肉豚市場は非常に読みづらい状況にある。肉豚の枝肉現金価格は9月17日に100ポンド当たり97ドルに達し、ここ数週間低迷が続いていたパッカーのマージンをさらに低下させた。このため、パッカーは21日・土曜日のと畜頭数を3万頭まで絞り込んだ。この劇的な絞り込みの影響は即座に表れ、金曜日の平均枝肉価格が93.41ドルだったのに対し、カットアウト価格は100ドルを上回るまでに上昇した。
一方で、肉豚の先物価格は以前からの予想通りに下落し、パッカーはすぐに通常のと畜体制に戻した。しかし、こうした目まぐるしい変化以上に、第4四半期の肉豚供給には多くの不確定要素がある。
従来の予想では、10〜11月は季節的にと畜頭数が増加し、枝肉重量も増える中でBBQ需要が減ることから、豚価は下落するとされてきた。しかし最近のデータをみると、その予想にも疑問が出始める。一つには、9月第2週の土曜日から予想レベルよりも広い範囲で秋型のと畜傾向がみえ始めたこと。
ここ2週間の傾向で判断するのは早計だが、最も心配な点はUSDAの6月公表の飼養調査報告よりも供給量が非常にタイトなことだ。現状の数値を基に、以前のUSDAの予想よりも見通しを低くする必要がある。
今年5〜6月に発生が拡大したPEDv(豚流行性下痢ウイルス)は、第4四半期と2014年の第1四半期の肉豚供給に大きな影響を与えるだろう。USDAの次回公表レポートでは、この影響を分析しており、6月時点の報告より今後の出荷予測はかなり下方修正される見込み。今後2〜3週間で枝肉重量の季節的増加が予想通りに進まなければ、生体豚の供給自体がタイトであることが明らかになり、この秋冬には予想されているような豚価下落が起こらないことを示す、もう一つのシグナルになるだろう。
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