生体牛とボックス・ビーフの価格は、3月最終週に付けた高値を更新する勢い。6月の高騰が強い需要に支えられたことを考えると、年間を通じた高値相場の可能性も現実味を帯び始めている。
6月は肥育牛の供給量が予想よりもタイトであった半面、小売と外食業界ともに牛肉の売り上げが堅調だった。高値にも関わらず、第2四半期(4−6月)の牛肉の小売需要は前年同期比4.8%増加し、アナリストは「外食と輸出を含めた全体需要は予想以上に力強く、今年の第2四半期は歴史的な展開になった」と評する。
6月第4週に生体牛の先物価格は100ポンド当たり153.75ドルを付け、現金取引市場でも152〜154ドル、枝肉価格は239〜243ドルに上昇した。8月契約は152.75ドル、10月は155.52ドル、12月は155.80ドルといずれも先物契約の新高値となった。
牛肉カットアウト価格も上昇続く
ボックス・ビーフの価格は、例年の季節的な傾向に逆行して高値を続けている。6月第4週のカットアウト価格は、全体で100ポンド当たり231.37ドル、前年同週比19%高。チョイスは232.13ドル、同17%高。これまでの週間平均の最高値は3月24日の週で全体が238.21ドル、チョイスは238.54ドルだった。
チョイスの価格は、6月24日にこれまでの単日最高値(3月18日付の244.06ドル)を上回り、翌25日には245.01ドルと最高値を記録。5日間で4.55ドル、6月の月初めからでは12.58ドルも値上がりした。セレクトも同様に値上がりし、25日に新高値の237.56ドルを付け、5日間で4.47ドル、月初めから16.08ドルも上昇。
パッカーは肥育牛のと畜頭数をコントロールすることで牛肉価格の高値を維持した。前週のと畜頭数は約61万5000頭と推定され、前年同週(65万4102頭)をかなり下回った。6月最終週から7月第1週にかけてのと畜頭数も、前年同週より2万頭以上少ないと予想される。
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