今夏は前年よりも多くの肥育牛が出回る可能性が出てきた。肥育素牛の供給は依然少ないものの、フィードロットの導入頭数は昨年12月から増加傾向にある。これに対して出荷頭数は前年よりも大幅に減少。1月の出荷頭数は過去3年間平均と比べて5.5%も減少しており、2月はさらに低下する見通しだ。
現状では出荷適正牛が非常にタイトである。しかし、アナリストは「第1四半期の出荷頭数が少ないため、数カ月後にはフィードロットからの出荷を増やすことになり、夏場には出回りが増加する」という。この予想通りなら、6〜8月の生体牛の先物価格は、現在の現金価格をかなり下回見込み。
2月21日公表のCOFレポートでは、1月のフィードロット導入頭数は202万9000頭で、前年同月比8・6%増、16万頭も増加した。2月の導入頭数は、過去最低だった昨年2月との比較で5〜8%上回る可能性がある。1月の出荷頭数は178万8000頭、同5%減と非常に少なかった。これはパッカーの損失が増えたことや、複数の地域で悪天候により家畜の移動が制限されたことが要因であり、2月も同様の要因で出荷は少ない。フィードロットが現在の導入ペースを維持するためには、出荷を加速する必要がある。
◎ネブラスカの肥育牛拡大、小規模肥育場の出荷増も
1月の導入拡大と出荷減少により、2月1日現在の飼養頭数は1076万頭と、1月より16万7000頭も増加した。前年同月比では2・8%減だが、1月の5・4%減に比べて減少率はほぼ半減した。注目すべきは、ネブラスカの飼養頭数が初めてテキサスを上回ったことだ。ネブラスカは1月の導入が54万5000頭(同17.2%増)と多く、飼養頭数は246万頭(0.4%減)となった。
テキサスは244万頭(6.9%減)。カンザスは205万頭(2.8%減)で3位を維持した。テキサス、カンザスともに導入頭数は前年同月を上回っており、コーンベルト地帯には2013年よりも確実に多くの肥育牛がいる。カリフォルニアでも干ばつの影響から導入頭数が27%増加した。
また、同レポートで注目されるのは、1000頭以下のフィードロットで2013年に301万頭の出荷があったことだ。これは2012年を15万6000頭(5.5%)も上回るもので、1000頭以上のフィードロットからの出荷が2161万8000頭(1.9%減)と41万頭も減少したこととは対照的な傾向を示している。
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