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TRADER'S Be & Po

vol.224 Apr.28.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉カットアウト続落、と畜頭数と枝肉重量の増加で
ポーク関連ニュース 豚肉カットアウト121ドルへ反落、まだ波乱含み
トピックス パッカーマージン、ビーフ、ポークともに損失拡大
フードサービス ハンバーガー業界の成長はトッピングの次なる施策へ
消費関連ニュース 食料品価格が大幅に値上がり、畜産品の高騰で
USMEFインフォメーション 2014年のNewメッセージ「アメリカのごちそう。」ポスター作成
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2014年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉カットアウト続落、と畜頭数と枝肉重量の増加で

 
 

牛肉のカットアウト価格はこの2週間で一気に下げたが、これはパッカーが生産量を増やしたためだ。ただパッカーは、スポット市場でさらなる安値を強いられて大きな損益を被ったため、肥育牛のと畜頭数を再び減らしている。アナリストは「この減少がなければ、カットアウトの下落はもう2週間続いただろう」という。

4月第1週の現金取引価格は、生体牛が100ポンド当たり149.71ドル(前週比1.6%安)、枝肉は同240.09ドル(1.4%安)。ただ、前年同週比ではまだ16.7%高、17.5%高であり、USDAは2014年の生体牛価格の予測を144~151ドル、年平均147.5ドルに上方修正した。2013年の平均価格は125.89ドルで、これを17.2%上回るとの予想。

枝肉重量も増加している。3月最終週の枝肉重量は、去勢牛の平均が852ポンド(386.5kg)で前年比1ポンド増、未経産牛は789ポンド(357.9kg)で同3ポンド減。前年に比べて繁殖雌牛のと畜頭数が大幅に減少していることから、全体平均では792ポンド(359.2kg)、同4ポンド増となっている。

チョイスのカットアウト価格は10日から11日にかけて100ポンド当たり6.95ドル値下がり、セレクトは7.11ドルも下落した。チョイスは10日間で14.25ドル、セレクトは16.91ドルの値下がりとなった。

 

※2014年4月14日 Cattle Buyers Weekly

 
ポーク関連ニュース

豚肉カットアウト121ドルへ反落、まだ波乱含み

 
 

豚肉カットアウト価格はこの2週間値下がりを続け、4月第3週末に100ポンド当たり121ドル付近となった。USDA の4月18日公表価格は121.34ドルで、1週間前より3.42ドル安、4月2日に記録した最高値に比べると12ドル安となった。ただ、前年同期比ではまだ47%も高い。

3月にエンドユーザーが夏場の高騰を見込んで在庫確保に走ったため、スポット市場はショートになった。しかし、4月下旬の数日で肉豚出荷も良化し、製品市場も落ち着いてきた。USDAが公表したこの3週間の週当たり平均の豚肉生産量は4億3250万ポンド(前年比1.1%減)。ただしアナリストは、枝肉の平均重量と出荷頭数から推測すると、この2週間(4月第1~第2)の生産量は一時的に前年同期を上回った可能性もあるという。

最近の枝肉重量は全出荷豚平均(MPRデータベース)で約216ポンド、生産者販売データで215.9ポンド(前年比4.3%増)、パッカー段階のデータでは218.1ポンド(3.2%増)だが、この枝肉重量の増加はと畜頭数の落ち込みをある程度相殺する。4月第3週のと畜頭数は約200万頭、前年同期比6.2%減だが、出荷体重が4%増のため、豚肉生産量の減少は前年同期比2.0~2.5%減の見込み。

この減少率に対して、カットアウト価格が47%も高いのはアンバランスだ。もちろん今の価格高騰は現在の供給状況だけではなく、夏場の大幅な供給減予想をおり込んだものだが、生産量が前年並みに近い水準に回復したことで「今後は振り子が反対方向に大きく振れ、急落するリスクもある」という。

季節的に価格が低下する時期でもあり、エンドユーザーは当面、模様眺めに徹しそうだ。モモの価格はイースター需要が一巡し、この2週間で約15%値下がりした。ロインやリブも小売業者の買い気が弱く値を下げている。

3月の価格高騰はと畜頭数の減少、高い牛肉価格、夏場の品不足予想からの思惑買いが原因で加熱しすぎた面がある。ただ、6月から8月にかけてまだ不安定な要素があり、多くのリスクが潜んでいるかも知れない。

 

※2014年4月21日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
  ポーク・カットアウト価格の推移
 
トピックス

パッカーマージン、ビーフ、ポークともに損失拡大

 
 

Sterling Beef Profit Tracker社の最新データによると、4月第1週の肥育牛の価格は、1頭当たり12ドル以上も値下がりしたが、肥育業者はまだ1頭当たり210ドル以上の利益を確保している。1カ月前は1頭あたり246.79ドルの利益だった。前年同月は同81.35ドルの損失。

肥育牛価格は4月第2週末(12日)に100ポンド当たり149.92ドルと、前週(150.27ドル)からわずかに下落した。1カ月前の平均価格は151.11ドルで、前年同週を23ドル以上も上回っていた。前週の去勢牛価格は174.92ドルで2.29ドル値下がりしたが、肥育コストも379.29ドルと2ドル近く下がり、1頭当たりの肥育コストは1862.54ドルと20ドル余りも下がった。

パッカーのマージンは4月第1週が1頭当り36.16ドルの損失だったが、第2週の週末には63.53ドルの損失となり、赤字が拡大。カットアウト価格は100ポンド当たり223.08ドルで、6.23ドル値下がりした。

一方、豚肉の一貫生産業者のマージンは、4月11日段階でも1頭当たり100ドル以上を確保している。3週間前に116ドルの最高利益を付けた後、この2週間は利益が低下しているものの、前年同時期は25.74ドルの損失だった。ポークパッカーのマージンは1.91ドルの損失で、前週よりも損失が拡大した。

 

※2014年4月15日 Cattle Trader Center.com

 
フードサービス

ハンバーガー業界の成長はトッピングの次なる施策へ

 
 

シカゴのテクノミック社調べによると、2013年のハンバーガー業界は、牛肉以外のパティやグルテンフリーのバンズ、クラフトビールなどが成長をけん引したという。主要ハンバーガーチェーンの2013年の総販売額は推定720億ドル。名目ベースでは前年比1.2%増だが、物価上昇率を調整した実質ではマイナス成長。総店舗数は4万2853店舗で同1%増。

業態別にみると、ファストフードチェーンは697億ドル、同0.9%増の小幅な伸びにとどまった。これは「マクドナルド」(0.7%増)を始め、「ウェンディーズ」(1%増)、「バーガーキング」(1%減)の上位3社が伸び悩んだことが要因。一方で、シンプルなメニューとバリュープライスが特徴の「In-N-Out」、フローズンデザートが好評な「Culver's」や「 Freddy's Frozen Custard & Steak burgers」などは堅調な成長を遂げた。

ファストカジュアル業態は24億ドル、同10.4%増。「Five Guys' Burgers」は5%増と昨年(14%増)より伸び率は鈍化したが、「Smashburger」は2ケタ成長を達成。地方チェーンでは「Habit Burger Grill」「 Shake Shack 」「 BurgerFi」が非常に高い伸びをみせた。

成長したチェーンは、パティの高品質化やトッピング、バンズでの差別化に加え、クラフトビールやワイン、カスタマイズできるソフトドリンクなど飲料の品揃えを充実しているのが特徴で、テクノミック社では「消費者の健康指向を取り込んだブランドが成長している。品質による差別化の継続とメニューの革新努力が来店客の増加に繋がっている」と分析している。

 

※2014年4月9日 MeatPoutry.com

 
 
 
消費関連ニュース

食料品価格が大幅に値上がり、畜産品の高騰で

 
 

米国ではこの2ヵ月間で食料品価格が急激に値上がりした。3月の食料品価格は2月に引き続き0.4%も上昇。労働統計局は「2011年9月以来、月間で最も大きな上げ幅」だと述べた。干ばつ、PEDvの影響と輸出の拡大で国内供給量が低下した牛肉、豚肉を始め、家きん類、鶏卵、牛乳も軒並み上昇し、食料品価格を大幅に引き上げた。

3月の消費者物価指数は0.2%上昇し、年間のインフレ率は2月の1.1%から1.5%に上昇した。ただし、食品価格の値上がりはガソリン価格の下落と相殺され、インフレ率はFRB(米国連邦準備制度理事会)が目標とする2%を下回っている。しかし経済学者は、賃金上昇率の改善が遅れている中での食品価格の上昇は、家計を圧迫し、消費支出が冷え込む可能性があると指摘する。

Sterling Marketing社によると、2年前の干ばつは牛の飼養頭数を減らし、2013年の牛肉卸売価格を23%も上げてしまった。加えてPEDvの発生で、豚肉価格が56%も上昇。これまでは小売業者が値上がり分を吸収し、小売価格は牛肉が7%高、豚肉は5.3%高に抑えられてきたが、2014年には10%程度の価格上昇もあり得ると予測する。

 

※2014年4月16日 Foodmarket.com

 
USMEFインフォメーション

2014年のNewメッセージ
「アメリカのごちそう。」ポスター作成

 
 

USMEFはアメリカン・ビーフのプロモーションで用いる2014年の新しいメッセージ「アメリカのごちそう。」ポスターおよび広告データを作成しました。2013年の輸入条件の改正に伴い、プライムやCAB、トップチョイスなどのハイ・グレード製品、さらにはTボーンや骨付きリブアイ(Lボーン)の輸入が可能となりました。

エンドユーザーでこれらの導入が活発化していることを受けて、新メッセージポスターは「アメリカのごちそう。」をキャッチコピーに、シズル感溢れるTボーンステーキを全面に打ち出したデザインで、アメリカン・ビーフの美味しさをアピールしています。タグラインの「今日はアメリカン・ビーフにしませんか。」は継続使用します。今後、さまざまな媒体に掲出する予定で、販促物として使用いただくことも可能です。

 
 
 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート