豚肉カットアウト価格はこの2週間値下がりを続け、4月第3週末に100ポンド当たり121ドル付近となった。USDA の4月18日公表価格は121.34ドルで、1週間前より3.42ドル安、4月2日に記録した最高値に比べると12ドル安となった。ただ、前年同期比ではまだ47%も高い。
3月にエンドユーザーが夏場の高騰を見込んで在庫確保に走ったため、スポット市場はショートになった。しかし、4月下旬の数日で肉豚出荷も良化し、製品市場も落ち着いてきた。USDAが公表したこの3週間の週当たり平均の豚肉生産量は4億3250万ポンド(前年比1.1%減)。ただしアナリストは、枝肉の平均重量と出荷頭数から推測すると、この2週間(4月第1~第2)の生産量は一時的に前年同期を上回った可能性もあるという。
最近の枝肉重量は全出荷豚平均(MPRデータベース)で約216ポンド、生産者販売データで215.9ポンド(前年比4.3%増)、パッカー段階のデータでは218.1ポンド(3.2%増)だが、この枝肉重量の増加はと畜頭数の落ち込みをある程度相殺する。4月第3週のと畜頭数は約200万頭、前年同期比6.2%減だが、出荷体重が4%増のため、豚肉生産量の減少は前年同期比2.0~2.5%減の見込み。
この減少率に対して、カットアウト価格が47%も高いのはアンバランスだ。もちろん今の価格高騰は現在の供給状況だけではなく、夏場の大幅な供給減予想をおり込んだものだが、生産量が前年並みに近い水準に回復したことで「今後は振り子が反対方向に大きく振れ、急落するリスクもある」という。
季節的に価格が低下する時期でもあり、エンドユーザーは当面、模様眺めに徹しそうだ。モモの価格はイースター需要が一巡し、この2週間で約15%値下がりした。ロインやリブも小売業者の買い気が弱く値を下げている。
3月の価格高騰はと畜頭数の減少、高い牛肉価格、夏場の品不足予想からの思惑買いが原因で加熱しすぎた面がある。ただ、6月から8月にかけてまだ不安定な要素があり、多くのリスクが潜んでいるかも知れない。
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