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TRADER'S Be & Po

vol.227 Jun.30.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛の卸価格高値更新、今後は小売の動向次第
ポーク関連ニュース 生産者の収益性改善、増産経営への条件整う
トピックス 牛ひき肉価格、高値更新が続く
栄養関連ニュース 赤身の牛肉は血圧を下げ、心臓病リスクを低減
USMEFインフォメーション 8月27日に「アメリカン・ビーフ ワークショップ」開催
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2014年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛の卸価格高値更新、今後は小売の動向次第

 
 

生体牛と牛肉卸売価格は最高値を更新し続けているが、今後もこの高値に需要がついてくるかどうか、不安も出始めている。供給量の少なさから、8月の牛肉卸売価格はさらに高くなる可能性があり、小売業者は通常価格を値上げしている。

これまでの高値維持の背景には、社会・経済の改善による雇用増加、食品支出に回す可処分所得の増加がある。また、豚肉の小売価格が史上最高値にあることで、消費者は高値でも牛肉の購入を続けてきた。

最大の関心事は、小売業者がどこまで値上げするかだ。6月の牛肉卸売価格は5月に比べて4.5%も上昇したが、生体牛や卸売価格の上昇に比べて小売価格の上昇は遅れている。

1月の肥育牛価格(USDAの主要5州平均)は100ポンド当たり137.53ドル。前週平均は257.61ドルで14.6%上昇している。チョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり200.21ドルから241.22ドルへと20.5%上昇。セレクトは194.66ドルが235.47ドルへと21.0%上昇した。

これに対して、牛肉の平均小売価格はポンド当りで1月5.04ドル、5月が5.45ドルで8.1%しか上がっていない。

オクラホマ州立大学のデレル・ピーク氏は、牛肉価格がここまで高騰すると今後も需要がついてくるか疑問だという。

牛肉の卸売価格と小売価格は、例年のサイクルでは独立記念日以降に低下するが、今年はさらに上昇する兆しをみせている。現状では国内および輸出需要は堅調である。チョイスのカットアウト価格は今月10日に252.17ドル、セレクトは243.52ドルでそれぞれ最高値を更新したが、小売の牛肉販売が今後低下すれば、20ドル程度は下落する可能性がある。

 

※2014年7月14日 CATTLE BUYER'S WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

生産者の収益性改善、増産経営への条件整う

 
 

牛肉、豚肉、家禽肉の生産者は、記録的な高値と飼料コストの大幅低下で収益性が高まり、生産基盤の再構築に向けて動き出す環境が整ってきた。収益構造が転換した要因の一つは、小売とフードサービスにおける食肉需要が堅調であることだ。

ミズーリ―大学推計による食肉需要を見ると、牛肉需要は前年同月比で4月4%増、5月6.7%増と、この12ヵ月間で1.5%上昇している。豚肉需要は4月6.7%増、5月10.1%増、過去12ヵ月間では5.6%増と顕著な伸びを示している。ブロイラーも過去12ヵ月間で3.2%増。この需要改善は、一般的な経済状況がリーマンショック以前の水準まで改善してきたことに加え、消費者の食肉摂取に対する考え方が変わってきたことも大きい。

生産者の利益指標の1つである畜種別価格とトウモロコシ価格の比率の推移をみると、生産者の収益性が向上していることは明らかだ。グラフが示す通り、過去2〜3年間は生体牛、生体豚、ブロイラーともに、この比率が長期(25年間)平均を下回っていた。

干ばつの影響で飼料コストが上昇する一方、消費者の需要は低下した。このため生産量は減少し、国民1人当たりの供給量も低下していた。飼料価格の下落は昨年から始まったが、今年はコーンベルト地帯の気象状況も良好で、2014/2015年度も飼料コストの低下が期待できる。

この指標と飼料穀物の豊作予想から、家畜の生産者は生産拡大へと向かう可能性が高い。生産基盤の再構築にかかる時間は、家畜の生産サイクルによって異なるが、少なくとも向こう6カ月間で豚肉とブロイラーの生産量は増加するだろう。

 

※2014年7月14日 NPB Pork Merchandiser's

 

 

  食肉(牛肉、豚肉、鶏肉、ターキー)の小売需要の前年比増減
 
トピックス

牛ひき肉価格、高値更新が続く

 
 

CL90(赤身率90%の牛ひき肉)の価格はこの2カ月間、記録的な高値を続けている。5月の週当たりの平均価格は100ポンド当たり240ドル台の半ばで推移したが、6月中旬には週平均で28ドルも上昇し、7月5日には272.92ドルの新高値となった。

7月第2週にはさらに劇的に上昇し、木曜日には291.80ドル、前週比15.70ドル高となった。経産牛のカットアウト価格も226.99ドルの新高値をつけたが、これは1月中旬の肥育牛チョイスのカットアウト価格と同水準である。

例年には、牛ひき肉の販売量は独立記念日以降に減少し、価格も低下するが、今年はすべての赤身肉が記録的に高値にある。アナリストは「加工業者が強気すぎる。この価格バブルがはじければ、かなりの在庫を抱えることになるだろう」という。

豪州から米国に輸出される牛ひき肉も7年ぶりの高値水準にあり、米国産のひき肉価格への影響は限定的である。輸入物のCL90の前週の指標価格は237.50ドルであるが、豪州産は長期契約が中心でスポット市場での購入は難しい。米国の経産牛と雄牛のと畜頭数は前年を13.6%も下回っており、供給量の少なさから、スーパーは特売価格を打ち出すのに苦労しているが、この高値でも需要は堅調である。

 
栄養関連ニュース

赤身の牛肉は血圧を下げ、心臓病リスクを低減

 
 

ペンシルバニア州立大学の最近の研究によると、赤身の牛肉を野菜や低脂肪乳と一緒に摂取することで、心臓病の危険性を減らすことができるとわかった。同大学のペニー・M・.クリス教授は記者発表で、「心臓病を予防する健全な食事には、赤身の牛肉が役立つことが証明された。栄養が豊富で脂肪の少ない赤身の牛肉は、血圧を下げ、心臓血管の疾患リスクを低下させる効果がある」と語った。

 

※2014年7月11日 FOOD MARKET.Com

 
USMEFインフォメーション

8月27日に「アメリカン・ビーフ ワークショップ」開催

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は8月27日、東京・港区の(株)エフ・エム・アイ東京本社テストキッチンで「第1回 アメリカン・ビーフのワークショップ」(主催・(株)商業界 月刊「飲食店経営」)を開催します。

このワークショップでは、アメリカン・ビーフの主要部位と新規部位(これまで日本であまり活用されていなかった部位)について、カッティングをしながら解説するとともに、各部位の特長を活かしたメニューを提案する予定です。

紹介部位は、チャックアイロール、チャックフラップテール、リブフィンガー、クロッドハート、ショートプレート、トップブレードマッスル、リフターミート、ハンギングテンダー、プレートフィンガー、Tボーンなど。ビストロ、バル、居酒屋、カフェ、イタリアン、フレンチなどの各種レストラン向けにメニューを提案します。

参加は無料で、定員(50名)になり次第締め切ります。問い合わせは商業界、電話03-3224-7492、担当・本橋まで。

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート