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TRADER'S Be & Po

vol.230 Aug.11.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格、160ドル超えの勢い
ポーク関連ニュース 豚肉在庫は前年比4.8%減、ベリーは潤沢
トピックス ステーキ・ハウス好調、牛肉需要を押し上げる
ワールドトレード 日本に続き、中国が米国からの生体豚の輸入を再開
フードサービス 全米BBQレストラン・ベスト30発表―Open Table
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2014年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格、160ドル超えの勢い

 
 

生体牛価格は6月初めに100ポンド当たり160ドルの高値を付け、その後も下がることなく歴史的な高値が続いている。7月第4週には現金取引価格が上昇し、先物価格も反発に転じるなど予想外の展開となった。

北部では7月23日に新高値を記録、ネブラスカでは24日に現金取引で生体牛が165ドルに達し、枝肉価格も258ドルと高値を更新。前週に比べて生体牛が6〜8ドル高、枝肉価格は9〜10ドル高。

アイオワから南ミネソタにかけての地域では、生体牛が160〜162ドル、枝肉は254〜257ドル。カンサスでは3000頭以上が161.65ドル、テキサスでは400頭が162ドルで販売された。

今年の生体牛価格は、年初に4週連続の高値更新で始まった。6月最終週から7月4日の独立記念日までの間、実に5回の最高値を記録し、USDA公表(主要5州の去勢牛平均)の週当たり平均価格は157.61ドル、枝肉は249.44ドルとなった。

独立記念日以降の2週間はやや落ち着いた展開となったが、第4週に入り再び騰勢気配が強まった。アナリストの多くは、夏の低迷期に入れば例年のように価格が下がると予想していたが、逆の展開となったことで、今夏の市況見通しはより難しくなった。

季節性に逆行した価格上昇、堅調な需要が牽引

7月第4週の高値の要因の一つは、牛肉需要が非常に堅調であることだ。これが7月のカットアウト価格を押し上げ、パッカーは生体牛を高値で購入してもマージンを維持できた。

生体牛の出荷は6月から7月にかけて増えると予想されていたが、実際には予想よりもタイトで、フィードロット導入頭数もネブラスカ州などでは減少している。アナリストは「肥育業者は現金価格が予想以上に高騰し、肥育期間を伸ばしても、増体コスト以上の価格で販売できる。また高値の素牛導入を先送りすることもできるため、完全な売り手市場になっている」という。

さらに、先物価格が反発したことも大きい。8月契約の先物価格は7月中旬までの現金価格をかなり下回って取引されていた。しかし、7月16日から4取引日で先物は828ポイント上昇し、現金取引との価格差が埋まってきた。7月22日の先物価格の終値は100ポンド当たり155.95ドルで、前週の現金取引の平均価格156.05ドルとの差はわずか10セント。

アナリストは「生体牛価格がいつ、どのレベルで最高値となるかを予測するのは困難。ボックスビーフの価格が下がり始めることが目安だが、ボックスビーフ価格が下落すると、それを最小限にとどめるためと畜頭数が減少する可能性もある」という。

 

※2014年7月28日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
 
ポーク関連ニュース

豚肉在庫は前年比4.8%減、ベリーは潤沢

 
 

USDAが7月22日に公表した6月の食肉の在庫状況調査によると、食肉(牛肉、豚肉、家きん肉)の合計在庫は、前年同月ならびに過去5年平均よりもかなり少ない。一方、需要は国内・輸出ともに堅調で、エンドユーザーは食肉供給の先細りに危機感を強めており、生体豚の短期先物も強含んでいる。

6月の豚肉在庫は前月末から6.6%低下した。例年この時期は季節的な傾向で低下するが、現在の在庫量は過去5年平均を1.7%上回っているものの、前年同月比では4.8%も下回っている。

豚肉の部位別在庫で1つだけ潤沢なのはバラ肉(ベリー)。6月末在庫量が8400万ポンドで前年同月の2倍近い。例年ならば、エンドユーザーはこの時期の在庫量で8月から9月上旬にかけてのバラ肉の需給を判断するが、この潤沢な在庫量からバラ肉のカットアウト価格は前年同月比7.4%安、100ポンド当たり151.4ドルとなった。

 
 
 
 

バラ肉以外の在庫量は、多くの部位が依然として前年同月をかなり下回っており、全体的な供給不足は解消されていない。このため豚肉全体の価格は短期的には下がらないだろう。

モモ肉の在庫は通常、年末需要に備えて4月から10月にかけて増加する。現在の在庫水準が前年同月を大幅に下回っていることから、向こう3カ月間は備蓄を増やす動きが続くと予想される。モモ肉のカットアウト価格は141.64ドルで前年同月比72%高。

豚挽き肉用の在庫量は4380万ポンドで前年同月9.6%減、5年平均比でも3.9%減と少ない。ボンレスのロインの在庫量は1870万ポンドで前月末から30%も減少しており、例年よりもかなり急激な減少となっている。

