世界の豚肉生産量は、世界人口の増加に伴う需要の伸びにより、過去10年以上にわたり、右肩上がりで推移してきた。2012年の豚肉生産量は2011年対比で2.3%
増の見通し。2013年については、トウモロコシ、大豆等の飼料穀物の価格上昇により、生産増にブレーキがかかり、0.3%の微増にとどまると推測される。
豚肉の輸出量は、2008年に世界の豚肉生産の50%以上を占める中国でサーコウイルスが発生したほか、主要生産地の四川省における地震等で生産量が減少
し、輸入が大幅拡大した結果、世界の輸出数量が増加した。2009年は、その反動でダウンしたものの、その後は再び上昇に転じ、2012年は前年比3.4%増、
2013年は1.3%増で推移する見通し。
米国の豚肉生産量は、過去13年間、年平均2%の上昇を続けている。この間、輸出量は13%上昇した。2013年の生産量は、干ばつの影響によるトウモロコシ、大豆等
の穀物価格の上昇により1.3%減少するとの見通しである。しかし、輸出量は、世界の主要国での需要が強く、引き続き増加することが見込まれる。
一方で、米国国内の需要は、価格の高騰により減少する見通し。すでに、米国の生産量の約25%が輸出されており、2013年は米国の豚肉産業にとって輸出市場がますます重要になってくる。今後の米国産豚肉の輸出量の予測をみると、その重要性がさらに鮮明になる。
2012年の輸出量は前年比1.5%増の229万トンで過去最高を更新する見込みである。2013年は239万トンと、さらに4%伸長する見通し。2013年から2020年までの平均上昇率は、約5%と推測される。
主要国の輸入豚肉市場における米国産のマーケットシェアをみると、NAFTA合意のメキシコ、カナダでは90%台と高いものの、アジア諸国やロシア等ではまだまだそのシェアは低い。米国国内での需要が厳しい状況の中、今後はこれらの潜在需要のある各国への輸出拡大を図ることが重要になっている。
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