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TRADER'S Be & Po

vol.197
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 干ばつの経済的な影響甚大
セーフティ関連 テンダライズ製品の表示義務化を提案-FSIS
ポーク関連ニュース 豚飼養頭数0.4%減、2013年の豚肉供給減は確実
韓国のポーク市場、供給過剰で相場低迷
トレンドニュース 導入頭数減少で厳しさ増すフィードロット業界
イベント IKAで日本代表チームがメダル獲得
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2012.10.22)
米国の輸出・生産動向、日本の輸入量推移
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〜紙面刷新のお知らせ〜

「Trader's Be&Po」をご愛読いただきありがとうございます。本号より紙面内容を一部刷新いたしました。従来から掲載していました生体価格、ビーフ・ポークのカットアウトバリュ、穀物先物取引価格は「マーケット・データ」の頁に集約し、新たにビーフ、ポークそれぞれの「ファクト・シート」を設け、アメリカの輸出と生産動向、日本の輸入動向を月次ペースで掲載します(ビーフ、ポークを隔号掲載)。本文を含めてグラフ等を多用し、アメリカの食肉産業の最新情報を解りやすく、見やすい紙面でご提供いたしますので、引き続き、ご愛読のほどをよろしくお願いします。

〜USMEFスタッフ一同〜

 
市況ニュース

干ばつの経済的な影響甚大

 
 

今年、米国内の広範囲に広がった干ばつは、肉牛の肥育業者に記録的な損失を与え、繁殖業者の利益の著しい減少をもたらすことが明らかとなってきた。干ばつは、少なくとも向こう1年以上は、肥育業者の生産拡大意欲に経済的な圧迫を与え、肥育農家や肥育農場のオーナーに財政的な負担を強いるだろう。家畜売買情報センター(LMIC)が出した新しい分析では、繁殖牛業者や肥育牛業者にとって2012年は期待はずれと失望の1年に変わってしまったという。LMICの今年の当初予想では、繁殖業者は記録的高値の子牛価格も手伝って冬季まで2011年よりも良好であると予想していた。肥育業者も、2011年後半に記録された厳しい赤字と比較して収益が改善すると予想していた。

トウモロコシの作付け、収穫の初期予想は良好であった。ところが干ばつは夏の牧草地を焼き尽くし、子牛価格を下落させ、繁殖牛の生産コストを上昇させた。生産コストがかつてないほど急騰したことにより、肥育場の閉鎖と夏場の赤字が急増した。

LMICは2012年の早春の時点で、繁殖用雌牛価格は、現金コスト+牧草地使用料の最高価格で180ドル(1頭あたり)と見積もっていた。7月に干ばつが広がった時点でこの見積もりを80ドルに修正したが、今回はさらに下げ57ドルとした。干ばつがなかった場合の予測と比較すると、2012年の干ばつは1頭あたりで約125ドルの経済的損失を与えたことになる。LMICは750ポンドの食用去勢牛1頭を南部の商業ベースで成牛として仕上げる場合で、2012年の損失額は今のところ150ドル以上と推定している。2011年の126ドル、2008年の88ドルの損失に匹敵する大きな損失である。

 

※2012年10月1日CATTLE BUYERS WEEKLY

 
セーフティ関連

テンダライズ製品の表示義務化を提案-FSIS

 
 

米国農務省食品安全検査局(FSIS)は、テンダライズ(機械による軟化加工)された食肉製品について、数カ月以内に新たなラベル表示の規則案を提案する予定である。この「ラベル添付規則」には、推奨する調理温度などの記載も含まれる。テンダライズされた食肉のラベリングについては、以前から消費者グループからの要請があったもので、USDAは食品衛生上や消費者保護の観点から検討してきた。

USDAでは、牛肉ステーキとロースト商品の約18%がテンダライズされていると推定しており、このルールの対象は牛肉、豚肉、鶏肉で数十億ポンドになると見込まれる。FSISの規則案は公表後、3カ月間のコメント期間を経て施行される見込み。

 

※2012年10月8日CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚飼養頭数0.4%減、2013年の豚肉供給減は確実

 
 

米国の豚肉生産に関する最新のUSDA調査によると、生産者が急激な飼料コストの上昇に対応し、豚の成長計画をおさえ、出荷を早める傾向が明らかになった。9月1日現在の全体の飼養頭数は6,747万2,000頭で、前年同月比0.4%減となった。以前のレポートでアナリストたちの予想の平均値は0.7%の増産だった。 繁殖用に保持された母豚頭数は578万8,000頭と報告されており、前年同期に比べ0.3%減少した。これは前回のレポートでの予測よりも0.1%低下している。

一方で、USDAの調査では9月1日現在の市場出荷用の肉豚の飼養頭数は6,168万4,000頭で前年同期比を0.4%上回っている。全体的な生体豚の数はまだ昨年の市場売買頭数を超えていることを示しているが、ここ数カ月間で肉豚の早出し出荷が一巡し、その後は供給量が締まっていく流れに転換することがうかがえる。これはさらに、2013年の豚肉供給が減少することに繋がっていくと予測される。

 

※2012年10月8日The national Pork Board Profit Maximizer Retail Edition

 
 

韓国のポーク市場、供給過剰で相場低迷

 
 

Yonhap Newsによると、韓国の2012年第3四半期の豚飼養頭数は994万頭に達し、第2四半期から5.3%上昇した。前年同期比では27.7%の増加であり、大規模な口蹄疫の発生の最中にあった2011年3月から比較すると300万頭も増加している。養豚農家の復活は予想をはるかに超えるものであり、韓国政府と国内養豚産業は生産者に対して10月末までに母豚8万頭、子豚10万頭を自主的に減少させることを奨励している。

豚と畜数は8月までに前年(874万頭)を27%上回っている。2010年の同時期との比較では9%減だが、消費不振と供給過剰により、豚肉卸売価格は低迷している。8月の平均価格はポンドあたり1.75ドルで前年同月比35%安、2010年の8月比ではちょうど5%の値下がりとなっている。

卸売価格は先週さらに下げ、およそ1.22ドルとなった。これは、2011年8―10月の平均価格に比べ3割以上の下落である。このため、多くの 輸入ポーク(一部は一時的な免税割当玉)が冷凍庫に滞留している。韓国政府は豚肉供給を安定させるための買い上げ計画も発表したが、この状況を打開するために一部の大手小売業者は豚肉消費を喚起するためのイベントや販促の必要性が高まっている。

今年のアメリカン・ポークの韓国への輸出は、記録的高水準であった昨年のレベルをはるかに下回っている。ただ、昨年の記録的な輸出量は口蹄疫の影響による国内の供給不足と一部の免税措置の実施によるものであり、重要な点は2012年の輸入量が昨年以外の年の輸入量を上回るかどうかである。

なお、1-7月累計の韓国への豚肉(豚内臓含む)の輸出量・金額は2010年が5万5,883トン、1億1,920万ドル。2011年は13万6,359トン、3億4,340万ドル。2012年は9万1,610トン、2億6,160万ドルである。

 

※USMEF配信ニュース

 
トレンドニュース

導入頭数減少で厳しさ増すフィードロット業界

 
 

肥育牛業界ではこの2年間で、数十件ものフィードロットが閉鎖に追い込まれるかもしれない。収容能力1,000頭以上のフィードロットは現状の稼働率が68%であり、今年末から2013年にかけてさらに減少することが予想される。フィードロット業界では一年前から肥育用若牛と子牛の供給が106万頭も減少した。4%の低下であり、減少幅は2004年以降で最も大きく、フィードロットへの導入前の牛が歴史的にひっ迫していることを意味する。ただ、干ばつの影響が甚大な中で2011年と比較して繁殖用雌牛が回復しているのは明るい材料。 しかし、トウモロコシ価格が先行きも現在の1ブッシェルあたり7.15ドルから大きく下落しない限り、肥育業者のマージンは厳しい圧力にさらされる。1,000頭以上の規模を持つフィードロットは1月1日現在で、1,700万頭分のペン(肥育の柵)を保有していた。ところが9月1日現在のスペース内での肥育牛は1,063万7,000頭だった。これは、8月のフィードロット導入頭数が200万2,000頭と昨年に比べ10.9%減と落ち込んだことが主因である。

 

※2012年10月1日CATTLE BUYERS WEEKLY

 
イベント

IKAで日本代表チームがメダル獲得

 
 

IKAで日本代表チームがメダル獲得 「第23回世界料理オリンピック」(IKA)が10月5日〜10日、ドイツ・エアフルト市で開催され、メイン食材に高品質のアメリカンビーフを用いた日本代表ナショナルチーム(写真)は、レストラン オブ ネイションズ競技で見事、銅メダルを獲得した。さらに、コールドブラッターディスプレイ(冷製大皿料理展示競技)では銀メダルに輝いた。

IKAは100年以上の歴史を有する世界料理オリンピックで、世界司厨士協会加盟国(93ヶ国)により4年に一度ドイツで開催される西洋料理を極める料理競技大会の最高峰。総勢1,500名のシェフが腕を競い、スターシェフが国の威信を 賭けて最新の厨房(オープンキッチン)で料理を競う舞台において、日本における食文化の質の高さとアメリカン・ビーフのおいしさが世界に発信された。

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ポーク・ファクト・シート