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牛肉の需要回復と供給減を反映し、チョイスビーフのカットアウト価格が高値を更新している。牛肉のバイヤーはチョイスビーフの補充手当てのため、3週間にわたる高値購入を強いられている。本格的なバーベキューシーズン入りから、小売ではステーキアイテムを中心に牛肉が大々的に拡販されており、チョイス級のミドルミート(ロイン系)は5月2日以降、100ポンド当たり200ドルを超えて推移している。
カットアウト価格は5月13日に最高値を更新して以降14、15日と続伸、100ポンド当たり208.77ドルまで上昇した。これは予測をはるかに超える高騰であり、弱含みを続ける生体牛の先物市場と相反する推移をみせている。
需要の好転に対して生体牛の先物市場の反応が鈍いのは、今後の牛の供給増と需要減、さらには牛肉ならびに豚肉の輸出の減少を予測していると思われる。例年なら供給量は夏場に向けて増加するが、今年はこの数ヵ月間のフィードロットへの導入頭数から判断して、牛肉の供給は前年を下回っている。輸出関連では、2月に月齢制限が緩和された日本向けの輸出量が急増。3月は前年比80%増、金額ベースでも62%伸長した。大手パッカーによると、4〜5月も継続的な増加が見込まれている。
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4月のフィードロット導入頭数は、最も重量の大きい(800ポンド超)区分の肥育素牛が前年比11万4,000頭も増加した。アナリストは秋口にかけての価格下落を避けるため、今夏の出荷時期について肥育業者に注意を呼びかけている。
USDAによると、4月のフィードロット導入頭数は4区分(生体重量)すべてで増加した。600ポンド以下では2万頭増(5.6%増)、600〜699ポンドは2万頭増(8.0%増)、700〜799ポンドでは7万5,000頭増(19.7%増)、800ポンド超では11万4,000頭増(21.3%増)となった。4月の全体の導入頭数は175万頭で前年比15.1%増、22万9,000頭も上回った。しかし、これは2012年の導入頭数が
2002年以降で最も少なく、過去5年間の平均を10万頭も下回る水準だったことによるもの。昨年5月の導入頭数は208万7,000頭(15.3%増)であることから、今年5月の導入頭数は前年実績を大幅に下回る公算が大きいが、それでも4〜5月を合算すると前年を上回るとみられる。HedgersEdge.comのアンドリュー・ゴットシャルク氏は、秋口の在庫積み増しを防ぐためにも、積極的な出荷が重要になると指摘する。なお、4月のフィードロットからの出荷頭数は前年比2.2%増の185万5,000頭、5月1日現在の飼養頭数は3.4%減の1073万5,000頭。
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