養豚産業の収益性改善については、今春の豚価の上昇することにより改善されると予想していたが、2〜3月の豚肉輸出の減少により、実現には至らなかった。しかし、収益性回復の見通しは、飼料穀物価格の低下により確かなものになりつつある。3月末のUSDAの穀物在庫報告では、コーンと大豆の在庫量が予想以上に多かった。これを受けて、コーンの価格は1ブッシェル当たり1ドル、大豆は1トン当たり3
0ドル下がった。
干ばつの影響で飼料価格が高騰した2012年第3四半期には、1頭当たり26ドルの損失を出したが、今年の第1四半期の生体豚価格は62ドルに近づいた。第2四半期と第3四半期の間には60ドル台の半ばまで上昇すると予想される。そうなれば第2四半期には全ての生産コストを賄い、第3四半期には1頭あたり8ドルの適正利益を確保できるかも知れない。飼料コストは第4四半期には下落し、引き続き2014年の先物価格も続落する。総生産コストも、今秋早々には下がり始め、2011年以来で初めて60ドル未満になることも予想され、養豚業界の収益改善は2014年の夏まで続くだろう。
ただ、豚肉輸出量の更なる減少という懸念もある。円相場の下落により、豚肉の最大輸入国である日本の購買力が低下することも考えられる。最も大きな心配は飼料原価の高止まりだ。USDAの最新報告で飼料穀物の在庫量が豊富だと判明するまで、近年にないほどに「弱気」と「強気」の間で揺れ動いた。最新の報告書が正確な在庫規模を示しているかどうか―今夏の半ばまでに飼料価格がどう動くか、これからの100日間が2013年の畜産業の収益性を左右する非常に重要な時期である。
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