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TRADER'S Be & Po

vol.208 june.24.2013
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
ワールドトレード 世界の食肉生産は伸び率鈍化、価格は上昇―FAO
輸出トレンド 米国の牛肉輸出先で、日本が2003年以来で初のNo.1市場に
市況ニュース 長雨で牛肉販売も不振、チョイス級の価格下落
ポーク関連ニュース ワールドポークエキスポでPQAプラスの改訂版を発表
業界ニュース 韓国系投資企業がネブラスカ州に牛肉工場の新設を計画
セーフティ関連ニュース テンダーライズ製品の表示規則案を提案、カナダでも同様の動き
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2013年1〜4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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ワールドトレード

世界の食肉生産は伸び率鈍化、価格は上昇―FAO

 
 

FAO―OECD(国連農業食糧機構−経済協力開発機構)が公表した「食糧と農業の見通し2013-2022」によると、今後10年間の世界の食肉生産量の年間平均伸び率は1.6%増に留まり、前の10年間の伸び率(2.3%増)よりも鈍化すると予測。土地と水の制約からコストが上昇する一方で、生産量の伸びが鈍ることで需要面の競合が強まるとしている。特に家禽肉は、この10年間の平均伸び率が3.7%増であったのに対して、今後10年間は1.9%増に減速し、これが食肉全体の生産量の伸び率を低下させる主因となる。

世界の食肉輸出量は、家禽肉と牛肉の増加により、2022年までに現在よりも19%増加する。ただし年間の平均伸び率は1.6%増で、前の10年間の平均伸び率(4.3%増)を大幅に下回る。世界の農業全体の生産量は、過去10年間は平均2.1%の成長であったが、今後10年間の平均伸び率は1.5%増に低下すると予測されている。このため、今後10年間は食肉、魚介、バイオ燃料向け穀物など主要農産物の価格が上昇。家畜の飼養頭数の減少など供給サイドの要因により、食肉の価格は上昇して高値を維持すると予測される。

 

※2013年6月6日Meating Place

 
輸出トレンド

米国の牛肉輸出先で、日本が2003年以来で初のNo.1市場に

 
 

USMEFによると、1〜4月の牛肉輸出量は34万3,020トンで前年比5%減であったものの、金額で17億5,000万ドルで同2%以上の増加となった。豚肉は70万2,268トン、金額では19億6,000ドルでいずれも前年に比べ10%減。ラクトパミンによる輸入規制問題は、これまで1億5,500万ドルのダメージを与えているが、USMEFによれば、輸出の全体的な傾向は、市場アクセス問題と主要市場の国内供給の過剰によって低迷しているという。ロシア、メキシコ、韓国などがその代表的な市場である。しかし4月の輸出動向をみると、いくつかの主要輸出国で拡大に向けた兆候が明確に表れている。とくに日本は数量で49%増、金額で44%増と著しい伸びをみせ、カナダを抜いて2003年以来で初めてNo.1市場の座を回復した。香港も引き続き成長を維持し、台湾も昨年の落ち込みから回復傾向にある。

USMEFのフィリップ・セングCEOは「日本の成長についてのUSMEFの予測は、当初あまりにも強気だと指摘されたが、われわれは日本の既存のバイヤーの要 望を熟知しており、米国産牛肉の幅広い商品供給力が新しいビジネスを広げることを確信していた」という。ただしセングCEOは、日本への牛肉輸出があまりにも急激に増加するとセーフガードが適用されることになり、米国の輸出業者と日本の輸入業者双方の熟慮が必要だと指摘している。

 

※2013年6月10日Cattle buyers weekly

 
市況ニュース

長雨で牛肉販売も不振、チョイス級の価格下落

 
 

5月の長雨は、とうもろこしの作付けを遅らせるとともに、小売店での牛肉販売にもダメージを与えた。牛肉の需要増が期待されたメモリアルホリデー(5月の最終月曜日)と積極的な販売促進活動にもかかわらず、降雨によって牛肉の購買意欲が弱まってしまった。これによる肥育牛の販売マージンの低下と、今年後半から来年までのフィードロットの運営コストを左右するとうもろこしの作付け遅れは、肥育業者の素牛導入意欲を減退させてしまう可能性もある。

東海岸地帯での6月第1週の週末は、牛肉の売れ行きが鈍くチキンの販売が増加したといわれる。消費者の節約志向は依然として強く、ボックスビーフの価格は著しく下落した。チョイス級のカットアウト価格は5月23日に100ポンド当たり211.37ドルの最高値を付けたあと、日を追うごとに値下がりし、6月6日には203.63ドルまで水準を下げた。アナリストは「これまでチョイスはあまりにも高すぎた。今はその修正局面だ」という。牛肉販売の期待が外れたことで、小売のバイヤーは「当用買い」に終始する可能性がある。パッカーは部位によってはかなり在庫を持ちこしており、先行きの売りのポジションを見極めようとしているが、中長期的にみると、チョイスの価格は夏場に188〜199ドルでもみ合うことになるかも知れない。

 

※2013年6月10日Cattle buyers weekly

 
ポーク関連ニュース

ワールドポークエキスポでPQAプラスの改訂版を発表

 
 

アイオワ州デモインで開催されたワールドポークエキスポ2013で「PQA Plus®」(豚肉品質保証プログラム)の改訂版が発表された。PQA Plus®は全米豚肉生産者協議会(NPPC)が開発した豚肉の安全基準と動物福祉などの関連する重要な規定を定めた品質保証プログラムで、1989年の導入以来、その有効性を高めるために定期的な更新と改訂が行われている。

6月7日より施行される改訂版では、従来の諸規則、規定に加えて①プログラムの参加者は基礎的な適正生産規範10項目に関する質問でのテストに合格する必要がある②再認証はオンライン処理を利用することができる③プログラム参加農場は、サイトの評価で非準拠があった場合はすべて是正措置計画を提出しなければならない④プログラムのトレーナーやアドバイザーは、従来よりもさらに広範な情報と指示を受けるとることができる― などが追加された。同プログラムの詳細はwww.pork.org/certification.で入手することができる。

 

※2013年6月6日NPB news release

 
業界ニュース

韓国系投資企業がネブラスカ州に牛肉工場の新設を計画

 
 

韓国の投資家は、ネブラスカ州スコットブラフ市に新しい牛肉処理工場を建設する計画を明らかにした。計画では、35万8,000平方フィートの敷地に1日あたり1,500頭の処理能力をもつ牛肉工場を建設し、年間で30万〜37万5,000頭を処理する。フューチャー・フード・エネルギー・LLC社は同市が所有する43エーカーの土地に工場を建設したい意向で、市側は工場が建設された場合の経済効果を調査している。最高550人の雇用が期待されるが、会社側は韓国系アメリカ人を中心に雇うことを望んでおり、地元住民と地域社会では工場建設に対する懸念もある。そのほかにも、なぜ工場を建設する必要があるのか、経済的にペイできる十分な生体肥育牛を確保できるのかなどいくつかの疑問がある。米国の牛の飼養頭数は1952年以降で最も低いレベルにあり、2012年の子牛の生産頭数は1941年以降で最も少なかった。繁殖用の雌牛の頭数は今年も減少することが見込まれ、2014年の子牛生産頭数はさらに減少する。牛の総飼養頭数は2016年〜2017年までは増加に転じることはない。スコットブラフ・スター・ヘラルド紙はネブラスカ、コロラド、ワイオミング州の少数の肉牛生産者が新しい施設のオーナーになると報じている。

 

※2013年6月10日Cattle buyers weekly

 
セーフティ関連ニュース

テンダライズ製品の表示規則案を提案、カナダでも同様の動き

 
 

USDA・FSIS(米国農務省食品安全検査局)は、テンダライズ(機械的に軟化処理された)牛肉製品に関する表示規則を提案した。この表示には加熱など調理 上の注意も含まれる。FSISは消費者からの要望を受けて、以前からテンダライズされた牛肉製品の安全性と、その表示について検討してきた。カナダでも7月2日付で必要に応じて同じラベルの添付を導入する。機械的にテンダライズされたカット肉(ステーキやローストビーフなど)を生産するカナダの連邦政府に登録されたすべての工場が対象となる。この動きはカナダ政府による「食品安全アクションプラン」の一環でもあり、カナダ保健省もスーパーマーケットなどでテンダライズ処理された牛肉を特定するために、より幅広い表示義務を課したラベルを提案する予定である。

 

※2013年6月6日MeatPoultry.com / 6月10日Cattle buyers weekly

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート