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TRADER'S Be & Po

vol.213 sep.17.2013
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 8月のフィードロット飼養頭数6%減、生体牛は高値継続
豚肉の在庫消化は予想外に進まず、モモは増加
需給トレンド フィードロットの出荷順調、枝肉重量は低下の兆し
ポーク関連ニュース フードサービス産業における豚肉利用が急拡大
ワールドトレード 豪州産穀物肥育牛の輸出が拡大
業界ニュース 7月の消費者物価、豚肉価格1.7%上昇、牛肉も0.5%アップ
USMEFインフォメーション USMEF日本事務所移転のご案内
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2013年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

8月のフィードロット飼養頭数6%減、生体牛は高値継続

 
 

米国農務省(USDA)の最新報告では、7月のフィードロットの肥育牛導入数は前年実績の89.6%に留まり、アナリスト予想の平均値97.5%をかなり下回った。8月1日現在のフィードロットの飼養頭数は合計で1002万6000頭、前年同月比5.9%減。主要11州のうち、カリフォルニア州だけが前年を8%上回ったが、テキサス州は6%減、カンサス、ネブラスカ、コロラド、アイオワの各州はいずれも7%減。

導入素牛の重量区分をみると、600ポンド(272kg)未満は前年同月比22.0%減、実数では11万頭も少ない。600-699ポンドは15.4%減(5万頭減)。800ポンド(363kg)以上の重量級は4%減(2万5000頭減)。700−799ポンド(317kg〜362kg)は3.2%減(1万5000頭減)。全体に導入素牛は軽量級と重量級に二極化しつつある。

7月の生体牛取引は良好だったが、アナリストは「今後90日間の市場動向は近年まれにみる重要な局面になる」という。肥育動向報告から判断すると、今年12月から来年2月までの間、肥育牛の供給サイドは強気である。タイムリーな出荷ができれば、来年の第1四半期を通して肥育牛価格は現状を維持する可能がある。

需要を維持するための価格リスクが膨らむ懸念もあるが、今年は第1四半期以降から牛肉需要は前年を上回って推移している。10月の先物価格のプレミアはさらに強まり、第4四半期の生体牛価格は例年どおりの季節的パターンで、第3四半期の平均価格を上回るだろう。ただ、カットアウト価格は近々、頂点に達するとの見方が有力。他の食肉との競争は避けられず、アナリストは100ポンド当たり190−191ドル程度で落ち着くと予想している。

 

※2013年9月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉の在庫消化は予想外に進まず、モモは増加

 
 

7月末日現在の食肉の在庫は、合計22億7500万ポンド(約103万1940トン)で前年同月比3%増、過去5年間平均と比較すると4.2%上回っている。

<豚肉>

豚肉の全在庫は5億4530万ポンド(24万6200トン)で、前年同月比0.8%減だが、過去5年間平均との比較ではまだ11.7%も多い。豚肉の在庫は通常なら7月には大幅に水準を下げるが、今年は前月比4%減とわずかな減少にとどまった。6月の在庫消化が前月比14.3%減と空前の水準を記録したこともあるが、エンドユーザーは7月の在庫消化には慎重だった。モモの在庫量は1億8160万ポンド(約8万2374トン)、前年同月比で15.1%増、過去5年間平均との比較では31.8%増と依然として多く、前月に比べ12%も上積みされた。

一部のエンドユーザーはPEDv(豚流行性下痢ウイルス)の影響を懸念し、サマー・ホリデー需要に備えて、ある程度の在庫を持つことを決断したようだが、供給が安定する中で追加の在庫は年末に向けて価格を下げる要因となるだろう。9〜11月にかけての豚肉市況は弱基調と予想されているが、実際にどれくらいの在庫が市中に出回るかにかかっている。

バラの在庫は2829万ポンド(1万2832トン)で前年同月を0.7%上回っているものの、5年間平均では約29%も少ない。挽き材の在庫は3700万ポンドで前年同月比18.1%減、5年間平均比では7.1%減となっている。

<牛肉・豚肉>

ボンレス・ビーフの在庫(輸入品、脂肪、トリミング含む)は4億1930万ポンドで前年同月比8.1%増、5年間平均との比較では15.7%増と多い。この内訳は不明だが、最近の牛肉の価格動向から判断すると、赤身の在庫が前年を上回っているとは考えづらい。カット肉の在庫は4460万ポンドで前年同月比39%減、5年間平均との比較では32%減と推定される。

鶏肉の合計在庫は6億8510万ポンドで、前年同月比5.3%増と着実に増加している。季節的な在庫増加は予測されていたことだが、ブロイラーの急激な在庫増は、年初の価格急騰の後に需要が壁にぶつかったもので、このまま推移すると年末にはかなりの打撃を受けるかもしれない。

 

※2013年8月26日 NPB Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 

 

  冷凍豚肉の在庫量の推移
 
需給トレンド

フィードロットの出荷順調、枝肉重量は低下の兆し

 
 

フィードロットからの肥育牛の出荷は順調で、市況も良好である。7月の出荷は、と畜稼働日が昨年より1日多かったものの、ほぼ前年並みにとどまった。8月の出荷も現状を十分に維持できるとみられ、生体牛価格の高値は第4四半期まで続きそうだ。

今後のキーポイントの一つは枝肉重量である。最新の報告では、8月第3週末の枝肉重量は去勢肥育牛の平均が864ポンド(392kg)、未経産肥育牛は791ポンド(359kg)でいずれも前年より1ポンド軽くなっている。全体平均は前年より5ポンド重いが、これは繁殖母牛のと畜頭数が前年より週あたりでほぼ1万頭多かったためである。もう1つの重要な判断材料は、これから10月下旬までに導入される素牛は、季節的に増体率が落ちると予想されることだ。

