生体牛と牛肉卸売価格は最高値を更新し続けているが、今後もこの高値に需要がついてくるかどうか、不安も出始めている。供給量の少なさから、8月の牛肉卸売価格はさらに高くなる可能性があり、小売業者は通常価格を値上げしている。
これまでの高値維持の背景には、社会・経済の改善による雇用増加、食品支出に回す可処分所得の増加がある。また、豚肉の小売価格が史上最高値にあることで、消費者は高値でも牛肉の購入を続けてきた。
最大の関心事は、小売業者がどこまで値上げするかだ。6月の牛肉卸売価格は5月に比べて4.5%も上昇したが、生体牛や卸売価格の上昇に比べて小売価格の上昇は遅れている。
1月の肥育牛価格(USDAの主要5州平均)は100ポンド当たり137.53ドル。前週平均は257.61ドルで14.6%上昇している。チョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり200.21ドルから241.22ドルへと20.5%上昇。セレクトは194.66ドルが235.47ドルへと21.0%上昇した。
これに対して、牛肉の平均小売価格はポンド当りで1月5.04ドル、5月が5.45ドルで8.1%しか上がっていない。
オクラホマ州立大学のデレル・ピーク氏は、牛肉価格がここまで高騰すると今後も需要がついてくるか疑問だという。
牛肉の卸売価格と小売価格は、例年のサイクルでは独立記念日以降に低下するが、今年はさらに上昇する兆しをみせている。現状では国内および輸出需要は堅調である。チョイスのカットアウト価格は今月10日に252.17ドル、セレクトは243.52ドルでそれぞれ最高値を更新したが、小売の牛肉販売が今後低下すれば、20ドル程度は下落する可能性がある。
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