現在のフィードロットの素牛導入のパターンは、今秋の生体牛市場が予想以上に弱くなる可能性があることを示唆している。7月12日公表のキャトル・オン・フィード・レポートでは、6月の素牛導入は前年比5%減だが、引き続き重量級の素牛の導入が増え続けている。
3月〜5月にかけて、800ポンド(363kg)超の素牛が前年より27万7000頭も多く導入された。その大半は4月、5月であるが、6月も同様の傾向を示したことで、今秋は当初予想よりもかなり大量の肥育牛が出荷され、価格が落ち込む可能性が高い。10月の先物取引は、7月11日の段階で100ポンド当たり126.42ドルを付けているが、今後数週間の現金価格が116〜118ドルに低迷するようなら、価格の回復はかなり難しくなる。
アナリストは「導入重量からみて、8〜9月には十分に肥育された牛が大量に出荷され、結果として先物価格と現金取引が弱含む。さらにこの先安を見越して、肥育業者の出荷が前倒しになる」と予測する。6月のと畜頭数は前年比1%減。去勢牛と未経産牛の枝肉重量は前年より1ポンド軽かったが、過去5年平均を上回って推移している。なお導入数が減少しているのは、昨年の干ばつの影響に加え、メキシコからの輸入が減少していることも一因。6月の生体牛の輸入頭数は、前年に比べて7万3000頭少なく、1-6月では41万9847頭も少ない。
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