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TRADER'S Be & Po

vol.225 May.19.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛への値下げ圧力強まる
豚肉は生体重増で供給好転も夏場の高値必至
業界ニュース 肥育業者のマージン好調、今後は縮小し夏場は損失
小売関連ニュース 歴史的高値で迎えるBBQシーズン、販促に苦慮
ビーフ&ポーク カット別小売価格の推移(2014年4月)
ポーク関連ニュース TQAプログラム改訂、新しい疾病への防備強化
ワールドトレード 牛肉の需給ギャップ広がり輸入拡大必至―中国
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2014年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛への値下げ圧力強まる

 
 

肥育牛の加工業者は、出荷適齢牛の増加を受けて、購入価格を下げる試みを継続的に行っている。生体牛の現金取引価格は、3月最終週に100ポンド当たり152.21ドル(USDAの主要5州平均)と最高値を付けた。しかし、前週末には146.34ドルとなり、4週間で5.87ドルも低下した。パッカーは卸売価格への値下げ圧力が強まることを見越して、牛肉生産量を増やしつつある。

アナリストは「パッカーは第2四半期に歴史的な営業利益を確保する必要があり、5月、6月の生体牛価格はさらに引き下げられる可能性がある」という。パッカーは第1四半期に1頭当り29.74ドルの損失を出し、第4四半期も利益が出ない見通しにあることから、第2、第3四半期でこれを補う必要がある。

◎肥育牛は夏場に出荷増、秋以降は再びタイトに

 肥育牛は夏場に供給が増加するが、第4四半期は再び供給不足が深刻になる。
最新のCOFレポートでは、4月1日現在のフィードロット飼養頭数は1086万頭で前年比0.6%減。3月の出荷は前年比3.7%減、導入は4.7%も減少した。3月の導入頭数は1996年以来の少なさで、5年平均との比較では11.3%の減少。4月の導入も少なく、前年同月を下回る見込みだ。

フィードロット飼養頭数はネブラスカ、アイオワ、ミネソタおよびノースダコタで前年を上回り、コーンベルト地帯と北部の州で肥育牛の拡大が進行中であることが判明した。しかし重量別にみると、前年比で増加しているのは600ポンド以下のみ。700ポンド以上はわずかに7万9000頭が追加されただけで、10月に出荷適正となる肥育牛はかなりひき締まることが明らかになった。

現金取引価格は夏から秋にかけて安くなり、一部には春の高値に比べて10%下落するとの予測もある。先物取引はこの予測を反映して、値下がり時期が先送りされた。小売価格の動きにもよるが、当面は8月と10月の先物価格が最高値152ドルの10%安、137ドル周辺で動くかどうかを注視する必要がある。

 

※2014年5月5日 Cattle buyer's Weekly

 

 

 

豚肉は生体重増で供給好転も夏場の高値必至

 
 

豚肉価格は、夏場の供給減予想による思惑買いが過熱し、3月から4月上旬にかけて劇的な上昇をみせた。牛肉が記録的高値にあることも関係しているが、この急激すぎる上昇は、実際の供給状況とはずれがある。

確かに3月と4月上旬にと畜頭数は減少したが、その減少のかなりの部分は枝肉重量の増加によって相殺された。USDAの最新報告では、生体豚の重量は前年同期を5%も上回っており、この時期にこれ程の生体重量の増加は前例がない。

これによって、豚肉の供給は好転している。この4週間のと畜頭数は前年比5%減だが、枝肉重量は4.5〜5.0%増加した。

PEDvについては、12〜3月に発症件数が大幅に増加したことから、5〜8月のと畜頭数に影響が表れる見込み。3月から4月上旬のと畜減は、昨年10月のノースカロライナ州での発生が影響したもの。より重大なのは、冬季の発生件数の多さとアイオワ州およびその周辺州での子豚の損失であり、その影響を注視する必要がある。

夏場の肉豚出荷は、潜在的に不足気味だ。5月のと畜頭数の予測は週当たり196万〜197万頭で前年同期比6%減。6月の予測はと畜頭数が前年比7〜8%減、生体重量は3〜4%増。一部には、6〜7月のと畜頭数は週当たり175万頭、前年比12〜13%減と予測するアナリストもいる。

このため、夏場の価格見通しは大幅な上昇が見込まれる。ロインの価格は6月以降に低下する可能性があるが、現在過小評価されているベリーは、と畜頭数の減少に合わせて反発する公算が大。トリミングは季節需要とと畜頭数減で高値を維持し、この高値がモモの価格を支えることになるだろう。

 

※2014年5月5日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 

 

  豚肉のカットアウト及びプライマルカットの価格比較
 

 

  豚枝肉重量の推移(全出荷豚の週間平均)
 
業界ニュース

肥育業者のマージン好調、今後は縮小し夏場は損失

 
 

肉牛の肥育業者は、2011年の第2四半期以来の高収益を得ている。ただし5月から利幅は薄くなり、6〜8月には損失が出るかも知れない。9月は過渡期で10月に損益分岐点レベルを回復し、11〜12月に再び利益を確保するだろう。

LMIC(家畜販売情報センター)によると、今年の肥育牛の1頭当たりの利益は8ドルになる公算が高い。南部プレインズにおける750ポンド導入の去勢牛での試算によると、肥育去勢牛の利益は第1四半期が1頭当り35ドル。1月22.50ドル、2月19ドル、3月53ドルだった。4月は30ドル、5月も25ドルの黒字になると予測され、6〜8月は35〜50ドルの損失が見込まれる。

今年後半の収益は、とうもろこしと肥育牛の価格次第。先物市場では、第4四半期の価格予想は142.50〜145.50ドルで、肥育業者の利益が小幅になることを示唆している。ただ、今年の先物価格は現金取引価格より割安で推移しており、第4四半期の現金取引価格はこれを上回る見込み。

 

※2014年5月5日 Cattle buyer’s Weekly

 
小売関連ニュース

歴史的高値で迎えるBBQシーズン、販促に苦慮

 
 

本格的なグリルシーズンを迎えたが、卸売価格の高値のため、週末の小売による牛肉の販促は少なかった。この傾向はメモリアルデー(5月の最終月曜日)の連休前まで続く。例年であれば、連休にはリブと牛ひき肉を主力にショートロインやストリップロイン、メモアリルデーはサーロインやTボーンなどが拡販される。

しかし今年のボックスドビーフの価格はパッカーが肥育牛のと畜頭数を抑制するかぎり高値を維持する。と畜頭数が増加するのは1カ月先の6月上旬以降と予測されるため、メモリアルデーの特売はボトムサーロイン、牛ひき肉、Tボーンになるかも知れない。

牛肉、豚肉の卸売価格が歴史的な高値にある中で、小売業者は通常販売価格を高く維持し、特売のロスを埋めようとしている。また、牛肉ではエンド・ミート(低価格部位)とひき肉に注力してきた。通常、牛肉販売量は4月から5月にかけて6%上昇するが、販売価格の上昇に伴い、消費者の反応は5月から6月にかけてさらに厳しくなると予想される。

 

※2014年5月5日 Cattle buyer's Weekly

 

 

  ビーフ&ポーク カット別小売価格の推移(2014年4月)
 
ポーク関連ニュース

TQAプログラム改訂、新しい疾病への防備強化

 
 

全米豚肉委員会(NPB)はTQA (豚の輸送品質保証)プログラムの改訂を発表した。今回の改訂は、PEDvなどの新たな疾病の感染予防を含むバイオセキュリティに焦点を当てている。

TQAプログラムは、家畜取扱者と輸送者に対するトレーニングとその証明書によって家畜の保護と福祉を促進し、消費者への情報提供と高品質な豚肉製品への理解を促進することを目的としている。

改訂プログラムでは、バイオセキュリティ計画の策定と実践とともに、豚の基本的な行動などを理解する新しいアプローチにより、豚と輸送管理者双方の安全性を向上させる方法を提供している。

また、輸送中に天候、特に気温が極端に変化した場合の適切な対処や生体豚の積み込み方法、輸送車の寝床の注意事項など、輸送の事前計画の重要性なども盛り込まれている。

 

※2014年4月30日Meating.com及びNPB.Web

 
ワールドトレード

牛肉の需給ギャップ広がり輸入拡大必至―中国

 
 

Rabobank社のレポートによると、中国では牛肉への需要が増え続ける一方、国内の飼養頭数は減少の一途をたどり、供給ギャップを埋めるために牛肉の輸入を増やす必要に迫られているという。今後5年間で毎年15〜20%の輸入増が必要になると予想している。

2004年以降、中国の肉牛飼養頭数は減少し続けている。他の家畜生産と比較して多額の資金が必要なこと、生産と資金回収のサイクルが長いことや労働力の不足など、政策面以外にもさまざま要因があり、事業拡大に取り組む生産者は少ない。このため、牛肉価格は2004年以降5倍以上も値上がりし、主要な牛肉生産国と比較して競争力をなくしている。

中国政府は2013年9月、牛肉とラム肉の生産を奨励するための指針「Guideline for Beef Industry Development Towards 2020」を発表。金融策での技術的サポートを通して牛と羊の飼養頭数を増やし、630万トンの牛肉生産量を2014年に717万トン、2020年には786万トンまで増産することを目標に掲げ、河南、河北、山東の3地域で生産基盤の拡張を図っている。

レポートによると、中国政府が牛肉生産への支援を国家レベルで行うのは初めてだが、豚肉や家禽肉への補助金と比べて支援額は非常に少なく、肉牛生産の再構築が効果的に進むかどうか不明確だとし、国産牛肉の供給量がわずかに回復したとしても、引き続き輸入依存は増え続けると報告している。

中国の2013年の牛肉輸入量は29万7000トンに達しているが、同レポートではいわゆる「グレー・チャネル」を通してより多くの輸入品が流入、合計輸入量は2018年までに170万トンに達し、総供給量の20%を占めるようになると予測。近い将来、中国は世界の牛肉貿易の重要な陸揚げ地になるとし、2003年のBSE発生から輸入停止が続いている米国産牛肉について、2014年のどこかの時点で輸入を再開するかも知れないと報告している。

 

※2014年4月28日 Cattletradercenter.com

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート