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TRADER'S Be & Po

vol.212 aug.26.2013
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
受給トレンド 肉用雌牛の飼養頭数減少、2014年には肥育素牛が不足か
市況ニュース ポークカットアウト価格が高騰、需要好転
ポーク関連ニュース 斬新なネーミングが豚肉消費に火をつけた
トピックス 牛内臓の輸出強化、世界市場を開拓―USMEF
USMEFインフォメーション USMEF日本事務所移転のご案内
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2013年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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受給トレンド

肉用雌牛の飼養頭数減少、2014年には肥育素牛が不足か

 
 

7月1日現在の雌牛の飼養頭数は、前年比2%減となる可能性がある。家畜マーケテイング情報センター(LMIC)の予測では、雌牛の飼養頭数は前年より1〜2%減少しているという。未経産牛の飼養頭数は前年とほぼ同水準で、繁殖用雌牛の更新・保留がまだ進んでおらず、牛群の再構築が始まっていないことを示している。

LMICの推測によれば、7月1日現在の肉牛(子牛含む)の総飼養頭数は9605万頭で前年比98.2%。肉用牛雌は2985万頭、同98.5%。未経産牛は420万頭で前年と変わらず。2013年の子牛生産頭数は3355万頭で同97.9%と予測している。乳用牛は0.5%増と前年を上回るものの、肉用牛雌は7年連続の減少。

肉用牛雌のと畜頭数は今年上半期に3.1%減少したが、ここ3週間でさらに減少しており、今年後半も減少する可能性が高い。例年、未経産牛の飼養頭数は1月時点に比べて7月時点では減少するが、今年はその減少率が通常より少ない。これは今年上半期に、繁殖更新用の未経産牛がフィードロットに導入されたことを示している。上半期の未経産牛のと畜頭数は減少しているが、ここ4週間は前年レベルを上回り、フィードロットにおいて出荷重量に達した未経産牛が多くなっていることをうかがわせる。

未経産牛の保留は今年後半から本格化するかも知れないが、未経産牛のと畜動向、フィードロットへの導入頭数の動きを合わせて考えると、2014年1月にはさらに肉用牛雌の飼養頭数が減少しているだろう。

7月1日現在でフィードロット導入前の肥育素牛は2%減少していると推測される。これは、2013年の子牛生産頭数の少なさと輸入素牛の減少が要因だ。LMICは、今年後半に未経産牛が繁殖用に保留されると、2014年の肥育素牛の供給は劇的に絞り込まれることになると予想している。

 

※2013年8月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
市況ニュース

ポークカットアウト価格が高騰、需要好転

 
 

ポークのカットアウト価格は例年、7月上旬に年間の最高値に達するが、今年は8月に入って再び騰勢している。これまではバラの高値がカットアウト価格を引き上げてきたが、ここにきて他のプライマルカットの価格も前年を上回り、8月9日のカットアウト価格は100ポンド当たり105.5ドルと前年に比べて12.81ドルも高くなっている。バラに加え、ひき材の価格が高値で引き締まっていることが他カットの底上げにつながった。

カットアウト価格が高騰している要因は、①供給量がタイトな中で季節需要が本格化した②輸出が良化していること。ただし輸出に関しては、統計的な数値はまだ明らかになっていない。

国内需要は明らかに好転している。今年は昨年に比べて気候が全国的に涼しいことからBBQ需要が盛り上がり、ホットドック、ソーセージ、ハンバーガーなど主要アイテムの消費が良好。また、フードサービス需要と失業者数が遅ればせながら改善してきたことも追い風となった。

豚肉需要の急速な回復により、近々出荷豚の供給が不足する懸念もある。週あたりのと畜頭数をみると、8月第1週は201万9000頭で前年同週より1.3%少なく、3週連続で前年よりも落ち込んだ。6月1日現在の飼養動向調査で、120ポンド未満の肥育豚の頭数は前年比1%増だったが、6月1日以降の週あたりと畜頭数の合計は1981万5000頭で、前年同期比0.6%増となっている。

 

※2013年8月12日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 

 

  ポークカットアウト価格の推移
 
ポーク関連ニュース

斬新なネーミングが豚肉消費に火をつけた

 
 

NPB(全米豚肉委員会)は「the other white meat(もう一つの白身肉)」キャンペーンの成功に留まることなく、さらなる販売促進策を展開している。「Pork Social」と呼ばれるこの活動では、2月に「ポーク・ベース ソシアル ネットワーク」を立ち上げ、4月にポークのカット肉の人気アイテムの名称をいくつか変更した。これは消費者の混乱や誤解を解消することを目的としたもので、NCBA(全米牛肉生産者協会)との18カ月間に及ぶ共同研究を経て新しい名称を決定した。

従来のロイン/アイオワ・チョップは「ポーク・ポーターハウス・チョップ」に、ポーク・リブ・チョップ・センターは「ポーク・リブアイ・チョップ・ボンイン」、同骨なしは「ポーク・リブアイ・チョップ」、そしてトップ・ロイン・チョップは「ポーク・ニューヨーク・チョップ」となった。

