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TRADER'S Be & Po

vol.200
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体豚価格が持ち直すもロイン、ハムは安値続く
業界ニュース 2013年のフードビジネス展望、財政の壁で多難な年
2011年ビーフパッカーランキング、上位のシェア変動なし
ポーク関連ニュース 豚肉在庫は依然として高水準、ベリーは動き良化
企業ニュース アグリビーフ社が牛肉工場にバイオガス工場新設
インフォメーション 「米国プロセッサーリスト」を作成、製品輸入を促進
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2012年9〜10月)
米国の輸出、と畜頭数・枝肉生産量 飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体豚価格が持ち直すもロイン、ハムは安値続く

 
 

生体豚と豚肉の価格は9月から反発している。生体豚価格は82ドル(100ポンド当たり)で前年より安いものの、9月上旬から20ドルも値を戻している。この回復要因は、パッカーへの早出しと、それに伴う生体重の軽量化によるもの。最近の豚枝肉重量は平均206ポンド(93.4kg)で、前年同期比で約2%減少している。

この軽量出荷により、末端市場への出回り量が低下していることで、価格が締まってきたとみられる。直近のUSDAのデータによれば、12月第1週の週末の豚と畜頭数は240万頭で前年比1.5%アップしたが、枝肉生産量は4億9,240万ポンド(22万3,350トン)で同0.5%減となっている。

ポークのカットアウトバリュは比較的堅調になったものの、ロインとハム(モモ)は軟調のまま。ロインの価格は88.39ドルで前年に比べ6%安、約5.9ドル値下がりしている。ハムは72.91ドルで7%安、約6ドル安で取引されている。一方で、バラは118ドルと9%、約10ドル高と善戦しており、カットアウトバリュを約1.6ドル押し上げ、ハムの下落分を相殺している。

来年の価格見通しについては、第1四半期は季節的に出荷が減少するが、前年を上回る出荷となれば価格は落ち込むだろう。飼料コストの高騰に対応した肥育期間の短縮と軽量出荷を来年の夏まで継続することによって、ブッシェルあたり8ドルのトウモロコシを給与しても、利益が出せる損益分岐まで価格を戻せるかどうかである。少なくとも来年の5月までは一定の損失を覚悟の上で軽量出荷を続けることになろう。

 

※2012年12月3日NPB「Pork Merchandiser’s Profit Maximizer」

 
業界ニュース

2013年のフードビジネス展望、財政の壁で多難な年

 
 

米国の第3四半期の経済成長率は+2.7%の改善を示した。この4カ月間で70万人の追加雇用や住宅価格の高評価、ガソリン価格の安定などにより、消費者信頼インデックスは過去5年間で最も高いレベルを記録した。しかし、次の議会の論点となる増税と財政支出の削減、いわゆる「財政の壁」問題が連日報道されており、消費の先行きに懸念が強まっている。これは、フードビジネスにも重大な影響を与えることが予想される。

目前に差し迫る懸念は、この12月末に社会保障減税が期限切れになること。米国議会は2011〜2012年の間に、従業員の社会保障税率を6.2%から4.2%に引き下げることを決めている。議会がこの期間延長を議決しなければ、2013年1月1日以降、全米の約1億6300万人の雇用従業員は、社会保障基金に現状より2%多く支払うことになる。平均的な家庭では毎週の家計支出が約20ドル減ることになり、可処分所得の減少が食費の支出にも大きな影響を与えると予想されている。

すでに消費者の外食支出は減少し、レストラン経営指標は10月も低下している。この指標では「現状」と「先行き」の双方で指数100を下回っており、縮小傾向を示している。NRA(全米レストラン協会)の集計では、10月の来店客数はさらに低下し、年初の指標に比べると3%も低下している。

毎月の小売販売データでも同様の傾向がみられる。末端販売では、消費者は引き続き高値の牛肉価格に抵抗している。9月の小売販売データは、豚肉価格が前年比で2.7%安くなったのに対し、牛肉価格は5.4%も上昇している。消費者は牛肉のモモ肉などを買い控え、鶏肉に需要をシフトしている。これは、2013年の年初の生体牛市場にとって大きな不安材料となろう。

「財政の崖」に係わる報道の多くは、誰がより多くの税金を、いくら支払うかに絞られているが、こうした報道は全ての納税者に衝撃を与えている。社会保障減税が期限切れになると、直ちにフードビジネスに影響が出る可能性がある。さらに、増税は小売、外食の現状の需要の弱さに追い打ちをかけるだろう。ビーフパッカーは損失を出しながら、と畜頭数を減らすことで高値を維持しようとしているが、エンドユーザーからの値下げ圧力はますます強まることが予想され、2013年のフードビジネスは多難な年となろう。

 

※2012年12月3日NPB「Pork Merchandiser’s Profit Maximizer」

 
 
 

2011年ビーフパッカーランキング、上位のシェア変動なし

 
 

2011年の大手牛肉パッカーの市場占有率は、2010年とほぼ同様だった。2011年のトップ5社(カーギル・ミートソリューションズ、タイソンフーズ、JBS・USA、ナショナルビーフ・パッキング、アメリカン・フードグルーブ)の占有率は、全商業用と畜頭数の78.6%を占めたと推定される。トップ3社のシェアは2010年と同じ62.4%と推定。トップ5社の肥育牛(去勢と未経産)のと畜頭数に占めるシェアは89.0%で、前年の89.9%からわずかに低下した。トップ3社では73.4%で0.4%上昇した。

上位30社合計のと畜能力は前年より1.8%増加した。30社合計のと畜工場は56工場で、1日あたりのと畜能力は13万6,395頭。1年前は13万4,020頭であった。増加の主な理由は、ノーザン・ビーフ・パッカーズ(サウスダコタ州)とトリプル・Jファミリー・ファーム(ミネソタ州)の2つの工場が新設されたこと。またセントラル・バレー・ミート(カリフォルニア州)が増強(400頭増)したことである。

 

※2012年11月19日CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 
ポーク関連ニュース

豚肉在庫は依然として高水準、ベリーは動き良化

 
 

食肉の在庫水準は前年を上回って推移しているが、今後は季節的に減少傾向になる。謝肉祭の連休以降、ターキーやハムの冷凍在庫は減少する。10月末時点の食肉の在庫量は21億3,200万ポンドで、前月より4.3%減少したものの、前年同月に比べると6.2%増加した。

豚肉の10月末の在庫量は6億620万ポンドで、前月より3.8%減少したが、前年比では24%も多く、過去5年平均との比較でも20.8%増と依然として高水準である。このうち、ハムの在庫は1億8,790万ポンドで前年比39.9%増。前月に比べると12.6低下したが、ハムの在庫回転の鈍さが12月までの価格を押し下げる一因となっている。バラ肉の全在庫は1,920万ポンドで前年の約2倍だが、過去5年平均との対比で14%低い。9月に豚価格が暴落した際に備蓄された在庫と、来春の需要に対するリスクヘッジを反映しているが、エンドユーザーの来春の手当から引き合いが強まり、価格は上昇し始めている。リブ(バックリブ、スペアリブ)の在庫量は、8,150万ポンドで、前年より41.7%多く、過去5年平均よりも42.2%多くなっている。

牛肉の全在庫は前年実績を下回っている。10月末のボックス・ビーフの在庫は、3億4,960万ポンド、前年比2.6%減。過去5年平均比では7.4%減と低い水準にある。4月の成型肉を巡るネガティブな報道により、脂肪率の高い牛挽き材の供給が促進され、在庫が急速に減少した。これが牛肉価格の高値安定を誘発した面もある。在庫水準から勘案すると、来年第1四半期に入っても赤身肉の価格は強気が続くと予想される。

 

※2012年12月3日NPB「Pork Merchandiser’s Profit Maximizer」

 
企業ニュース

アグリビーフ社が牛肉工場にバイオガス工場新設

 
 

アイダホ州のアグリビーフ社は牛肉処理工場(ワシントン・ビーフ)に新しいバイオガス工場を建設したと発表した。これは排水処理システムの一部である汚水処理用貯水池からメタンガスを取り出すもので、製造されるバイオガスは、同工場で使用される蒸気ボイラー用の約20%をまかなうことができるという。

同社のJay Theilerディレクターは「バイオガスを使った工場は臭気の低減に役立ち、エネルギー価値を高めてくれる。当社が大切にしている持続可能性と地域社会との強い繋がりにも寄与する」としている。アグリビーフ社は2003年にワシントンビーフ社を取得、以来、牛肉生産1ポンドに付き使用される水量を40%以上も低減させている。

 

※2012年12月4日「Meating Place」

 
インフォメーション

「米国プロセッサーリスト」を作成、製品輸入を促進

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「米国プロセッサーリスト」を作成した。これは、増加傾向にあるソーセージなどの豚肉加工品の輸入をより促進するとともに、加熱加工品などを含めた新たな付加価値商材の発掘や開発ニーズが強まっていることに対応したもので、対日輸出に意欲をもつ44社の企業プロフィールが収録されている。各企業の製造工場の番号、規模、主要製造品目と製造能力、コンタクト情報などが網羅されている。近く、USMEFの公式ホームページでダウンロードが可能になるが、希望者にはPDFファイル形式でのメール送信にも対応する。

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート