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TRADER'S Be & Po

vol.217 dec.9.2013
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛の現金取引価格、最高値更新か
生体豚は年末まで供給タイト、価格も高値
ポーク関連ニュース PEDvは2014年前半の豚価にも影響
業界ニュース とうもろこし価格40%安、肥育牛の収益改善
需給トレンド 肥育牛頭数さらに減少、来年の牛肉生産6〜7%減
トピックス プライム、チョイスの発生率上昇
ワールドトレード ブラジルの牛肉輸出が好調
消費トレンド 感謝祭のディナーコスト、今年は安上がり
豚肉の消費者価格上昇、2014年は食肉すべて上昇
USMEFインフォメーション 「アメリカン・ポーク バイヤーズ ガイド」を発刊
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2013年9月)米国の輸出、飼養動向、
と畜頭数・枝肉生産量、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛の現金取引価格、最高値更新か

 
 

生体牛の現金取引価格は、10月25日に付けた最高値(主要5州平均132.23ドル)を更新する可能性がある。ホリデー・シーズンの需要に備えてパッカーが物量確保に動けば、12月上旬にも最高値を更新するかも知れない。11月4日の週には100ポンド当たり131ドルまで下げ、11月11日の週は131ドル付近で安定推移した。同期間の枝肉価格は、207.38ドルから206.44ドルへと徐々に値下がりした。

肥育業者を活気付けている要因の一つは、12月先物の契約価格が11月14日に100ポンド当たり132.97ドルで付け、現金価格131ドルに対して2ドルのプレミアムが付いたこと。今後、肥育牛の出荷は週を追うごとにタイトになることが予測され、アナリストは「12月上旬に現金取引への買が集中すると高値更新もあり得る」としている。

 

※2013年11月18日 Cattle Buyers Weekly

 

 

 

生体豚は年末まで供給タイト、価格も高値

 
 

豚のと畜頭数は、例年なら11〜12月には季節的に増加するが、今年は生体豚の供給不足から豚肉生産量が減少する見込み。USDA(米国農務省)の最新予測では、第4四半期の豚肉生産量は62億3000万ポンドで、9月時点の予想より下方修正され、前年同期を0.6%下回る予想となった。生体豚の供給がタイトなことから、パッカーは毎週、土曜日のと畜頭数を減らしている。

9月27日のHog & Pig レポートでは、堅調な豚肉価格と飼料穀物価格の安値安定が繁殖業者の増頭意欲を刺激し、2014年を通して生産が増加すると予想されていた。 しかし今回の予想では、2014年前半はPEDvの影響から生産量の伸びが1%台にとどまり、2014年の年間生産量は前年比2.6%増の約278億ポンドに修正された。

2013年第4四半期の生体豚価格は100ポンド当たり63〜65ドルで前年実績(58.6ドル)を大きく上回ると予想される。2014年第1四半期は59〜63ドル、第2四半期は61〜67ドルと前年並みを維持するものの、第3四半期以降は生産量の増加に伴い下落し、年間平均では前年比6%安の59〜63ドルと予想されている。

 

※2013年11月28日 Meating Place

 
ポーク関連ニュース

PEDvは2014年前半の豚価にも影響

 
 

高値を続けてきた生体豚価格は、先物と現金取引ともにここにきて大きく値下がりした。アイオワ州とミネソタ州の平均価格は100ポンド当たり79.58ドルで、10月上旬に比較してほぼ15ドル下がった。

この下げは、季節的な要因(枝肉重量の増加と出荷豚の増加)よる供給増を見込んだもの。生体豚の重量は最新データでは213ポンド(96.6kg)と10月中旬から急激に増加している。新鮮な飼料穀物の出回りと天候の安定が要因であり、飼料価格の低下も増体コストを軽減している。

また生産者の一部では、PEDv(豚流行性下痢ウイルス)による損失を挽回しようと出荷を遅らせて増体を図る動きもある。11月第3週のと畜頭数は230万頭余りだったが、今後はと畜頭数が週ごとに増える可能性もある。
豚肉価格は前年よりもかなり高い水準にあり、パッカーは豚肉需要の改善から収益が良化している。カットアウト価格は100ポンド当たり90ドル以上で前年を9%以上も上回っている。

ロースとカタロースの価格が上昇しているのに加え、モモの価格も急激に回復。モモのプライマル・カット価格は前年より32%も高く、カットアウト価格全体の高値維持に貢献している。通常、モモの価格は11月の後半2週間はやや緩み、クリスマス前に再び上昇するが、今年は安くなる気配はない。

生体豚市場における現在の最大の懸念はPEDvの影響である。グラフはPEDvテストにおける陽性反応の発生数を示したもので、10月にその発生が急増している。11月第1週には、5〜6月の約2倍に達している。

この影響は5〜6カ月後、つまり2014年の春の後半から夏にかけての出荷頭数の減少となって現れる。年間でも最も出荷頭数が低下する時期と重なることから価格が急騰する可能性がある。感染頭数や生存率など不確実な要素も多いが、とうもろこし価格が4ドル台の安値の中で、来年の夏には再び100ドル相場が出現するかも知れない。

 

※2013年11月18日 NPB Pork merchandiser’s Profit Maximizer

 

 

  PEDvテストにおける陽性報告件数
 
業界ニュース

とうもろこし価格40%安、肥育牛の収益改善

 
 

肉牛の肥育業者は長引いた経費高から抜け出し、いよいよ収益改善を実現できる環境が整ってきた。140億ブッシェルに達する記録的なとうもろこしの収穫見通しと、EPA(環境保護庁)がとうもろこしのエタノール仕向けを減らす決定をしたことを受けて、とうもろこし価格は1ブッシェル当たり4.15〜4.30ドルに値下がりした。先物と現金取引のいずれも前年同期に比べて40%以上安くなった。

肥育業者の売買も活気をとり戻し、11月22日発表のフィードロット飼養動向報告でも10月の取引数は前年同月より1%多かった。ただパッカーがと畜頭数を減らしていることから、11月の取引量はわずかながら減少気味。そのため18〜19日の先物価格は軟調気配となり、12月先物の契約価格は100ポンド当たり130.95ドルとなった。

 

※2013年11月25日 Cattle Buyers Weekly

 
需給トレンド

肥育牛頭数さらに減少、来年の牛肉生産6〜7%減

 
 

USDAが11月22日付で発表したフィードロット飼養動向調査では、11月1日現在のフィードロット(収容能力1000頭以上)の総飼養頭数は1060万7000頭で、前年同月に比べて6%減少となった。これは15カ月連続の前年割れで、11月1日現在のものとしては1996年以降で最も少ない。

家畜販売情報センター(LMIC)では、2013年第4四半期の牛肉生産量を前年比5.2%減少し、2013年の年間生産量は1.5%減少すると予想している。仮に気候条件と牧草地の状況の改善が続けば、繁殖用雌牛の保留が増えてと畜頭数が減少し、肥育牛のと畜頭数の減少と併せて、2014年の牛肉生産量は2013年よりも6〜7%減少することになる。

10月のフィードロットへの導入頭数は239万4000頭で前年より9.8%多いが、これは前年10月の導入頭数が干ばつの影響で218万頭と10月としては過去最低であったためで、通常の気候に戻ったことを勘案すると、依然として低い水準にある。

飼料穀物価格の値下がりにより、繁殖基盤の再構築に向けて未経産の若牛を保留する動きが強まっている。11月のノースダコタ州の家畜市場では良質な雌牛の導入意欲が強く、去勢牛の肥育素牛と同等の価格で取引された。また、北部の比較的小規模な繁殖牧場でも、雌子牛の仕入れを増やす傾向が強まっている。

 

※2013年11月26日 Drovers/CattleNetwork news

 
トピックス

プライム、チョイスの発生率上昇

 
 

肥育牛の枝肉重量は依然として重く、それに伴って格付等級も向上している。11月第1週の肥育去勢牛の平均枝重量は877ポンド(398kg)で前週比1ポンド増、前年同週比では4ポンドも増えている。未経産牛の平均枝重量は802ポンド(365kg)で前週比、前年同週比ともに4ポンドの減少。

同週の格付等級の内訳は、プライムが4.50%(前年同週4.09%)、チョイス64.22%(同59.33%)、セレクト27.23%(同30.37%)で、プライムとチョイスの発生率が上昇している。この傾向が今後も続くかどうかは、生体牛の現金取引価格がどこまで高値を維持するかによるだろうが、高品質等級の発生率が上昇している要因は、肥育業者が成長補助剤を使用せずに長期肥育していることの表れとの見方もある。

 

※2013年11月18日 Cattle Buyers Weekly

 
 
ワールドトレード

ブラジルの牛肉輸出が好調

 
 

USDAの報告によると、ブラジルが世界最大の牛肉輸出国の座を維持している。2013年の輸出量は180万トン、輸出額は60億ドルと、いずれも記録を更新する見込み。さらに2014年の輸出は194万トンに増加、国内生産量は前年比3%増の990万トンと予測されている。2013年1〜10月の牛肉輸出は120万トンで18.8%増、金額は54億5000万ドルで同12.5%増となっており、輸出先のトップ5は①香港(30万1388トン、12億ドル)②ロシア(26万6075トン、10億ドル)③EU(11万235トン、7億1680万ドル)④ベネズエラ(11万6797トン、6億2880万ドル)⑤エジプト(12万1536トン、4億1000万ドル)。

 

※2013年11月18日 Cattle Buyers Weekly

 
消費トレンド

感謝祭のディナーコスト、今年は安上がり

 
 

アメリカ農業会連合会(AFBF)の「サンクスギビング・デー(感謝祭)のディナーに関する価格調査」によると、今年の感謝祭のディナーメニューのコストは49.04ドルで、前年の49.48ドルから44セントの値下がりとなった。

この調査は今年で28回目で、ディナーに必要なターキー、パンの原料、エンドウ豆、ホイップ・クリームなど10種類の食材を調査している。今年は16ポンド(7.3kg)のターキーが21.76ドルで昨年より1ポンド当たり約1.36ドル安く、これがディナーメニュー全体のコストを引き下げた。

 

※2013年11月17日 Foodmarket.com

 
 

豚肉の消費者価格上昇、2014年は食肉すべて上昇

 
 

USDAの消費者物価指数によると、豚肉の消費者価格は9月に前月より0.4%値上がりした。前年同月比では3.2%の上昇となる。食鳥肉価格も同様に0.3%値上がりしたが、牛肉・子牛肉は0.3%低下した。

食肉価格(家庭内食用の消費者物価指数)は2013年に年間で1〜2%の上昇が予想される。これは2011年の8.8%増、2012年の3.4%増に続く3年連続の上昇。豚肉価格は2〜3%の上昇が見込まれている。

家庭用食品のCPI(消費者物価指数)は、9月まで横ばいで安定していたが、その後は1%ほど上昇する見込み。2014年の予測では、食肉(3畜種)の価格が上昇することから2.5〜3.5%の上昇が予想される。

 

※2013年11月17日 Foodmarket.com

 
USMEFインフォメーション

「アメリカン・ポーク バイヤーズ ガイド」を発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど『THE AMERICAN PORK BUYER’S GUIDE』(アメリカン・ポーク バイヤーズ ガイド)を発刊いたしました。本ガイドは主要部位の規格紹介をはじめ、アメリカン・ポークの生産から加工、流通、販売に関する基礎的な知識を網羅しています。

とくに、部位ごとの規格(計29品目)と用途紹介では日本の将来的な輸入環境の変化も見据えて、現在の人気部位に加え、骨付き商材今後の需要増が期待される部位やアメリカで人気のプルドポークなど新しい提案を多彩に掲載しています。

アメリカン・ポークは「高品質」「安定供給」「高い安全性」とともに、ロスの少ないきめ細やかなスペック製品を単品で供給できることが大きなメリットです。新しい商品開発や販売提案、既存業務の効率化などに本ガイドをご活用いただければ幸いです。

本ガイドをご希望の方はUSMEF加藤、中山までお問い合せ下さい。なお本ガイドはUSMEFのWebサイトでも閲覧ができます。
http://www.americanmeat.jp/trd/publications/book/index.html

 

 

 

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート