レイバーデー(9月の第一月曜日)の連休の好調な牛肉販売が、生体牛と牛肉価格の安定に寄与しそうだ。牛肉卸売価格の記録的な高値が続いてきたことから、7月から8月前半まで、小売店は牛肉販促を制限せざるを得なかった。CL90(赤身率90%の牛ひき材)は7月上旬以降、2度も最高値を更新している。
しかし今回の連休は、一部の小売チェーンが骨付きサーロインやリブロースを積極的に販促、牛ひき肉のチラシ掲載も増えている。8月最終週のと畜頭数は推定58万4000頭。今週は稼働日が1日少ないため52万5000頭と推定され、前年同週より5万頭少ない。枝肉重量は前年より重いが、と畜頭数の減少を補うほどではない。
カットアウト価格は7月下旬の高値から徐々に低下。まだ6月のBBQシーズンの価格は維持しているが、「この価格帯にはまだかなりの不安材料がある」とアナリストはいう。8月28日のチョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり246.89ドルで、7月31日の最高値264.66ドルに比べて16.77ドル安。セレクトは235.27ドルで、7月30日の最高値260.83ドルから25.26ドルも値下がりしている。
牛挽き材は高値更新、今後は値下げ圧力強まるか
カットアウト価格の下落には、9月に入ると牛肉消費が落ち込むことを見込んで、パッカーが在庫の消化を積極的に進めたことも影響している。特にモモ系とロイン系アイテムに値下げ圧力がかかり、アナリストは「次は牛挽き材に値下げ圧力がかかるだろう」と予想する。
米国産のCL90の価格は、8月最終週に100ポンド当たり298〜299ドルとなり、週当たりでの最高値を記録した。経産牛のと畜頭数は、季節的に増える可能性もあるが、年内は引き続き前年同期を下回って推移することが確実視される。
8月最終週の現金取引市場は、週初めの予想では生体牛が100ポンド当たり153.14ドル、枝肉価格は241.86ドルと前週並みと見込まれていたが、木曜日の午後に先物の8月契約が154.65ドルを付けたことから、現金取引の引き合いが強まり、前週の1ドル高となった。
しかし一部のアナリストは、今後の現金取引価格は148ドルまで下落するだろうと予想する。先物の10月契約価格が150.10ドル、12月は152.70ドルであり、過去の例から見ても第3四半期の価格が第4四半期よりも高くなることはないだろう。
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