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TRADER'S Be & Po

vol.227 Jun.30.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 香港が米国産牛肉輸入の月齢制限撤廃
市況ニュース 生体牛価格は予想外の値動き続く
ポーク関連ニュース 豚肉需要は堅調、枝肉重量の増加が頭数減を相殺
エコノミスト予測では今秋の豚と畜頭数は10%減
リテール関連 5月のカット別小売価格、豚肉はさらに上昇
フードサービス 牛肉料理はレストランメニューの主役
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2014年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

香港が米国産牛肉輸入の月齢制限撤廃

 
 

香港は6月17日付で、米国産牛肉の輸入条件から月齢制限を撤廃し、骨なし牛肉に限っていた製品区分も拡大することを発表した。これにより、米国から30カ月齢以上の牛由来の牛内臓、牛ひき肉、Tボーンなどの骨付き製品や牛肉加工品の輸出が可能になった。6月17日以降のと畜から適用される。

一方、中国の農業部は6月下旬に米国産牛肉の輸入禁止措置を見直すための現地調査チームを米国に派遣しており、今回の香港の輸入条件改正は、中国の米国産牛肉の輸入解禁に向けた重要なステップとなる可能性がある。なお、香港の米国産牛肉の輸入量は2014年1〜4月で5万トンを超え、前年同期比58%増と記録的なペースで増加している。

 

※2014年6月23日 U.S.Meat Bulletin

 
市況ニュース

生体牛価格は予想外の値動き続く

 
 

生体牛価格は引き続き、季節的な傾向とは逆行した値動きが続いている。6月第3週の現金取引市場は、カンザス州の100ポンド当たり148ドルで始まり、最終的に生体牛と枝肉ともに前週より3~4ドル上昇して終わった。地域的には北部の方がやや高くなる傾向がみられた。

6月に入ってからの相場は、例年とは相反する展開をみせている。メモリアルデーの連休は年間で最も牛肉需要が高まる時期だが、今年は出荷適正牛が増えつつあるとの予測から、5月30日の生体牛価格は137.80ドルと連休前に比べて2ドルも下落した。

6月は現金取引価格が引き続き値下がりし、それによって先物価格も下落すると予測されていた。しかし、実際には逆になり、6月第1週の主要5州の去勢牛価格は145.78ドルで1.39ドル高、枝肉は231.93ドルで1.13ドル上昇した。このため、6月第2週の先物市場は8月契約物が146ドルに反発するなど、新たに高値を付けた。

5月のフィードロット出荷は、前年とほぼ同じ。しかし生体重量は増えており、肥育業者の収益は向上している。生体重量、枝肉重量ともに記録的な重さになっているが、それでも肥育業者は引き続き高値を維持するために出荷を先延ばしする可能性があり、アナリストは「今夏の市況は当初予想されたよりも強気で、140ドルよりも高い価格で推移し、弱気に転じるのは秋口からになる」と予想する。

 

※2014年6月16日 CATTEL BUYER’S WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉需要は堅調、枝肉重量の増加が頭数減を相殺

 
 

食肉全体の供給量が低下している半面、需要が好調なことから、食肉価格は軒並み高値が続いている。この2週間で、肥育牛の先物価格は100ポンド当たり10ドルも上昇し、生体豚の先物価格も高値を更新。価格インフレは赤身肉だけに留まらず、鶏肉も着実に上昇し、ターキーのムネ肉は前年同期の2倍になっている。

また、前週の豚肉生産量は前年比3.4%増となった。PEDvにより生体豚が劇的に不足するという推測もあるが、今のところはUSDAのHogs & Pigsレポートとほぼ一致し、PEDvによる損失分は枝肉重量の増加によって相殺されている状態だ。

豚肉の4月の小売需要は前年同月を6.7%上回り、輸出需要は前年同月比37.6%増と推定される。豚肉輸出はここ数カ月、韓国、台湾、コロンビアなどで堅調に増加しており、これが国内価格は押し上げる要因の一つになっている。

しかし、今後は値下がりするリスクもある。ロインや肩ロースは7月後半から8月まで価格は落ち込む公算が大きい。6〜7月に非常に高い価格で推移することが見込まれる豚ひき肉も、例年なら8月には徐々に値下がりする。生体豚が不足せず、豚肉生産量が大きく落ち込まなければ、豚肉価格が下方修正に向かうのは必然かも知れない。

 

※2014年6月16日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 

 

  食肉(牛肉、豚肉、鶏肉、ターキー)の小売需要の前年比増減
 

 

  豚肉の輸出需要の前年比増減
 

 

 

エコノミスト予測では今秋の豚と畜頭数は10%減

 
 

食肉産業界のベテランエコノミストであるステーブ・メイヤー氏は、公開セミナーで、「PEDvによって推定で800万頭の子豚が失われ、今秋の豚と畜頭数は10%減少するだろう」との予測を示した。これは他の予測よりも楽観的であり、ラボバンク社は9月に20%減少を予測している。

USDAは、2014年の豚の年間と畜数は4.3%減と予測しているが、生産者が記録的な重量で出荷しているため、豚肉生産量は0.9%減とわずかな減少にとどまる見込みだ。

マイヤー氏は「秋にはと畜頭数が確実に減少し、豚肉生産量は低下する。ただ、この経済的負担は生産者ではなく、消費者が支払うことになる」とし、2013年5月以降、2014年初めまでに30州でPEDv発生が確認されたこと、封じ込めは獣医士や生産者の予測より困難になる恐れがあると述べた。

その上で、「業界にとって幸いなのは、価格の高騰にも関わらず、食肉需要が堅調であること。この数年間、タンパク質摂取による健康法への関心が高まり、消費者は高値でも好みの肉を摂取している。実際に主要4畜種の需要指数は前年を上回っている。豚肉価格は今夏に再び高値を更新する可能性もあるが、小売価格が上昇しても需要は減少しないだろう」と指摘した。

 

※2014年6月16日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
リテール関連

5月のカット別小売価格、豚肉はさらに上昇

 
 

USDA(米国農務省)が公表した5月の食肉小売価格によると、牛肉、豚肉ともに主要カットのすべてが前年同月を大きく上回っている。前月比では、牛肉はカタ系がやや値下がりしたが、ひき肉とステーキ用(チョイスのサーロイン、モモ)が上昇。豚肉はほとんどのカットが前月よりも上昇し、前年同月を大幅に上回って推移している。

5月の食料品の消費者物価では、豚肉価格は前年同月比12.2%高、牛肉・子牛肉は10.7%高、鶏肉は2.6%高。前月比でも豚肉が3.2%上昇したのをはじめ牛肉・子牛肉は0.1%、鶏肉は1.2%上昇している。

 

※2014年6月17日 USDA ERS

 

 

  ボンレス ビーフ&ポーク カット別小売価格の推移(2014年5月)
 
フードサービス

牛肉料理はレストランメニューの主役

 
 

2013年の外食市場で提供された食肉系メニューの中で、牛肉は32%を占め、依然として主役の座にある。2013年に牛肉の価格は上昇したものの、外食産業での使用量は約80億ポンドで前年よりも7900万ポンド増加した。

レストランの97%で牛肉が使用され、ステーキ、ロースト、リブ、ひき肉など主要なカテゴリーのすべてで増加した。特に牛ひき肉は最も高い伸びを示し、2012年に比較して22%も増加した。ステーキと骨付きメニューはそれぞれ18%増、ローストは16%増、調理済みローストビーフは8%増といずれも高い伸びを示した。

調査を行ったビーフチェックオフプログラムのシド・フィーブロック委員長は「牛肉が最も満足感を得られることをレストラン経営者が良く理解していること、そして消費者の強い需要によりレストランビジネスにおいて牛肉が主役であり続けることが明らかになった」としている。

 

※2014年6月16日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート