生体牛と牛肉の価格高騰が続く中、生産者には「牛肉需要はいつまで維持できるのか」との懸念がある。ただ現在の牛肉産業はこの50年間で最も品質の高い牛肉を生産しており、これが需要の維持に役立つだろう。
数年前まで50%台半ばだったチョイスグレードの発生率は、2014年に平均で約67%に達しており、プライムの発生率も4%を超えている。CAB(サーティファィド・アンガス・ビーフ)ブランドの認定要件を満たすアンガス牛の割合は、1年前の24〜25%から、2014年第1四半期には26〜29%まで増えている。
コロラド州立大のデール・ウェルナー博士は、最近の業界セミナーで「牛肉消費をリードする重要な要素は、従来の柔らかさからフレーバー(味わい・風味)に代わってきている。フレーバーの重要な構成要素はマーブリング(脂肪交雑)である」とし、良質な等級の増加は消費者の満足度を高めることに繋がると強調した。
同博士の研究によると、肉質の違いを見分ける訓練をしたパネラーに、様々な品質等級の枝肉から分割したミドル・ミート(ロース)の味覚評価をした結果、好ましい牛肉としての評価はセレクト級が30%未満で、プライム級は90%以上だった。
これらの結果を踏まえ、コロラド州のリーチマンキャトル社のリー・リーチマン社長は、「これからはフレーバーが牛肉の消費をけん引する。トップチョイスとプライムの発生率を70%以上にして、消費者の満足度を上げることが需要維持に繋がる」と語った。
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