また、去勢牛と未経産牛のと畜動向も注視される。パッカーは8月に運営利益を上げるために、と畜頭数を絞った。4〜6月に導入された素牛は重量級が多く、今秋はこれらの出荷が集中する。フィードロットで出荷重量に達する肥育牛が潤沢のため、去勢牛と未経産牛をタイムリーに出荷し、肥育牛の在庫を整理することが重要になるだろう。

 

※2013年9月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

フードサービス産業における豚肉利用が急拡大

 
 

Technomic社が行ったフードサービスにおける豚肉需要の調査によると、豚肉は過去2年間で最も成長した食肉で、現在もその人気が継続していることが明らかになった。フードサービス経由で消費される豚肉の総量は92億5000万ポンド(419万5734トン)に達し、過去最高を記録。2011年の調査に比べて4億6200万ポンド(約21万トン)、2.6%も増加した。

この伸びは、総タンパク質の増加率0.8%増やフードサービス業界の成長率1.5%増を上回るもので、ポークチェックオフのフードサービス部門責任者は「豚肉はトレンディ―な世界各国の料理素材として、また加工品だけでなく主要食材として、朝食から夕食のメインまでメニューの使用範囲が広がっている。カニータ・ミート(メキシコ料理用)や肩肉などのプルドポークが増加しており、フードサービス産業においても豚肉の多様性が評価されている」と分析する。

2011年以降のフレッシュ・ポークの伸びは3.5%増で、豚肉全体の伸びを牽引した。加工用豚肉も2.3%増加しており、とくに朝食用のハム、ソーセージ、ベーコンが成長した。中でもベーコンは2011〜13年にかけて1億200万ポンド(5443トン)も増加。カニータ・ミートの8%増をはじめ、ダイスカットされたものが6.6%増、スティック製品が6.4%と伸びている。豚ひき肉、カナディアン・ベーコン、イタリアン向けの豚肉や骨付き肉も顕著な伸びを示した。

 

※2013年8月26日 NPB・News

 
ワールドトレード

豪州産穀物肥育牛の輸出が拡大

 
 

オーストラリアは世界的な穀物肥育牛肉市場において、米国産牛肉と徐々に競合しようとしている。同国の第2四半期の穀物肥育牛肉の輸出は、前年同期比で8%増加しているが、6月30日現在のフィードロットでの飼養頭数は87万3000頭と2006年以降で最も多い頭数となっている。過去3年間の肥育頭数は70万頭から80万頭の狭い範囲内で変動しており、現状の87万3000頭はかなり大きな変動である。

とくにクイーンズランド州の肥育頭数は52万3400頭と11%も増加した。年初からの干ばつで、北部地帯と西部地帯の一部で大量の家畜移動があり、記録的な肥育頭数となっている。MLAの主任アナリストは2012年〜2013年の穀物肥育牛肉の輸出量は19万8000トンで前年比2%増、過去5年間平均との比較では5%増加、国別には、日本(6%減)と韓国(1%減)への減少分は、EU諸国と(82%増)と中国(429%増)などで相殺以上の伸びを果たしたという。

しかし豪州産の穀物肥育牛肉の輸出量は、米国産牛肉にとってはまだ微々たるものであり、市場への影響は少ない。米国産牛肉の輸出は2013年上期で54万2560トン、重量ベースでは1%減だが、金額ベースでは28億3000万ドルで6%増加している。6月の牛肉輸出は日本(66%増)がトップで、香港(156%増)、メキシコ(14%増)をはじめ、台湾(400%増)、中南米(主にペルーとチリで62%増)など順調に伸びている。

 

※2013年8月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
業界ニュース

7月の消費者物価、豚肉価格1.7%上昇、牛肉も0.5%アップ

 
 

米国農務省・経済統計局(USDA・ERS)が公表した2013〜14年の食料品価格展望によると、2012年の食品小売価格は中西部の大規模な干ばつにもかわらず、大部分の商品には大きな変化はなかった。牛肉、家きん、果物などが値上がりし、豚肉、卵、野菜類は値下がり、残りの食品カテゴリーの大部分は横ばい。ただ昨年の干ばつは、2012年の第4四半期から2013年前半の食料品の小売価格に影響を与えている。

7月の食料品の消費者物価指数は、6月に引き続き0.1%上昇し、前年同月比1.4%増。家計における消費者物価指数(個々の食品の物価指数平均)は6月から7月にかけて変化はなかったが、豚肉価格は1.7%も値上がりした。2012年の干ばつの影響で通常以上の飼料コスト高となったことに加え、強い国内需要と輸出需要が豚肉価格を上昇させた。

牛肉価格と子牛肉価格は、これまでにも過去最高値を更新してきたが、6月から7月にかけても0.5%上昇した。飼養頭数が歴史的な低水準にあり、2014年まで牛肉製品の小売価格は継続的なインフレ状態が続くと予想される。鶏肉は、6月から7月にかけて食品の中で最も価格が下落した。飼料コスト高から年初から高値が続いてきたが、ブロイラーの大量供給が影響し、7月は0.7%値下がりした。

 

※2013年9月2日 USDA・ERS

 
USMEFインフォメーション

USMEF日本事務所移転のご案内

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)日本事務所は9月2日付で事務所を下記に移転しました。
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マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート