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TRADER'S Be & Po

vol.234 Nov.4.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
マーケット展望 2015年の牛肉生産量は2.3%減、豚肉は大幅増加
市況ニュース 生体牛の現金取引は安定、先物市場は混乱
トピックス CABは8年連続成長、価値の提案が奏功
業界ニュース アイオワ・プレミアムビーフ社のテーマ工場稼働へ
ワールドトレード ロシアがEUの食肉製品への規制措置を拡大
USMEFインフォメーション 「アメリカのごちそう。」ホリデーキャンペーン展開
オープン懸賞、各種メディアとPOSで店頭支援
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2014年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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マーケット展望

2015年の牛肉生産量は2.3%減、豚肉は大幅増加

 
 

USDA(米国農務省)が10月に発表したWASDE(世界農業需給予測)における食肉関連のハイライトと最近の価格動向は以下の通り(USMEFアナリストの報告より)。

【牛肉】

2014年と2015年の食肉生産量予測は、9月時の予測から上方修正された。牛肉の年間生産量は、2014年予測は前年比5.3%減と9月時の予想からわずかな修正に留まったが、2015年予測は同2.3%減と0.5%上方修正された。第2四半期からの減少幅は1%減に留まる見通し。トウモロコシ価格の安値が生体重量の大型化を促進し、枝肉重量の増加が見込まれることが要因である。

チョイス牛肉のカットアウト価格は、10月第3週に4ドル上昇、100ポンド当たり249.26ドルになった。牛肉価格はこれから年末に向けて国内向け・輸出ともに強気のまま推移する公算が大で、肥育用生体牛の先物価格もはね上がっている。ただし肥育牛価格は最高値を付けた後、ここ数週間で100ポンド当たり10ドルほど値を落としている。

 
  4半期毎の牛肉生産量の予測
 
  牛肉(チョイス)のカットアウトバリューの週間平均の推移
 
  生体牛(去勢)価格の推移と先物価格
 

【豚肉】

2014年の豚肉生産量は前年比1.8%減と、わずかな減少に留まると予測される。9月から枝肉重量の増加傾向に歯止めがかかり、第4四半期のと畜頭数が枝肉重量の減少と相殺され、年後半の生産量は前年を下回る見込み。

2015年の生産量はこれまで2.4%増と予想されてきたが、今回の予測では5.0%増と大幅に上方修正され、記録的な大量生産となる見込みで、近年では初めて豚肉生産量が牛肉生産量を上回る可能性がでてきた。

USDAの四半期ごとの豚飼養動向報告では、第3四半期の1腹当りの産子数は第1~第2四半期より減少率が小幅になった。2014年の第4四半期から2015年にかけて産子数は急速に回復し、と畜頭数が増加することから、2015年の豚肉生産量は急増すると予想される。

ポークのカットアウト価格は10月第3週に大幅に値下がりした。月曜日(13日)の100ポンド当たり121.57ドルから、週末には111.01ドルまで下落。とくにロインやモモ、バラなどの値下がりが大きかった。

生体豚の12月先物価格はまだ15%のプレミアムを付けているが、豚肉価格は年末に向けて季節的に値下がりする傾向にあり、2015年の価格推移は2011年レベルに近いと予想される。今年は4月にかなりの乱高下が発生している。

 
  四半期毎の豚肉生産量予測
 
  豚肉のカットアウトバリューの週間平均の推移
 
  肥育豚枝肉価格の推移と先物価格
 
市況ニュース

生体牛の現金取引は安定、先物市場は混乱

 
 

生体牛の現金取引価格は、10月第3週に先物取引が大量の売り注文で急落したにもかかわらず、安定した値動きを維持した。10月第3週の異常な値動きについて、アナリストは「先物と現金取引の両方が高値であったことから、先物価格を変動させようという思惑が市場に生まれた」という。現金取引にプレミアムが発生したため、木曜日(16日)には先物も反発に転じたが、現金取引価格は先物の値動きに連動せず、安定推移した。

一部のアナリストは、現金取引の最高値更新は11月中旬になるだろうと予想していたが、10月第1週に記録した100ポンド当たり163.82ドル(主要5州の去勢牛平均価格)が年間の最高値になるとの見方が強まっている。市況のカギを握る牛肉需要・小売の牛肉販売が、レイバー・デイの連休以降は弱まっているからだ。

エボラ出血熱の広がりと米国内での感染者発見の衝撃は、今後の個人消費に影響を与えるだろう。またヨーロッパの経済不調は米国の株価下落を招き、家畜の先物市場にまで影響が拡散する可能性がある。こうした外部要因も先物市場の不確実性を引き起こし、消費を減退させる要因になる。

 

※2014年10月20日 CATTEL BUYER's WEEKLY

 
トピックス

CABは8年連続成長、価値の提案が奏功

 
 

価値の提案が重要性を増していることを、CAB(サーティファイドアンガスビーフ)は8年間連続の成長によって実証している。CABの2014年会計年度(2013年10月~2014年9月)の市場出荷は8億8200万ポンドで、前年度比2%増と1700万ポンド増加した。

CABジョン・スティカ代表は、「ライセンスを持つ1万7000のパートナーは、消費者市場で毎年約68億ドルを生み出している。CABブランドの価値の提案は、牛肉の供給不足と高値の中でも消費者に支持されている」という。

CABは現在、米国の他カナダ、アジア(香港・韓国・日本)、中東など世界46カ国で販売されているが、国内、海外ともに成長している。海外のライセンス取得パートナーの販売は1億2000万ポンドと9%増加し、輸出市場でも需要が確実に広がっている。

2014年度は月間販売量が7000万ポンドを上回った月が9カ月あり、このうち6カ月は歴代(36年間)の月間販売ベスト10にランクインした。とりわけBBQシーズン、CABブランドに注力する販促が実施された8月には、8000万ポンドを上回った。これはブランドがスタートした1978年以降で2回目のことである。

アイテム別では、高級ステーキ・カットが300万ポンド増加。加えて高級ハンバーガー人気の上昇により、ひき肉が4%増加、CABのプライム(29%増)・ナチュラル(3%増)も販売が拡大した。CABは「さまざまな顧客に対してプレミアム高級牛肉の魅力を提案してきたことが功を奏した」という。調理済みのポットロースト、コンビーフ、マリネードしたファヒータ用牛肉などの付加価値製品は2200万ポンド以上と、史上2番目の販売量を記録した。

ライセンスを持つ36社のうち、14社が販売量を10%以上伸ばした。小売業界での販売量は3億8000万ポンドと全体の4割強を占め、フードサービス業界でも初めて3億ポンドを上回った。

 

※2014年10月20日 CATTEL BUYER's WEEKLY

 
業界ニュース

アイオワ・プレミアムビーフ社のテーマ工場稼働へ

 
 

アイオワ・プレミアムビーフ社は、10月末に工場(旧テーマパック社)が再稼働を開始すると発表した。同社のジェフリー・ジョンソンCEOは、「地域の人々の期待に応え、アイオワ農業界の一員として発展に貢献したい」とコメントした。

改修と拡張に4700万ドルを投下した新工場は、第1ステップとして1日当りのと畜能力1100頭、加工能力は日産2000頭で稼働を開始し、計600人を雇用する。「アイオワ中部の5つの市役所で計画を説明し、肉牛生産者からも大きな反響を得た。トウモロコシ生産地域の中央に位置し、牛の飼養頭数も増加しているなど、アイオワには地の利がある。昨年、工場の半径100マイル以内で出荷された肥育牛は65万頭、150マイル圏内には120万頭の牛がいる。第1ステップでは、この地域からの牛の購入は6億5000万ドルに達すると見込んでいる」(同CEO)。

 

※2014年10月21日 FOODMARKET.COM

 
ワールドトレード

ロシアがEUの食肉製品への規制措置を拡大

 
 

ロシアは10月21日、EUに対する新しい制裁処置を発表し、食肉製品の規制範囲を拡大した。ロシアの担当機関は「一時的な規制」としながらも、EUの食肉製品と副産物から「禁止されている有害な物質」(抗生物質含む)が見つかったためとして、EUの牛と豚の内臓について21日から規制を開始した。健康への影響を理由にしているが、問題となる物質は特定されていない。

 

※2014年10月21日 VOANews.com

 
USMEFインフォメーション

「アメリカのごちそう。」ホリデーキャンペーン展開
オープン懸賞、各種メディアとPOSで店頭支援

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は冬のイベントシーズンに向け、11月1日(土)〜12月31日(水)までの期間、量販店の店頭と一般消費者向けのWEBキャンペーンを連動させた「アメリカンのごちそう。」アメリカン・ビーフ ホリデーキャンペーンを実施します。

近年、ダイナミックなアメリカン・ビーフならではの部位「Tボーン」やアメリカン・ビーフの格付けの中で最高ランクの「プライム」などが様々な機会に紹介され、アメリカならではのおいしさが日本の消費者に認められて参りました。クリスマスなどこれからの冬のイベントシーズンにも、赤身とサシのバランスの良いアメリカン・ビーフのおいしさを様々なシーンで楽しんで頂ければと存じます。

USMEF・Webサイトでのオープン懸賞では総計1万300名様に、ハレの日のテーブルを楽しんでいただくための素敵なプレゼントを用意しました=◇アメリカン・ビーフ リブロース約1s(ローストビーフ用ファミリーカット)」(150名)◇アメリカン・ビーフ サーロイン約1s(ステーキ用)(150名)◇アメリカン・ビーフ オリジナルバックハンガーおよびアメリカン・ミート冊子(1万名様)。

キャンペーンのキービジュアルには話題のTボーンステーキの焼き上がり写真を採用。キャンペーン告知では11月中旬と12月上旬に2つの山場を設けて、交通広告はじめ都内各所のデジタルサイネージでのレシピ動画放映、クツクパッド、FacebookなどのSNS、主婦や料理系のWebサイト、新聞(全国紙)など各種メディアを活用し、参加店舗の販売をサポートします。キャンペーン参加店舗の店頭を飾るPOSツールもテーブルスカートをはじめとする8アイテム(1セット)を用意いたしましたのでご活用下さい。

 
 
 
 
 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート