生体牛価格は6月初めに100ポンド当たり160ドルの高値を付け、その後も下がることなく歴史的な高値が続いている。7月第4週には現金取引価格が上昇し、先物価格も反発に転じるなど予想外の展開となった。
北部では7月23日に新高値を記録、ネブラスカでは24日に現金取引で生体牛が165ドルに達し、枝肉価格も258ドルと高値を更新。前週に比べて生体牛が6〜8ドル高、枝肉価格は9〜10ドル高。
アイオワから南ミネソタにかけての地域では、生体牛が160〜162ドル、枝肉は254〜257ドル。カンサスでは3000頭以上が161.65ドル、テキサスでは400頭が162ドルで販売された。
今年の生体牛価格は、年初に4週連続の高値更新で始まった。6月最終週から7月4日の独立記念日までの間、実に5回の最高値を記録し、USDA公表(主要5州の去勢牛平均)の週当たり平均価格は157.61ドル、枝肉は249.44ドルとなった。
独立記念日以降の2週間はやや落ち着いた展開となったが、第4週に入り再び騰勢気配が強まった。アナリストの多くは、夏の低迷期に入れば例年のように価格が下がると予想していたが、逆の展開となったことで、今夏の市況見通しはより難しくなった。
季節性に逆行した価格上昇、堅調な需要が牽引
7月第4週の高値の要因の一つは、牛肉需要が非常に堅調であることだ。これが7月のカットアウト価格を押し上げ、パッカーは生体牛を高値で購入してもマージンを維持できた。
生体牛の出荷は6月から7月にかけて増えると予想されていたが、実際には予想よりもタイトで、フィードロット導入頭数もネブラスカ州などでは減少している。アナリストは「肥育業者は現金価格が予想以上に高騰し、肥育期間を伸ばしても、増体コスト以上の価格で販売できる。また高値の素牛導入を先送りすることもできるため、完全な売り手市場になっている」という。
さらに、先物価格が反発したことも大きい。8月契約の先物価格は7月中旬までの現金価格をかなり下回って取引されていた。しかし、7月16日から4取引日で先物は828ポイント上昇し、現金取引との価格差が埋まってきた。7月22日の先物価格の終値は100ポンド当たり155.95ドルで、前週の現金取引の平均価格156.05ドルとの差はわずか10セント。
アナリストは「生体牛価格がいつ、どのレベルで最高値となるかを予測するのは困難。ボックスビーフの価格が下がり始めることが目安だが、ボックスビーフ価格が下落すると、それを最小限にとどめるためと畜頭数が減少する可能性もある」という。
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