ビーフで馴染みの深い名称に変更されたことで、消費者はそのカット肉の特徴や調理方法が分かりやすくなった。NPBはスーパーマーケットの売り場で「名称変更プラン」を進め、新しいネーミング・タグの添付を推進してきたが、「この斬新なネーミングがポークの消費拡大に寄与している」と自負する。豚肉消費が2012年6月から2013年6月までの間に14.3%も上昇していることは、NPBの取り組みが成功しているといえる。

 

※2013年8月11日 NEWTON DAILY NEWS/2013年8月5日Meating place

 
トピックス

牛内臓の輸出強化、世界市場を開拓―USMEF

 
 

USMEF(米国食肉輸出連合会)は輸出企業関係者らとともに記者会見を開き、世界各国の市場アクセスが変動する中で、牛バラエティー・ミートのさらなる輸出拡大に取り組む方針を説明した。注目される新市場の一つはアフリカだが、市場参入の制限次第で既存市場でも拡大できる国々が多くあるとして、輸出拡大が米国の牛肉産業にもたらす価値を説明した。

USMEFのダン・ハルストロム上席副会長は、「USMEFは米国のバラエティー・ミートの可能性を増大するために、世界の100カ国以上で活発に活動し、各国のニッチ市場も研究開発している。外食産業や小売業界の食肉のバイヤーに対し、さまざまなアイテムが彼らのビジネスにどのように役立つかを提案。販促サポートだけでなく、教育プロセスの段階から取り組んでおり、各市場での需要を継続的に成長させている」という。

牛の副産物価格は7月に過去最高値を更新

米国内では価値が低い牛内臓は、世界各国の需要により輸出額が記録的に伸びている。牛の副産物の価値は、多くのパッカーで「ドロップ・クレジット」「第5四半期」と呼ばれるほど重要な要素である。今年の輸出額は、年初からの30週間で11回も記録を更新した。この背景には、牛タン・小腸など全ての内臓や原皮に対する世界的な需要増大がある。

米国農務省(USDA)は、牛の副産物で代表的な16アイテムをリスト化しているが、これらの価格は7月下旬に100ポンド当たり14.70ドルと過去最高を記録した。と畜時の生体重量を1360ポンドで換算すると、1頭あたりで200ドルの価値に相当する。多くのパッカーは内臓の商品化で更なる付加価値を加えており、これよりも最大で20ドルの価値を追加している。

2012年の輸出額55億1000万ドルで記録更新

USMEFによると、2012年の米国産牛肉輸出金額は55億1000万ドルで新記録を達成したが、このうち牛内臓は7億310万ドルで12.8%を占めている。輸出量では32万1772トンで牛肉全体の28.4%を占める。

グレーター・オマハ社の輸出担当のジェリー・ウィッグ氏によれば、牛の大腸・小腸は、国際市場が一時的に閉ざされていた時は廃棄されていたが、現在は韓国・メキシコへと輸出されている。これらの国なしでは腸関連の製品の市場価値は消滅するという。

同じことは他の製品にも当てはまる。牛タンの90%以上が北アジアとメキシコに輸出され、中東、南米、ロシアは米国産の牛の肝臓、心臓、腎蔵の90%以上を輸入する。メキシコと東南アジアの消費者は、米国産牛の胃袋の75%以上を消費している。

市場アクセスの改善がプレミアムを生み出す

USMEFは、市場参入制限が改善されることによって内臓製品のプレミアム価格が生み出されるという。例えば今年、ラクトパミン問題でロシア市場が閉ざされた時、肝臓の価格は1ポンド当たり64セントから39セントに落ち込み、牛1頭当たりの輸出金額で約3.5ドルが消失した。同じく中東の政情不安でエジプトへの出荷アクセスが脅かされたときには、肝臓の価格は7セントまで急落した。また、ロシアは牛ほほ肉の価格にも同じような影響を及ぼしている。1頭当たり約4.25ポンドのほほ肉はポンドあたり1.37ドルだか、ロシアの買いは価格を10〜20%押し上げるため、この1アイテムだけで牛1頭当たり1ドルを付加することができる。

正反対の事例は日本の月齢変更。日本からの牛タン需要が急増し、タンの価格がポンド当り2ドルから4ドルに上昇した。1頭当たりの牛タン重量を2.8ポンドとすると、このシングル・カットだけで牛1頭当りの価値をおよそ5.60ドル押し上げた。

 

※2013年8月5日 CATTLE BUYERS WEEKLY および Meating placeより。

 
USMEFインフォメーション

USMEF日本事務所移転のご案内

 
 

米国食肉輸出連合会はこの度、周辺地域の大規模な開発計画に伴い日本事務所を下記に移転します。移転を機にスタッフ一同気持ちを新たに一層の努力をいたす所存でございますので、今後ともご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
なお、新事務所での業務開始は9月2日(月)からとなります。
《新オフィス》
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-2-20 第3虎の門電気ビル12階
TEL/03-3501-6328  FAX/03-6205-7330

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート