USDA(米国農務省)が公表した1月1日現在の肉用牛の総飼養頭数は8773万頭で、2013年に比べて1.8%減、157万頭も減少した。これは1951年以降で最も少ない水準である。雌牛の頭数は2904万2000頭で前年比0.9%減。1962年以降で最も少なく、2012年に比較しても86万3000頭少ない。
総飼養頭数は2007年以降から毎年減少し、この7年間で884万3000頭も少なくなった。ただ、牛肉の生産量は減少率ほどには落ち込んでいない。2014年の牛肉生産量は243億2000万ポンド(1103万1380トン)と予測されている。これは1994年の243億8000万ポンドとほぼ同水準。
トウモロコシ価格の低下により、今年は重量級の肉牛が増えることが見込まれており、一部のアナリストはさらに高い生産量を予想している。輸出入の動向にもよるが、牛肉供給量は生体牛の飼養頭数が示すほどタイトにはならないとの見方もある。
雌牛は歴史的低水準、フィードロット頭数5%減
USDAのレポートによると、総飼養頭数の減少の他にも注目すべき点が幾つかある。AFBF(アメリカン・ファーム・ビューロー連合会)のジョアン・アンダーソン氏は「すべての雌牛は約3830万頭と1941年以降で最も低い水準にあるが、このうち乳用牛は920万9000頭で前年比0.1%減。1950年代の乳用牛頭数は2230万頭以上だった」という。
また予想外だったのは、多くのアナリストが前年比70万頭前後の減少を予想していた2013年の子牛生産頭数が339万頭と、34万9000頭の減少に留まったことだ。LMIC(家畜販売情報センター)のジム・ロブ氏は、「これは子牛生産者が出産率の低い経産牛を淘汰し、積極的に新しい雌牛を導入することで出産率を改善させたことの表れだ」と指摘する。
もう一つの興味深い点は、全フィードロットの肥育頭数が1269万5000頭、前年比5.0%減であるのに対し、収容能力1000頭以上のフィードロットでは5.4%減となっていること。主に東部コーンベルト地帯の比較的小規模フィードロット(1000頭未満)で肥育頭数が増加していることをうかがわせる。
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