豚肉価格は、夏場の供給減予想による思惑買いが過熱し、3月から4月上旬にかけて劇的な上昇をみせた。牛肉が記録的高値にあることも関係しているが、この急激すぎる上昇は、実際の供給状況とはずれがある。
確かに3月と4月上旬にと畜頭数は減少したが、その減少のかなりの部分は枝肉重量の増加によって相殺された。USDAの最新報告では、生体豚の重量は前年同期を5%も上回っており、この時期にこれ程の生体重量の増加は前例がない。
これによって、豚肉の供給は好転している。この4週間のと畜頭数は前年比5%減だが、枝肉重量は4.5〜5.0%増加した。
PEDvについては、12〜3月に発症件数が大幅に増加したことから、5〜8月のと畜頭数に影響が表れる見込み。3月から4月上旬のと畜減は、昨年10月のノースカロライナ州での発生が影響したもの。より重大なのは、冬季の発生件数の多さとアイオワ州およびその周辺州での子豚の損失であり、その影響を注視する必要がある。
夏場の肉豚出荷は、潜在的に不足気味だ。5月のと畜頭数の予測は週当たり196万〜197万頭で前年同期比6%減。6月の予測はと畜頭数が前年比7〜8%減、生体重量は3〜4%増。一部には、6〜7月のと畜頭数は週当たり175万頭、前年比12〜13%減と予測するアナリストもいる。
このため、夏場の価格見通しは大幅な上昇が見込まれる。ロインの価格は6月以降に低下する可能性があるが、現在過小評価されているベリーは、と畜頭数の減少に合わせて反発する公算が大。トリミングは季節需要とと畜頭数減で高値を維持し、この高値がモモの価格を支えることになるだろう。
|