高値を続けてきた生体豚価格は、先物と現金取引ともにここにきて大きく値下がりした。アイオワ州とミネソタ州の平均価格は100ポンド当たり79.58ドルで、10月上旬に比較してほぼ15ドル下がった。
この下げは、季節的な要因(枝肉重量の増加と出荷豚の増加)よる供給増を見込んだもの。生体豚の重量は最新データでは213ポンド(96.6kg)と10月中旬から急激に増加している。新鮮な飼料穀物の出回りと天候の安定が要因であり、飼料価格の低下も増体コストを軽減している。
また生産者の一部では、PEDv(豚流行性下痢ウイルス)による損失を挽回しようと出荷を遅らせて増体を図る動きもある。11月第3週のと畜頭数は230万頭余りだったが、今後はと畜頭数が週ごとに増える可能性もある。 豚肉価格は前年よりもかなり高い水準にあり、パッカーは豚肉需要の改善から収益が良化している。カットアウト価格は100ポンド当たり90ドル以上で前年を9%以上も上回っている。
ロースとカタロースの価格が上昇しているのに加え、モモの価格も急激に回復。モモのプライマル・カット価格は前年より32%も高く、カットアウト価格全体の高値維持に貢献している。通常、モモの価格は11月の後半2週間はやや緩み、クリスマス前に再び上昇するが、今年は安くなる気配はない。
生体豚市場における現在の最大の懸念はPEDvの影響である。グラフはPEDvテストにおける陽性反応の発生数を示したもので、10月にその発生が急増している。11月第1週には、5〜6月の約2倍に達している。
この影響は5〜6カ月後、つまり2014年の春の後半から夏にかけての出荷頭数の減少となって現れる。年間でも最も出荷頭数が低下する時期と重なることから価格が急騰する可能性がある。感染頭数や生存率など不確実な要素も多いが、とうもろこし価格が4ドル台の安値の中で、来年の夏には再び100ドル相場が出現するかも知れない。
|