シュタイナー&カンパニーの2014年までの食肉供給と価格の長期予測や、全米豚肉委員会(NPB)のエグゼクティブ・サマリによると、肉豚生産事業は少なくとも2013年の夏までは赤字になるという。一部の有能な生産者は赤字経営に耐え、場合によっては第2、第3四半期の高い先物価格によってリスクをヘッジして、ブレークイーブン(損益分岐点に近い)経営状態までになるかも知れない。ただ、とうもろこし価格が7ドル(1ブッシュルあたり)で豚価が崩壊した時のダメージは甚大である。
生産者はこれまで、飼料高騰による危機に対応して@早期出荷と固体管理でのロス削減A適度に母豚のとう汰を増やし、いち早く若い母豚に入れ替えることで繁殖豚の導入数を制御してきた。
次の2つの四半期においても、若い未経産雌豚への更新と経産母豚のとう汰の両方で、引き続き繁殖豚が減少し、2013年3月1日までには繁殖豚が2.5%減ることが予期される。こうした手法での生産縮小は、2013年の早出しと2014年までの低い分娩頭数が重要である。たとえ、飼料供給量と価格が2013年の秋までに安定するとしても、おそらくは2014年春までに豚肉生産は拡大され、価格低下への圧力がかかるだろう。
現在の予想では、2013年の成豚のと畜数は1.9%減少するが、2014年の第2四半期までには回復し、2014年の第3四半期の後半から第4四半期には微増に転じる。成豚の体重は、急激な飼料コスト高により来年の前半はやや軽め(早出し傾向)と予想される。その結果、2013年の年間の豚肉生産量は約2.3%減少すると考えられる。豚肉輸出は買い手の市場次第であるが、輸出価格の高値が輸出のペースを鈍らせるだろう。2013年の輸出量は1.2%増、2014年は3%増と予想する。
価格の見通しでは2012年の肉豚価格は 83.4ドル周辺(100ポンドあたり)と予想される。前年よりも約4.6% 低いが、2007年〜11年の5年間平均よりは21.8% 高い。来年の価格は平均で91.9ドルと2012年よりも約10%高いと予測しているが、2014年には飼料コストと供給増から3.3%下落すると予測される。
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