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TRADER'S Be & Po

vol.218 Jan.7.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
需給トレンド 2014年食肉需給予測、輸出は牛肉増、豚肉はやや減
業界ニュース 2013年ビーフパッカートップ30、タイソンが1位に
ポーク関連ニュース 2014年前半の豚肉供給量は少な目、PEDvの発生拡大で
市況ニュース 2014年の生体牛市場展望、収益改善の条件整う
枝肉重量はピークを過ぎ、今後は減少へ
セーフティ関連ニュース 家畜への抗生物質使用を治療目的のみに制限―FDA、農務省
消費トレンド 2013年の食品インフレ率鈍化、2014年の食肉価格は上昇
USMEFインフォメーション 焼肉ビジネスフェア、SMトレードショー、FOODEXに連続出展
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2013年10月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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年頭のごあいさつ
2014年 新たな挑戦の年に向けて

米国食肉業界を代表し、日本のビジネス・パートナーの皆様の旧年中のご愛顧・ご指導に深く感謝申し上げます。

米国食肉輸出連合会は、日本のBSEに関する輸入制度見直しが昨年2月1日に実施され、月齢が30カ月未満になったことにより、さらにおいしいアメリカン・ビーフを、またTボーンステーキや骨付きリブロースが輸入可能になり、新しくてしかも懐かしい味を日本の消費者にご提供できることを大変喜ばしく思っております。

『アメリカン・ビーフが熟しました』のメッセージで輸入制度変更後、高品質な穀物肥育のアメリカン・ビーフのプロモーションをスタートしましたが、より幅広い層のお客様においしさを認知していただいたと思います。今後、アメリカン・ビーフが現在のアメリカン・ポーク同様、日本市場において再びリーダー的存在としてご愛顧いただけることと期待しております。

また、アメリカン・ポークは、『選ばれてNo.1』として、プロモーションを実施してきましたが、皆様のおかげをもちまして輸入ポークで最大のシェアを継続しております。弊会としましては、アメリカン・ポークが今後も日本の小売、外食業界で主要な商品となるよう高品質なチルドポークをお届けして、継続的にご支持をいただけるよう努力してまいります。

消費者の皆様に、よりおいしく召し上がっていただくためのメニュー提案にも積極的に取り組み、アメリカン・ポークでは、かたまり肉で低温調理の『120℃かんたんロースト』を提案、アメリカン・ビーフでは、厚切りステーキを『ファミリーカットステーキ』としてご提案しました。今年も食べ方提案、メニュー提案をより充実させていきたいと思います。

2014年が日本の消費者ならびにパートナーの皆様にとりまして、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

 

米国食肉輸出連合会(USMEF)

 
需給トレンド

2014年食肉需給予測、輸出は牛肉増、豚肉はやや減

 
 

USDA(農務省)が12月10日に公表した世界の農産物需給見通しのうち、米国の食肉関係の需給予測のポイントは以下のとおり。

レッドミートと家禽肉を合わせた食肉の総生産量は、2013年および2014年のいずれも11月以降から増加すると予測される。2013年は第4四半期のと畜データを基に判断すると小幅な伸びにとどまるが、2014年は肉牛のと畜頭数の増加に加え、牛肉と豚肉の枝肉重量が増加することから、より高い伸びが予測される。2014年のブロイラー生産はほぼ横ばいと予測される。

牛肉の輸入量は、2013年にわずかに減少するが、2014年はほぼ横ばい。牛肉の輸出は2013年、2014年ともに増加する。肉牛の価格は、肥育牛への強い需要により11月から上昇する。

豚肉の輸入量は、2013年、2014年ともに増加するが、2014年の伸びが高いと予測される。豚肉の輸出は、アジアでの需要減により2013年、2014年ともにわずかながら減少する。生体豚の価格は第4四半期の価格が予想よりやや安く、2014年も値下がり傾向が予測される。

 

※2013年12月10日 USDA

  米国の食肉供給と消費の見通し
 
業界ニュース

2013年ビーフパッカートップ30、タイソンが1位に

 
 

CBWの第26回(2013年)全米ビーフパッカートップ30調査によると、1日当りと畜能力と年間販売頭数の双方で、タイソンフーズが全米最大のビーフパッカーとしての地位を取り戻した。2008年から2011年まではカーギルミートが1位だった。

カーギルの2012年の処理頭数の減少はわずかだか、年間の牛肉売上高はタイソンの方が高かった。タイソンのと畜は肥育牛のみなのに対し、カーギルの処理頭数にはノンフェッド牛98万頭が含まれる。カーギルは2013年2月にプレンビュー工場(テキサス州)を閉鎖した。同工場は1日当り4650頭の処理能力をもっていた。

このほか、今回の調査で注目される点は、この1年間でトップ30社計のと畜能力が12万7570頭(56工場の合計)と、前年(56工場・13万6395頭)より6.5%低下したことだ。これは1988年の同調査開始以来、最も大きな減少である。最大の最因はプレンビュー工場の閉鎖だが、ほかにノーザン・ビーフパッカーズ(サウスダコタ州)、マーチン・ホールセールミート(ノースカロライナ州)、サンアンジェロパッキング(テキサス州)の3社も閉鎖。この3社で合計2900頭の処理能力があった。

この3社はXLフォースタービーフとしてJBS USA社の傘下に入った。これに伴い、オープン・レンジビーフ、マニング・ビーフ、ブロパック・ニコラスミートパッキング、シェンクパッキングの4社が初めてトップ30入りした。

トップ3社(タイソン、JBS UAS、カーギル)の処理能力は23工場で計8万1775頭(前年は23工場で8万8150頭)。これにナショナル・ビーフ、アメリカンフードグループを加えたトップ5社では、31工場・10万3575頭(同31工場・10万9350頭)。

トップ5社の商業用と畜牛における推定シェアは79.3%で、2011年の78.6%から0.7ポイントアップした。トップ3社のシェアは62.3%で2011年(62.4%)とほぼ変わらず。肥育去勢牛と肥育未経産牛に占めるトップ5社シェア(5位はグレーターオマハパッキング)は94.2%で、2011年の91.8%から2.4ポイントアップ。トップ3社でも74.6%で1.2ポイント上昇した。

 

 

  2013年パッカーランキング上位30社(上位20社まで掲載)
 
ポーク関連ニュース

2014年前半の豚肉供給量は少な目、PEDvの発生拡大で

 
 

12月第1週のPEDv(豚流行性下痢ウイルス)テストで新たに140件の陽性が確認された。これは前週の94件を上回り、週単位では最大の件数。発生は全米の主要な生産地域に及んでおり、2014年の豚肉供給量は当初予想から下方修正する必要がある。

2014年の豚肉供給量は、前半は当初の予想よりも少なく、後半には増産に転じることから年間では236億4600万ポンドで前年比1.9%増、4億4400万ポンド増と予想される。生産者は出荷頭数の減少を補うために、引き続き、より重い体重で出荷することになる。

生体重量の重い豚が増えることにより、バラやモモの構成比が増えるとともに、脂肪分をより整形することが必要になる。このため、部位ごとの価格差が開くことが予想され、それが生体豚価格にも影響を与えるだろう。

 

※2013年12月16日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
市況ニュース

2014年の生体牛市場展望、収益改善の条件整う

 
 

USDAの最新報告によると、肉牛の供給不足、安価な飼料価格、力強い輸出需要など、肉牛生産者にとっては2014年に向けて良好な環境が整っている。とうもろこしの価格は、豊富な生産と再生可能燃料(エタノール仕向け)基準の見直しから、12月初旬には8月の平均価格のほぼ3分の1まで下がった。また冬小麦の生産エリアでの放牧条件も良好で、牧草地帯では適度の降雨があり、来春に向けて良い環境になっている。

肥育用素牛価格は、この第4四半期に最高値を更新した。オクラホマシティの取引価格は、11月の平均価格が750〜800ポンドの去勢素牛で100ポンド当たり162.95ドルに達し、8月から7%も上昇。500〜550ポンドは10%上昇している。素牛不足の影響ととうもろこし価格の値下がりから、肥育牛業者には潜在的なマージン改善の期待が大きくなっている。

2013年は未経産牛のフィードロットへの導入が比較的に多かったことから、2014年1月1日現在の雌牛の頭数は前年を下回ると予想される。2013年の経産牛のと畜頭数は、年初の飼養頭数の15%以上になると予測される。通常、経産牛のと畜頭数は年初の飼養頭数の約 13〜14%で、それに伴い14〜17 %の未経産牛が保留される。2013年は経産牛のと畜割合が高かったことから、繁殖更新用の未経産牛がある程度は確保できているとみられる。

牛肉生産の減少が見込まれる中、2014年の牛肉輸入量は22億6500万ポンドで2013年とほぼ同レベル。アジアでの牛肉需要が高まり、輸入先市場での競争が強まり、米国の輸入量は増えないだろう。

一方、2013年の米国の牛肉輸出量は25億400万ポンドと予測される。2013年第3四半期の輸出量は7億1600万ポンドで前年同期比10%増と、過去2年間における四半期ベースの輸出量で過去最高を記録した。2月の月齢制限変更により、日本向けが47%も増加している。

 

※2013年12月17日 DROVERS CattleNetwork

 

 

 

枝肉重量はピークを過ぎ、今後は減少へ

 
 

12月初め、この冬初めての寒波が肉牛肥育地帯を襲った。しかし気温は氷点下だったものの、フィードロットの牛群にはほとんど影響はなく、気温も12月第2週には急上昇した。

今回の一時的な寒波により、肥育仕上げ期の生体牛の体重が2〜3ポンド落ちる可能性がある。11月上旬以来、季節性に逆行して枝肉重量が上昇していたが、これを機に肥育牛の生体重量と枝肉重量はピークを過ぎた。

これまでは体重の重い去勢牛の比率が高く、未経産牛と合わせて平均枝肉重量は前年を12ポンド上回っていた。これはと畜頭数に換算すると週当たり1万2千頭分の重量に匹敵する。この現象が数週間続いていたことがと畜頭数の増えなかった要因である。12月第1週のと畜頭数は、予測の62万9000頭に対して、60万8000頭に留まった。前年の同週は64万605頭だった。

 

※2013年12月16日 Cattle buyer's weekly

 
セーフティ関連ニュース

家畜への抗生物質使用を治療目的のみに制限―FDA、農務省

 
 

保健福祉省食品医薬品局(FDA)は農務省の協力も得て12月11日、家畜への抗生物質使用を制限する2つの最終指導案を発表した。動物の飼料添加剤や飲料水に使用していた抗菌剤の耐性が、人への投与にも起こり得る可能性があるとの論議が高まってきたことを受けての措置。3年以内に約80種類の抗生剤の使用を、獣医師監督の下で治療と予防などの医療目的のみ使用可とし、成長促進目的の使用を制限する。

家畜への抗生物質使用と耐性菌との関連性はすべて解明されていないが、消費者の耐性菌と抗生剤に対する不安払拭のため食肉および家禽肉産業ではこれまでも使用を慎重に管理してきた。今回のFDAの最終案に、食肉産業界の多くの団体が支持を表明している。同規則の対象は牛、家禽類、豚をはじめ食用を目的とするすべての家畜生産に適用される。

 

※2013年12月11日 Meatingplace/FDA

 
消費トレンド

2013年の食品インフレ率鈍化、2014年の食肉価格は上昇

 
 

2013年の食料品価格のインフレ率は、過去20年間の平均2.8%を下回る公算が大きい。USDAのERS(経済情報サービス)発表のCPI(消費者物価指数)をみると、すべての食品のCPIは2012年10月から2013年10月までの期間で1.3%のアップに留まり、2013年年間では1.5〜2.5%の上昇が見込まれる。

2012年に大規模な干ばつがあったものの、食料品価格はほぼ横ばいだった。ドル高によって多くの農産品の輸出が減少したのに加え、エネルギー価格の値下がりなどもあり、インフレ率が当初予測よりも低く抑えられた。

特に牛肉・子牛肉の価格上昇率は10月までの12カ月間で1.4%に留まっており、2013年年間でも2〜3%の上昇と予測される。2012年は6.4%上昇、2011年は10.2%の上昇だった。豚肉価格は同期間で3.7%上昇したが、2013年の年間の上昇率は0.5〜1.5%と見込まれ、2012年の上昇率0.3%は上回るものの、2011年の8.5%と比較すると小幅な上昇にとどまる見通し。

2014年の予想では、外食用を含めた食肉価格の上昇率は2.5〜3.5%と予測される。食肉の中ではブロイラーが最も上昇する見込み。

 

※2013年11月27日 Drovers Cattle Network .Com

 
USMEFインフォメーション

焼肉ビジネスフェア、SMトレードショー、FOODEXに連続出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月22〜23日、東京・池袋のサンシャインシティコンベンションセンターで開催される「焼肉ビジネスフェア2014」に出展します。焼肉ビジネスフェアは焼肉業界に特化した専門展示会で、食品・食材や調味料はじめ設備資材、サービスなど数多くの関連企業が出展します。

USMEFブース(小間番号TD-2D)では、アメリカン・ビーフならびにアメリカン・ポークならではの品質の高さ、利益性のある規格の豊富さ、焼肉産業向けの様々な部位の提案を通じて、アメリカン・ビーフ、ポークの美味しさを実感できるブースを展開します。焼肉産業向けの提案部位の試食も用意しておりますので、来場の際は是非ともお立ち寄りいただきますようお願い申し上げます。

なお、USMEFは2月12〜14日に東京ビッグサイトで開催される「スーパーマーケット・トレードショー」、3月4〜7日に幕張メッセで開催される「FOODEX JAPAN 2014」にも出展いたします。各展示会の出展内容が具体的に決まりましたら改めてご案内いたします。

 

 


 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート