生体牛価格は引き続き、季節的な傾向とは逆行した値動きが続いている。6月第3週の現金取引市場は、カンザス州の100ポンド当たり148ドルで始まり、最終的に生体牛と枝肉ともに前週より3~4ドル上昇して終わった。地域的には北部の方がやや高くなる傾向がみられた。
6月に入ってからの相場は、例年とは相反する展開をみせている。メモリアルデーの連休は年間で最も牛肉需要が高まる時期だが、今年は出荷適正牛が増えつつあるとの予測から、5月30日の生体牛価格は137.80ドルと連休前に比べて2ドルも下落した。
6月は現金取引価格が引き続き値下がりし、それによって先物価格も下落すると予測されていた。しかし、実際には逆になり、6月第1週の主要5州の去勢牛価格は145.78ドルで1.39ドル高、枝肉は231.93ドルで1.13ドル上昇した。このため、6月第2週の先物市場は8月契約物が146ドルに反発するなど、新たに高値を付けた。
5月のフィードロット出荷は、前年とほぼ同じ。しかし生体重量は増えており、肥育業者の収益は向上している。生体重量、枝肉重量ともに記録的な重さになっているが、それでも肥育業者は引き続き高値を維持するために出荷を先延ばしする可能性があり、アナリストは「今夏の市況は当初予想されたよりも強気で、140ドルよりも高い価格で推移し、弱気に転じるのは秋口からになる」と予想する。
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