ボンレス・ビーフの在庫量は前年同月比26.4%減、5年平均比15.8%減。生鮮牛肉の価格が高騰し、エンドユーザーは冷凍在庫の手当を強めたいところたが、供給は依然としてタイト。ボンレスの赤身牛肉の価格は前年比40%高で、7月には例年の季節性に逆行して値上がりした。6月末の牛肉全在庫は3億5780万ポンドで前年同月比25.7%減、5年平均比で18.4%減。

 

※2014年7月28日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
 
 
トピックス

ステーキ・ハウス好調、牛肉需要を押し上げる

 
 

2013年のステーキ・ハウスチェーンの業績は好調だった。今年もそれが継続しており、牛肉カットアウト価格の最高値更新を支えている。Technomic社の調査によると、2013年のステーキ・ハウスチェーンの売上高は前年比6.2%増で、フルサービス・レストランの2.6%増を大きく上回った。

同社によると、ステーキ・ハウスチェーンの成長率は、2008〜2009年にはフルサービス・レストランチェーンよりもかなり低かったが、この2〜3年でフルサービスを追い越した。この成長の要因は、メニューの多様化や際立ったサービス、あるいは多彩な飲料とのマッチング提案など、メニューとサービスを向上して「価値」を重視する消費者の支持を獲得したこと。主要なステーキ・チェーンでは、ビーフだけでなく、ポーク・チョップやカモ肉、ロブスターなどシーフードの提供を充実させているという。

トップ10社の売上高、前年比、店舗数は以下のとおり。
① Outback Steakhouse/24億5900万ドル(2.6%増)/785店舗。
② Texas Roadhouse/ 17億300万ドル(11.1%増)/ 416店舗
③ Long Horn Steakhouse/13億1700万ドル(12.8%増)/ 445店舗
④ Logan's Roadhouse/7億4700万ドル(5.0%増)/ 259店舗
⑤ Ruth's Chris Steak House/5億3100万ドル(4.1%増)/118 店舗
⑥ The Capital Grille/3億4800万ドル(10.0%増)/52店舗
⑦ Flemings Prime Steakhouse/2億6500万ドル(5.2%増)/65店舗
⑧ Morton's The Steakhouse/2億5800万ドル(2.8%減)/68店舗
⑨ Salt grass Steakhouse/2億700万ドル(5.1%増)/50店舗
⑩ Texas de Brazil Churrascaria/2億ドル(16.4%増)/28店舗

 

※2014年7月21日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

日本に続き、中国が米国からの生体豚の輸入を再開

 
 

USDA(米国農務省)は、中国が8月1日付で米国からの生体豚の輸入禁止措置を解除したと発表した。USDAがEPDvの感染を検出する検査プロトコルを確立したことで、4カ月ぶりに輸出が可能となる。

世界最大の豚肉消費国である中国は、日本と同様、4月にPEDvの広がりを懸念して米国からの生体豚の輸入を停止すると通告してきた。日本は7月11日付で輸入停止措置を解除している。

USDAによると米国からの繁殖豚の輸入で中国は1700万ドル、日本は27万2000ドルの実績があるという。

 

※2014年8月4日 Porknetwork.com

 
フードサービス

全米BBQレストラン・ベスト30発表―Open Table

 
 

オンラインのレストラン予約サービスプロバイダーの「Open Table」は全米で最も優れたバーベキュー・レストラン・ベスト30を選ぶ「2014年ダイナーズ・チョイス賞」の受賞店を発表した。

同賞は、全米の1万9000軒のBBQレストランを対象として、2013年7月から2014年6月の1年間、500万件以上のレビューなどを基に同社独自の複合分析で決定したもの。

受賞レストランは、独自のスタイルや料理テクニックによってバランスの良い味を提供しているのが特徴で、同社の選定担当者は「受賞店は専門知識を駆使して、一般的なカット肉さえ柔らかく香ばしい味わいに演出。バーベキュー・メニューを食の芸術にまで高めた」と評した。

受賞店舗と各店のメニュー、評価などは下記から閲覧できる。
http://www.opentable.com/m/best-BBQ-restaurants-in-america/

 

※2014年8月1日 Meatingplace.com

 

【訂正】

前回配信(7月28日)の「生体牛の卸価格高値更新〜」の記事中で引用媒体の記述に誤りと思われる箇所がありましたので、下記のとおり修正いたします。

誤) 「1月の肥育牛価格(USDAの主要5州平均)は100ポンド当たり137.53ドル。前週平均は257.61ドルで14.6%上昇している」
正) 「1月第1週の肥育牛価格(USDAの主要5州平均)は100ポンド当たり137.53ドル。前々週平均は157.61ドルで14.6%上昇している」
 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート