体させた方が経済的に得策と判断しており、今後数カ月で枝肉重量は最高記録を更新するかも知れない。

アナリストは「現状の生体牛の重量を重くする策は生産者にとってかなり魅力的だ。最終肥育段階で出荷重量を100ポンド上乗せすると、1頭当たり利益は50〜70ドル増える」という。
ただ、肉牛生産の専門家は「生産者はデーリーゲイン(DG)と飼料要求率を慎重にモニタリングする必要がある」と指摘する。

肥育牛の販売価格と肥育コストの関係で、飼料コストの安値が続いている限りは重量級の出荷が続くだろう。「これは市場中心のシフトであり、ほとんどの場合で肥育期間の追加は収益を増加させる。しかし、肥育期間の延長が今後も長く続くと、飼料の肉変換効率のバランスが崩れてしまう可能性がある」という。

 

※2014年11月3日 CATTL BUYERS WEEKLY

 
穀物関連ニュース

トウモロコシの収穫順調、先物価格も安値に

 
 

トウモロコシの収穫は10月下旬から順調に進んでいる。作付けの65%の刈り取りが終わった時点で、過去5年平均の73%に達した。このため、収穫遅れの懸念から10月上旬以降価格が上昇していたトウモロコシの12月先物取引も安定。11月4日午前の取引で、12月先物はブッシェル当り3.67ドルとなった。大豆は83%の収穫が完了し、過去5年平均に近づいている。大豆の先物取引も収穫遅れの懸念から上昇したが、トウモロコシと同じパターンをたどり、10月30日の取引では10.16ドルとなっている。冬小麦の収穫はコロラド、アイダホ、ミネソタ、ネブラスカ、ワシントンで作付けの90%に達している。全体では作付けの77%を収穫した時点で過去5年平均の72%となっている。

 

※2014年11月4日 FOODMARKET.Com

 
USMEFインフォメーション

米国のドライエイジングビーフ関連ガイド集を発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「米国ドライエイジングビーフ関連ガイド集」を発刊しました。ドライエイジングビーフを使用する米国の有名ステーキレストランの日本上陸が相次ぎ、ドライエイジングビーフへの関心が高まっていますが、日本ではドライエイジングとウエットエイジングの違いや熟成のメカニズム、管理手法などについての情報が少ないことから、米国の関連情報を一冊にまとめました。

本書では、NCBA(全米肉牛生産者牛肉協会)の委託調査としてテキサスA&M大学のジェフ・セイベル博士が行った「ドライエイジングビーフに関する調査研究の概要」をはじめ、USMEFとオクラホマ州立大学の共同研究による「国際市場向け米国産ドライエイジングビーフ・ガイドライン」、さらにUSMEFの技術担当者による「米国のドライエイジングビーフについて」や日本の有識者による「牛肉のおいしさとドライエイジングについて」と題した寄稿文を収録しています。USMEFのWebサイトからダウンロードすることもできます。
http://www.americanmeat.jp/trd/publications/book/index.html

 
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マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート