米国の肉牛飼養頭数は1951年以来の低水準にある。2014年の回復へのカギは、今の干ばつ状況が続くかどうかであり、今後の天候に左右される。USDAの報告では未経産牛の保有頭数は2013年より9万頭多く、繁殖部門では再構築が始まっているようにみえる。
しかし生産者は昨年、未経産牛を10万頭多く保留する意向を示しており、干ばつによりそれが実現できなかった。1月時点の雌牛の飼養頭数は2600万頭で前年比0.9%減、頭数にして26万4000頭も少ないため、牛群の拡大には2〜3年を要するだろう。
未経産牛は増えているものの、2013年後半の飼料価格の改善によるもので、繁殖雌牛の更新が計画通りに進んでいるとは言い難いが、オクラホマ州立大学のディレル・ピール氏は「生産者は引き続き拡大に意欲を示しており、国内の牛肉需要と国際的な輸出需要を満たすため、米国の肉牛産業は比較的早期に拡大する可能性がある」という。
今年これまでの未経産牛のと畜頭数は前年同期比4.2%減だが、この6週間では10.3%も減少している。雌牛全体のと畜頭数は12.7%減、この6週間では21.9%減。昨年の4月〜5月は干ばつによる干し草の不足で群れの整理を強いられ、20.3%も増加していたこととは対照的だ。
一部地域では干ばつ状況が再発しているが、USDAの報告では、冬の厳しい天候と春の到来遅れにも関わらず、干し草の在庫は5月1日現在で前年同期を36%も上回っている。5月末には南部平原でも降雨があり、今後の改善が期待できる。
干ばつ状況が良化すれば、2014年はわずかながら牛群が拡大、雌牛の飼養頭数は1%程度の増加が可能になる。今年が生産基盤の再構築の始まりとなれば、2017年までに干ばつによる淘汰以前(2011年)の水準を回復できるかもしれない。
|